男女の賃金格差大。女性管理職は極少。課題は多いのです。
「ジェンダーフリー」とは、これまでの性別による役割分担を取り払って、能力や生活スタイルに合わせて自由に行動することをさします。
人権運動とは別に、労働力を確保するためのジェンダーフリー策がいま、広がっています。日本はいま空前の人手不足。安倍内閣は一億総活躍社会を掲げ、いったん家庭に入った主婦や子育てを終えた女性も社会で活躍してもらいたいと考えています。
厚労省の発表によると、フルタイムで働く女性の平均賃金は月額24万4600円。3年連続で上がっています。この20年間で男女格差も10ポイント縮小。それでも男性の賃金の73%にしか及ばず、まだまだ格差があるんですね。2014年のOECDの調査でも、日本の男女賃金格差は加盟国の中で韓国、エストニアに次いで3番目に大きいという不名誉な結果になっています。10年以内に男女差をなくすよう、国は各企業や事業所に訴えています。
前国会は、過去最高の95.5%の法案が成立したのですが、成立しなかったもののひとつが、「政治分野における男女共同参画推進法案」。女性議員を増やすために、「クオータ制」といい、定着するまで候補者や議席の一定比率を女性に割り当てるというもの。北欧諸国はこの方式で男女の議員数の格差を減らしました。日本は女性議員が極めて少なく、下院の比較で193か国中164番目に低いんです。企業で見ても女性管理職の割合は平均6. 9%。少しずつ増えてはいるものの、それでも1桁台にとどまる。国が女性の活躍を訴えていながら、こういう結果になっているのは残念なことですね。
ワークライフバランスの立役者である佐々木常夫さんは、うつ病の妻と3人の子どもを抱え、家のこともしながら時短勤務を実現させ、東レで役員にまで上り詰めた人。佐々木さんは「制度より風土が大事」と話していました。
労働力が足りないから女性を使う、という後ろ向きな理由ではなく、本当の意味でのジェンダーフリーを実現するには、子ども時代からの働き方教育を徹底する必要があるのかもしれません。日本にとっては男女格差はまだまだ根深い問題なんですね。
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