【ステップ1】やさしく丁寧に、汚れを落とす。
洗ったつもりでも洗いムラがあれば、手洗いの効果は半減。逆に洗いすぎてしまっても手荒れの原因に。
「心がけるべきは“隅々までやさしく”。指の間まで丁寧に洗ってすすぎ、決して水分を肌に残さないのが上手な手洗いのポイントです」
1:ぬるま湯で手を濡らし、石けんをよく泡立てる。
熱湯で洗うと、肌表面の潤いまで洗い流してしまうことに。逆に冷たすぎる水も、皮膚温度が低下して乾燥し肌荒れしやすくなるので要注意。
「適温は33~35度。人肌よりぬるいことを意識しましょう。洗う時に、摩擦を防ぐためにも、石けんはよく泡立てます」
2:指の間、指先、手首までやさしく洗う。
全体をくまなく洗うことが大切。
「指は一本ずつ洗い、指の間や親指まわり、手首まわりも忘れずに。水性の汚れであれば、爪やブラシなどでこそぎ落とさなくても十分落ちます。こすりすぎると肌のバリア機能が低下するので、泡で包み込むように丁寧に洗って」
3:洗い残しがないよう、しっかり洗い流す。
手についた菌をしっかり洗い流すためには、30秒はすすぐのがおすすめ。石けんがすべて落ちてからも流水で洗って。
「万が一、石けんが肌に残っていると手荒れの原因に。こすらないようにやさしく、指の間や手首も洗い流しやすすぎ残しがないようにしましょう」
4:乾いたタオルで手を包み、水分を拭き取る。
洗った後はすぐに肌当たりの良い乾いたタオルで水分を拭き取ろう。
「やさしく押さえるようにしながら、タオルに水分を吸わせましょう。指の間もタオルで挟み込むようにしてしっかり拭き取って。爪の間に水分を残すと炎症を起こす場合もあるので、忘れずに」
【ステップ2】ハンドクリームで、潤いをプラス。
手洗いの後はもちろん、こまめにハンドクリームをつけることはハンドケアの基本。
「ハンドクリームは、キッチン、寝室、いつも持ち歩くバッグの3か所に常備しておくと、習慣づけやすいはず。気づいた時に細部までムラなく塗りましょう」
5:ハンドクリームを人さし指の2関節分とる。
手の細部まで塗るため、ハンドクリームの量はチューブタイプであれば人さし指の指先から第二関節までが目安。
「摩擦を防ぐため、若干多めにとりましょう。手にのばしてみて少なかったら足して。缶タイプであれば、衛生面を考えてスパチュラを使うのがベター」
6:クリームを温めながら、手のひら&甲に広げる。
肌馴染みを良くするために、ハンドクリームは両手で挟んで温めてから塗り広げるのがおすすめ。
「軽く両手の甲になじませた後、片手の甲を反対側の手で軽く掴みます。そのまま親指の腹で手の甲全体に円を描くようにさすりながらやさしく馴染ませましょう」
7:指の一本一本、側面までくまなく馴染ませる。
指の塗り忘れを避けるためには、側面と上下(爪側と手のひら側)の2面ずつに分けて塗るのが効果的。
「まず指の側面を、反対の手の人さし指と親指で挟み、指先から付け根のほうへスライド。次に指の上下を、反対の手の親指と人さし指で挟み、付け根から指先へ」
8:爪の先も忘れずに。手首全体にもつけてハンドプレスを。
指だけでなく爪と爪まわりにも塗り込めば、ささくれ予防に。
「爪も、親指でくるくるとさすりながら馴染ませましょう。その後、手のひらを反対側の親指で円を描くようにさすりながら馴染ませたら、手首全体にものばして。最後に全体をプレスすると密着しやすく」
肌状態に合った成分でハンドクリームを選ぼう。
どんなハンドクリームでも保湿はできるけど、トラブルがある場合は特に成分に注目するとケアの成果が上がりやすい。
「バリア機能を上げるためにも、トラブルは早めに改善を」
コラーゲンセラミド
セラミドや加水分解コラーゲン、グリセリンなどは、水分を抱える力が強いので肌荒れしている時に◎。
ビタミンE
しもやけやひび割れがあるなら、ビタミンE配合のクリームを。血流を促進して改善に導いてくれる。
尿素
ピーリング作用があるので、角質が硬くなってしまった場合におすすめ。ただし、保湿力は低め。
慶田朋子先生 銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)などがある。
※『anan』2020年10月7日号より。イラスト・momokoharada 取材、文・古屋美枝
(by anan編集部)