聴く音楽も聴き方もより多様かつ身近に。
今の若い世代はどんなふうに音楽を楽しんでいるのか。クラブカルチャーシーンに詳しいライターの高木望さんによると、
「国内のクラブシーンでは、あらゆるジャンルを横断する若いDJが増加。ただクラブ文化に限らず、特定のジャンルやアーティストを深掘りするというより、あらゆる音楽をまんべんなく楽しむ人が増えたと思います。今はそれほど気軽に、そして身近にたくさんの音楽を楽しめるようになったということではないでしょうか」
その背景には、サブスクやYouTube、TikTokなどネットメディアで音楽を聴くというスタイルの影響が考えられるそう。
「CDなどフィジカルを購入しなくても、音楽と接続できる。ただ、近年はアナログ回帰の流れもあり、自宅ではレコードやカセットテープなどの音源を楽しみ、出先ではサブスクを活用してニューカマー・プレイリストなどから新しい音楽に触れるといった形で、場面によって聴き方や聴く音楽を分けているような印象です」
そんなリスナーの嗜好を反映するように、新たなオーディオが続々リリース。自分の音楽スタイルに合わせて選んでみて。
レトロ感漂うフィジカル音楽を最新プレーヤーで味わう。
一時のブームから今や定着しつつある、フィジカルでの音楽体験。
「アナログならではの音を楽しみたいということもあると思いますが、それ以上にインテリアのような価値が求められているのでは。オーディオのデザインに関しては、当時の面影を残したものが人気の傾向に。一方、機能面ではここで紹介されているすべてのオーディオにBluetooth機能が付いているなど、見た目はレトロ、機能は現代的というハイブリッドがトレンドのようです」
1、環境にも配慮しつつ、フィジカルの温もりを味わえる。
【House of Marley】STIR IT UP LUX
ナチュラルな風合いの竹製の台座が目を引くターンテーブル。『House of Marley』が環境への配慮をコンセプトとしたオーディオブランドであることから、植物の中でも成長が著しく早く、持続可能な資源といえる竹を採用。また、竹の頑丈な特性などにより、原音に近いクリアなサウンドが再現可能に。￥49,980（完実電気）https://kanjitsu.com/
2、時を超え、待望の復活！ かわいさと機能性が両立。
【audio-technica】SOUND BURGER AT‐SB727
レコードをパクッと挟んで再生するスタイルがユニークな「サウンドバーガー」。1982年に発売された当時のレトロなルックスはそのままに、Bluetooth機能など現代のテクノロジーを搭載して昨年本格復活。手軽かつ置き場所はコンパクトに、レコードの味わいある音質を存分に楽しむことができる。￥23,980（オーディオテクニカ TEL：0120・773・417）
3、クールな佇まいがむしろ新鮮。カセットテープは再生＆録音OK。
【ORION】SCR‐B3
1980年代に流行したラジカセを彷彿させる武骨なデザイン。もちろんカセットテープとラジオの両方が聴けて、カセットには録音機能付き。ラジオは受信感度の高いデジタルチューナー内蔵で、AM／FM電波をしっかりキャッチ。オールドスクールな見た目と、機能性の高さが融合した一台。￥12,980（ドウシシャ TEL：03・6408・5074）
4、再生機能は1台4役。アナログとデジタルの音が楽しめる。
【WINTECH】MicroSD／USB録音対応モノラルラジカセ
コンパクトなサイズながら、カセットテープ、ラジオ、USB、MicroSDの音源を再生できるという優れもの。カセットテープからMicroSDやUSBメモリに録音することもできるから、アナログな音色をデジタルデバイスで楽しむことも可能に。カセットテープのバックアップに使えるという点でも便利。￥7,678＊編集部調べ（廣華物産 TEL：03・5966・3933）
5、手のひらサイズで重さ約230g。テープの音をいつでもどこでも。
【AUREX】AX‐W10C（Walky）
Bluetoothまたは有線で、イヤホンやスピーカーに接続して使うタイプのカセットプレーヤー。持ち運びに便利な手のひらサイズながら、独自のテクノロジーにより、臨場感たっぷりのリスニング体験を実現。カセットの蓋がクリアなので、テープのデザインを視覚的にも楽しめる。￥7,700＊編集部調べ（東芝エルイートレーディング TEL：0120・28・0488）
6、レコードプレーヤーのような木目調のシックなデザインが◎。
【Amadana Music】CDプレーヤー［C.C.C.D.P.］
CDプレーヤーにもクラシカルなムードを取り入れたい。そんな気分にぴったりなのが、これ。インテリアにも映える木目調の外観は、スタイリッシュなデザインで人気の家電メーカー「amadana」ならでは。光デジタル出力で、サウンドは原音に忠実かつ高音質。￥14,850（販売元：タワーレコード amadana）https://www.amadana.com/contact
高木 望さん 1992年生まれのライター、DJ。野外フェス「岩壁音楽祭」のPR やブッキングにも携わる。全国のクラブを訪れ、アップカミングなプレイヤーの発掘を兼ねてフェスのPRに尽力する。
※『anan』2024年3月27日号より。写真・大西日和 スタイリスト・宮田桃子 取材、文・保手濱奈美
（by anan編集部）
