川と海の恵みを堪能! 高知の「水を巡る旅」で美しい青に触れ、味わい、整う

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2024.11.05

四国の南側に位置し、太平洋に面した自然豊かな高知県。見る者の心を癒す清流と雄大な海は、美味しい食材の宝庫! “水”をキーワードに巡る、目にも口にも嬉しい旅をお届けします。

INDEX

    日本一の水質を誇る仁淀川で最高のブルーに出合う

    あまりにも鮮やかで神秘的な色に目を奪われる、高知県のほぼ中心を流れる仁淀川。季節や時間により刻一刻と表情が変化、さまざまなブルーが現れることが大きな魅力に。また驚くほどの透明度を誇り、国土交通省が行う調査で“水質が最も良好な河川”に何度も選ばれている。

    全長約124kmの川には、いくつもの絶景スポットが存在し、場所により楽しめる景色も違う。

    まず、大雨や台風などで増水した時に水中に沈むように設計された、欄干のない「沈下橋」がたくさん架かっている。なかでも最下流にあるのが「名越屋沈下橋」で、山の坂道を下り、優しいブルーが目の前に広がる瞬間はエモーショナル…! 道幅も車1台分と狭く、なかなかのスリルも味わえる。

    名越屋沈下橋/吾川郡いの町勝賀瀬。高知市内から約40分。[東京からのアクセス]高知龍馬空港へは、羽田からANA、JAL、成田からJJP(ジェットスター・ジャパン)で80~90分。名古屋からFDA(フジドリームエアラインズ)で55分。大阪からANAで40~50分と、アクセスしやすい。

    一方、山奥にある「にこ淵」は、光の当たり方でブルーやグリーンに変わる滝壺の風景が幻想的。地元では龍が住む神聖な場所として大事にされてきたことも納得できる佇まいだ。また、緑深い原生林と崖に囲まれた「安居渓谷」は、川底にある石まではっきりと見えるクリアなブルーにうっとり。

    写真の「水晶淵」のほか、落差30mの二段の滝「飛龍の滝」や砂防ダムなどもあり、さらに秋は美しい紅葉も楽しめる。せっかくだから、下流から上流までさまざまな場所を巡り、奥深い“仁淀ブルー”を堪能してみては。他では見られない稀有で美しい色に、きっと、心が洗われるはず。

    安居渓谷吾川郡仁淀川町大屋。高知市内より車で約90分。どのスポットも交通手段は車が基本。山道は細く、すれ違いが大変なので注意が必要。水辺や岩場は滑りやすいので、サンダルやヒールは避け、歩きやすい靴と服装がマスト。https://niyodoblue.jp/

    にこ淵/吾川郡いの町清水上分2976-11。入水、飲食は禁止。急勾配の階段を下る。高知市内より車で約70分

    仁淀川で「遊ぶ」「作る」「整う」

    仁淀川の流域で楽しめる、いちおし体験を集めました。気になるものに挑戦を。仁淀川には、美しい水面の上でできるさまざまな遊びが用意されている。アクティブにいきたい派は、カヤックやSUPがおすすめ。ゆったりと風景を堪能したいという人は、屋形船で川を下ってみよう。

    屋形船で「遊ぶ」:名越屋沈下橋が見られる場所へ。川に触れられる。屋形船仁淀川●高岡郡日高村本村209-1/TEL 0889-24-6988/料金2000円(1人)/運航情報等はHPで。https://www.yakata-niyodo.com/

    SUPで「遊ぶ」:ボードに立つだけでなく座ったり、寝転んだりも。仁淀川アウトドアセンター●吾川郡仁淀川町長屋6/TEL0889-20-9619/料金6000円〜(1人)/詳細はHPで。https://www.niyodo.jp/

    カヤックで「遊ぶ」:船底まで透明なカヤックを漕いで仁淀川を巡る。魚や石もしっかりと観察できる。インストラクターが付き添うので安心。ドローン撮影付き。料金6500円〜(1人)仁淀川アウトドアセンター

    紙漉き体験で「作る」:1000年以上前から存在する高知の伝統工芸品の一つである、土佐和紙。いの町にある道の駅「土佐和紙工芸村和紙体験実習館」では、手漉き和紙体験ができ、草花を入れたはがきなどを作れる。はがき8枚または色紙2枚(無地500円、草花入り800円)を作成。お土産にもぴったり。●吾川郡いの町鹿敷1226/TEL 088-892-0127/営業時間 9:00〜17:00(最終受付16:00)/水曜休

    摘み草茶で「整う」:仁淀川の上流域にある『tretre』が手がけるブレンドティーは、昔から山あいに自生する山野草など、それぞれの旬に手摘みした素材を主に使用している。自然の味わいと香りにほっとできます。高知県内のショップやオンラインストアなどで購入可能。自然茶を釜炒りしたものに爽やかな風味を添えた写真の「和はっか」は1620円。購入場所などはHPで。https://tretre-niyodo.jp/

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    いい水の土地には美味しい魚も野菜もあり!

