やり投・北口榛花選手の金メダルをあと押し? 猫背矯正できる“斜め椅子”とは

ウェルネス
2024.11.28

パリオリンピックの女子やり投で、金メダルを獲得した北口榛花選手。その快挙の裏には猫背矯正が関係していたという情報をキャッチ。それに一役買ったのが愛用している「斜め椅子」というアイテム。開発に携わった日本のスポーツ科学の先駆者で様々なアスリートを指導している足立和隆さんを直撃インタビュー。

やり投・北口榛花選手の金メダルをあと押し? 猫背矯正できる椅子。

左・パリ五輪女子やり投金メダリスト・北口榛花選手、右・足立和隆さん

「北口選手との出会いは2019年。彼女が通っている東京・池袋の『SSSA治療院』を通して知り合いました。当時の彼女は猫背で、姿勢の悪さがすごく気になりました。179cmという身長の高さをコンプレックスに感じていたのか、無意識に背中を丸めて生活していたのが猫背の原因。それ以降、アドバイザーとして、姿勢を矯正するために全面的なサポートをしてきました。その流れで開発したのが斜め椅子です。現代人は生活習慣が原因で骨盤が後傾し、猫背の人が多いんです。そこで自然と骨盤を前傾させられるよう、18度の傾斜がついた椅子を作りました。北口選手はいつもこれに座って姿勢の乱れを防いでいます。常に基本の姿勢を心がけるように指導してきたことで大きなけがもなくなりました」

競技中に寝そべってカステラを食べる北口選手の姿が話題になったが、実はあの姿勢を指導した張本人が足立さん!

「やりを遠くに飛ばすためには、カラダを後ろに大きく反らせることが重要です。そのためにはお腹がしっかり伸びないといけません。頬杖をついて寝っ転がるとお腹が自然と伸びるので、競技中でもこのような姿勢をとるように指導しました。今回金メダルがとれたのは、本人のトレーニングの成果はもちろんですが、姿勢矯正の効果もあると思っています。これからも北口選手の姿勢の指導を続け、良い姿勢を保てるようになれば、自身が持つ日本記録67m38を超える、70mの大台、そして世界記録超えも確実に達成できると思っています」

この斜め椅子、11月から埼玉の小学校で実験的に使用されているそう。日本中の椅子がすべて斜めになる日も近いかも。

理想の座面の角度が18度。
18度の傾斜の椅子に座ると、自然と背すじが伸びて座姿勢を保ちやすいそう。斜め椅子は現在非売品だが、購入したいという多くの声を受け、近々一般販売される予定。発売がいまから楽しみ!

日頃から姿勢矯正グッズを愛用。
自宅、競技場、会見先、そして練習拠点のチェコでも、いついかなる時も斜め椅子に座り、正しい姿勢をキープできるよう努力している北口選手。さらに姿勢を矯正できるオリジナルマットも使っているとか。

PROFILE プロフィール

足立和隆

機能解剖学を専門とする人体のスペシャリスト。東京農工大学卒業後、東京大学大学院理学系研究科で人類学を学び、筑波大学人間総合科学研究科の准教授を経て、現在は様々な学校で教壇に立ったり、多くのアスリートをサポートしている。

写真・中村香奈子 取材、文・鈴木恵美

anan 2424号(2024年11月27日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2424掲載2024年11月27日発売

キレイをつくる、骨格ケア。

美味しいものを知り尽くした選者による今年のベスト手みやげから、いま注目を集める進化する焼き菓子、体をいたわるご自愛ギフト、ソバーキュリアスな人に贈るドリンク、日本全国47都道府県もなか選手権、自分へのプチご褒美カタログなど、これからの季節、大切な人や自分に贈りたい手みやげとギフトをご紹介します。

詳しくみるマガジン一覧

PICK UPおすすめの記事

MOVIEムービー