意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「韓国週4.5日労働制」です。
世界的に市場拡大。セキュリティには今後の課題も
韓国では「週4.5日労働制」の導入を進めています。これは李在明大統領が公約に掲げていたもので、昨年6月からソウル近郊の京畿道(キョンギド)で試験的に行われました。参加した企業には、勤怠管理システムの構築費を支援し、時短した分の勤労者賃金、1人当たり月最大26万ウォン(約2万7000円)を自治体が補填します。導入したある企業は、売り上げが20%増加したと効果を認めました。参加した企業の社員のアンケートでも52%が「業務の生産性が上がった」と回答したそうです。
ただ、平日のうち1日を半日稼働にするようなシフトを組める大企業はよいですが、小企業はそんな余裕もなく、休日や夜勤手当は1.5倍支給が義務付けられ、人件費の負担増などの問題があり、反発の声も上がっています。
韓国では長時間労働が長年の問題になっています。年間労働時間は2024年時点で1865時間。OECD加盟国36か国中6位。ちなみに日本は1617時間で22位でした。韓国は日本以上に深刻な人口減少に悩んでおり、少子化に歯止めをかけたい。長時間労働を是正することでプライベートな時間が取れて、少子化の改善が見込めるのではないかという狙いもありました。
人口減少が進む中、企業がどう生産性を上げるかは、日本も抱えている問題です。日本の1人あたり労働生産性はOECD加盟国38か国中29位でG7の最下位。韓国は27位。日本の場合、DXの遅れが原因といわれています。
例えば建設事業者は若い人材が不足し高齢化が進んでいます。重機をAIで管理したり、ドローンを活用するなど、自動化できる技術は開発されているのです。ところが、最新技術を扱える人がいないため、導入することができない。岡山県では、大学生が困っている現場の職人と、最新技術を扱える人をつなぐスタートアップ事業を始め、成果を上げています。
生産性や業務効率を上げるためにDXが推進され、技術開発は進みますが、オペレーションやマネジメントが追いつかないのでは何にもなりません。課題解決を担う中間事業者を育てることも同時に進めることが必須なのではないかと思います。
五月女ケイ子解読員から一言

休息は脳のワーキングメモリーを回復させ仕事の質を上げるそうです。量もだけど「いかに休むか」が生産性の差になりそう。休日が曖昧な私の作業効率を上げて休みを作ろうと、AIにこのコメントを頼んだら逆にストレスが…。たくさん休みたいです。
解説員
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堀 潤
ほり・じゅん ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『堀潤 Live Junction』(TOKYO MX月~金曜20:00~21:00)が放送中。著書『災害とデマ』(集英社)が発売中。
解読員
Profile
五月女ケイ子
そおとめ・けいこ イラストレーター。楽しいグッズが買える、五月女百貨店が好評。細川徹との共著、ゆるくておバカな昔ばなし『桃太郎、エステへ行く』(東京ニュース通信社)が発売中。
anan 2499号(2026年6月10日発売)より




