    やっぱり食べたい! 新鮮な「海の幸」

    太平洋に面した高知県は漁師町が多く、美味しい魚介類のお店もたくさん! 名物のかつおのたたきと貝を心ゆくまで味わえる、県民に愛される名店を紹介。

    『田中鮮魚店』でかつおのたたき

    旨味たっぷりのかつおに感動! 美味しさの秘密は一本釣り

    かつおの藁焼きたたきと、ご飯と味噌汁セット(300円)。塩とわさび、タレやにんにく、かつおの削り節つき。値段は時価だが写真の量で2500円ほど。

    高知の人が、美味しいかつおを食べたい…!と思った時に足を運ぶのが、中土佐町の久礼(くれ)大正町市場にある『田中鮮魚店』。店頭には旬の魚がたくさん並び、向かいにある食堂『漁師小屋』では、購入したものを食べることができる。

    「かつおの藁焼きたたき」は、社長の田中隆博さんが店裏にあるかまどで、たっぷりの藁と燃え上がる炎で火を入れたもの。いざ、塩とわさびでいただくと、とろりとした食感、そして、深い旨味ながら後味さっぱり、生臭さは皆無という洗練された味わいに感動! その上、焼きの入った表面部分の香ばしさも追いかけてきて手が止まらない。これまで食べていたかつおのたたきと全く違う、としみじみ。

    美味しさの秘密は、一本釣りゆえの身の締まりの良さや質、鮮度と、田中さんの目利きにあり。これを食べるためにまた高知に来たい…と思わせる逸品です。

    田中鮮魚店●高岡郡中土佐町久礼6382/TEL0889-52-2729/ 9:00〜17:00(漁師小屋10:00〜15:00)/水曜休

    藁焼きの様子。表面から2〜3mmまで、約1分で焼きを入れる。

    社長の田中さん。目と手で最高のかつおを見分ける。

    市場のある久礼は、約400年前からかつおの一本釣りが行われている漁師町。

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    『萩の茶屋』で貝焼き

    滋味溢れる立派な貝たちを焼きとおじやでいただいて

    大小さまざま、色とりどりの貝たちは旨味のかたまり…! 値段は盛り合わせも含めて時価(1人前あたり3500円くらいを目安に)。

    漁師町である土佐市宇佐にあり、窓から漁港が見える『萩の茶屋』では、魚介類を焼いて食べるというシンプルで最高の贅沢が味わえる。

    名物の一つが貝焼きで、お店の入り口にある水槽の貝を1個から注文可能。長太郎貝やサザエ、ナガレコ、ハマグリ、大貝、アサリなど日によって頼める種類はさまざま、盛り合わせにもできる。テーブルにある網で焼き始めると、だんだんダシが出てくる姿に食欲がそそられる。

    アツアツで弾力のある貝たちにつけるのは、酸味がきいた「秘伝の自家製貝ダレ」。滋味深さにほどよい爽やかさが加わり、口の中に幸せが広がる。ちなみに、地元の人が貝のほかによく食べるのが焼き肉で、中華メニューも充実とラインナップの幅広さも面白い。開店と同時に地元の家族や友人たちの集まりで満席と、とっても賑やか!

    萩の茶屋●土佐市宇佐町宇佐2739/TEL 088-856-1908/11:00〜16:00、17:00〜21:30(土・日・祝日11:00〜21:30)/火・水曜休

    テーブル席のほかに座敷席もあり。落ち着いた空気が流れる。入り口では駄菓子も販売。

    お会計はそろばんを使って行われることも。お店で働く女性たちの活気溢れる姿も印象的。

    食事のシメに食べるなら貝おじや(600円)。出汁がきいたほっとする味わい。

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    見た目にも美味しい「田舎寿司」を作ろう

    高知には、土地の歴史や生活があらわれる郷土寿司がバリエーション豊かに残っている。ここでは、津野町の山の幸をのせた「田舎寿司」作り体験を紹介します。

    柚子酢がふわりと香る素朴で優しい味わい

    田舎寿司。黄緑のりゅうきゅうは里芋の一種で茎部分を食べる。こんにゃくは酢飯を中に入れるスタイル。

    高知市から車で約60分、四万十川の源流点がある津野町に伝わる「田舎寿司」。寿司といってもネタは海産物ではなく、山で採れる食材を使うのが最大の特徴に。

    教えてくれるのは、伝統の味を残す活動を行う久保川生活改善グループのおかあさんたち。田舎寿司の歴史や作り方を紙芝居で楽しく学んだ後、いざ実践へ。材料は、しそに漬けたみょうが、甘辛く炊いたしいたけ、こんにゃく、たけのこ、高知のメジャー野菜であるりゅうきゅう。柚子酢飯を手にとって形を整え、具材をのせたり、巻き簾を使って握っていく。

