1、雇用のスタイルが変化。家にいながら好きなことで働きやすく。
「在宅勤務が主流になるため、今後は労働時間ではなく成果に対して評価される時代になるでしょう。そこで重要なのはスピーディさ。効率的に業務をこなせる人がどんどん稼げるようになっていくはず」(小山さん)
「労働時間を短くできる可能性も考えられます。その浮いた時間を使って副業をすることが当たり前になり、“本当に好きなこと”でお金を稼ぐスタイルが、これまで以上に浸透していきそうです」(牛窪さん)
2、人間関係は、“信頼関係”が重要に。二極化が加速中。
「新型コロナを、自分が大切な人にうつしてしまうリスクもあります。なので、リアルで会う人をより慎重に見極めるようになるはずです。一方で、孤独感を埋めるため、SNSを介した緩いつながりも、さらに広まるのでは」(牛窪さん)
「最近盛り上がっているのは、オンラインライブ。ひとつのエンタメコンテンツを通じて複数人と楽しさを共有することで、寂しさを解消しようとする人が増えています」(小山さん)
3、居住空間の重要性を再認識。移住やリフォームの選択肢が当たり前に。
「自宅で過ごす時間が増えたことで、室内環境を整えようと考える人が増えたようです。家具の売り上げが伸びたり、リフォームの需要が増えたりしたのもその一例。これまでよりも長時間を過ごすのであれば、自宅にお金をかけても費用対効果が得られますから。また、自然が多く住みやすい郊外へ引っ越す人や、思い切って県外へ移住する人も。“暮らす場所”を見つめ直すきっかけになったといえますね」(小山さん)
4、免疫力アップのために、自炊が依然として主流。時短が叶う調理家電も人気。
「コロナ初期には惣菜が売れていましたが、中期に入ってからは食材の売り上げが増しました。手料理することに意識が向いていったんです」(小山さん)
「栄養や免疫をつけようと、料理を手作りする人が増えたんです。自炊率の高まりと比例するように、“ほったらかし家電”と呼ばれる自動調理鍋も売れました。自宅で仕事をしながら並行して料理もするスタイルが普及した結果ともいえますね」(牛窪さん)
5、買い物はオンラインとオフラインの垣根が低く。レンタルサービスもさらに注目。
「人と会う機会が減り、コスメや洋服の売れ筋が変わりました。そもそも長時間の買い物にも行きづらい。そんな状況を打破すべく、各社がオンライン上でコーデを提案するようなリモート接客を取り入れ始めています。リアルな店舗でも、スタイリング案などが見られるタブレットの導入が増えて、接客自体はコンパクトな方向に。また、アパレルブランドがレンタルサービスに洋服を卸すようにもなりました」(牛窪さん)
小山龍介さん 株式会社ブルームコンセプト代表取締役。新しいビジネスモデルやライフハックを専門に研究している。近著は『在宅HACKS! 自分史上最高のアウトプットを可能にする新しい働き方』(東洋経済新報社)。
牛窪 恵さん 世代・トレンド評論家、立教大学大学院・客員教授。「草食系」などの流行語を世に広める。著書に『「おひとりウーマン」消費! 巨大市場を支配する40・50代パワー』(毎日新聞出版)ほか。
ストライプギャザーワンピース¥19,000 中に着たノースリーブニット¥6,000(以上ジョンブル/ジョンブル カスタマーセンター TEL:086・470・5770)
※『anan』2020年9月2日号より。写真・市原慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER) モデル・ケルク ハナ(BARK in STYLe) 取材、文・五十嵐 大 撮影協力・AWABEES UTUWA TITLES
(by anan編集部)