意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「衆議院解散」です。
不信任決議以外の解散の是非を改めて問うては?
2月8日に衆議院選挙が投開票され、自民党は316議席を獲得、歴史的な圧勝となりました。この選挙は1月23日に衆議院が解散し、投開票まで16日間という短期決戦。前回の衆院選から衆議院議員の在職日数は454日で、現行憲法下では3番目に短い期間でした。しかし、他の2例、第4次吉田茂内閣の165日間も第2次大平正芳内閣の226日間も、野党が提出した不信任決議案が可決された結果の解散です。
今回の解散は急でしたし、解散理由がわからないという反論も多数出ていました。高市首相は「国論を二分するような大胆な政策、改革にも果敢に挑戦したい。重要な政策転換について国民に示し、その是非について審判を仰ぎたい」と述べました。しかし、衆議院解散は、総理大臣が自由に決められるものではありません。
衆議院解散は、憲法には第69条の内閣不信任決議案によるものと、第7条の「天皇の国事行為として、天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、国事に関する行為を行う」の2つがあります。ただ、天皇は象徴であり、政治に関与できないため、今回はこの7条の仕組みを使い履行しました。けれども、それは内閣の権力濫用ではないかという指摘もありました。
7条解散には議論、改正が必要なのではないかと言われ続けましたが、うやむやになったままです。
昭和27年の吉田内閣の7条に基づいた衆議院解散の際に野党議員だった苫米地義三さんが、69条によらない解散は憲法違反ではないかと訴えを起こしました。最高裁まで争われましたが、「国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為の判断は、主権者たる国民に対して政治的責任を負うところの政府、国会等の政治部門の判断に委され、最終的には国民の政治判断に委ねられている」と最高裁は司法判断を避けたんですね。
少数与党では自分たちの意向を反映させるのが難しいため、内閣支持率が高いうちに勝負に出て、法案を通しやすくするという狙いがありました。7条解散によって国民は振り回されます。このままでいいのか、改めて議論の必要があるのではないでしょうか。
五月女ケイ子解読員から一言

自民党の好きな時に結構自由に解散できるんだなぁと思っていたのですが、憲法を行使していたんですね。勉強になりました。しかも今回は動機的にもわかりやすかったです。私が高市さんでも、自分が人気の今、選挙やっとくかってなると思います。
解説員
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堀 潤
ほり・じゅん ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『堀潤 Live Junction』(TOKYO MX月~金曜20:00~21:00)が放送中。著書『災害とデマ』(集英社)が発売中。
解読員
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五月女ケイ子
そおとめ・けいこ イラストレーター。楽しいグッズが買える、五月女百貨店が好評。細川徹との共著、ゆるくておバカな昔ばなし『桃太郎、エステへ行く』(東京ニュース通信社)が発売中。
anan 2485号(2026年2月25日発売)より



