    思うようにいかず四苦八苦していると、おかあさんたちが優しく褒めながら手伝ってくれ、最後は無事に完成。ネタごとに味付けや食感が全く違い、柚子酢の爽やかな香りもアクセントになって、とっても美味しい! 津野町のみなさんの知恵や工夫が満載の味に触れてみて。

    久保川生活改善グループ●高岡郡津野町永野251-1/津野町農村体験実習館 葉山の郷内/TEL 090-1323-5940/体験は5名〜受付、料金2500円(1人)/希望日の1週間前までに申し込みを。エプロン持参。

    久保川生活改善グループの(右から)たまきちゃん、さえちゃん(86歳!)、みっこちゃん

    柚子酢飯の成形は難しく、さえちゃんの手さばきに感動

    優しく教えてくれるので安心。

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    高知の野菜やソウルフードが大集合! 「とさのさと」が楽しい

    野菜や魚などの地のものや名産品を購入したい時は「とさのさと」へ。JAの直売所や、食のセレクトショップが集まる、地元民と観光客に愛されるスポットです。

    JAファーマーズマーケットとさのさと

    高知の食材を買うならここ! 見ているだけでも楽しい

    高知産にこだわった新鮮な野菜やフルーツ、肉、海産物などが、ぎゅぎゅっと並ぶ。生鮮食品のほかに練り物や豆腐などの加工品もあり、田舎寿司やかつおご飯といったお惣菜もバリエーション豊かで興味深い。午後にも商品が補充されるので、“せっかく行ったのに何もない…”という残念体験が少ないのも嬉しいポイントに。

    ●高知市北御座10-46/TEL 088-878-8722/ 9:00〜19:00/無休

    水産資源に恵まれる高知の人は練り物を好んで食べるという。ちくわや天ぷら、かまぼこなど、多様なラインナップに目を奪われる。

    さまざまな柑橘類も。高知ではレモンや柚子、ぶしゅかん、直七、ダイダイなど、料理に搾りかけて使う柑橘類を「酢みかん」と呼ぶのだそう。お店の人が描いたイラスト入りのかわいいポップは、高知の食材を知る勉強にもなるので注目を。

    ファーマーズマーケットの中にある精肉売り場。県外にほとんど流通せず、“幻の和牛”ともいわれる土佐あかうしも販売。

    高知の野菜として知られる、りゅうきゅう。大きい!

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    とさのさと AGRI COLLETTO

    名品から珍しいものまで勢揃い。素敵なお土産を見つけたい時にも

    ぽん酢、かつお、うなぎ、芋けんぴや「ミレービスケット」といった土佐おやつなど有名なものはもちろん、県内の人も魅力を再発見できるようなレアアイテムも揃う。『久保田アイス』などのテイクアウト店や、しらす丼や鍋焼きラーメンなどご当地グルメが食べられるレストランも併設されている。

    ●高知市北御座10-10/TEL 088-803-5015/10:00〜19:00(レストランは〜20:00)/無休

    柚子ジュースをはじめ、県内各地のご当地ドリンクがずらり。

    日曜市で行列ができる「いも天」も買える。揚げたてのほっくり感と甘じょっぱさに夢中。

    アイス大国として知られる高知。「やきなす」などユニークなフレーバーもあり。

    芋けんぴは砂糖だけでなく塩味や、柔らかい食感のものまで幅広く取り扱う。写真は南国製菓の「塩けんぴ」で、このまま宅配便で送れる便利な仕様に。

    ミネラルたっぷりの天日塩も有名。田野屋青蜂の中粒。

    お土産にしやすいかつおの加工品

    柚子で有名な馬路村の風味が異なるポン酢セットは、小瓶で使いやすい。

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    高知への旅はこちらも参考に!

    PR・高知県
    写真・田尻陽子 文・重信綾

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    No.2419掲載2024年10月23日発売

    秋の推し旅2024

    アート、美食、温泉、自然、クラフト…etc。大好きなものを求めて様々な形の秋の旅をお勧めする特集です。長野×北アルプス国際芸術祭、前橋×街中アート散策、京都×名所と甘いもの巡り、函館×ローカルフードを満喫、金沢&福井×日本海の美食と洗練の工芸、高知×美しい水の恵み、癒しを求めて道後温泉&秋保温泉、というラインナップです。

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