江原啓之さん

江原啓之さんのanan初登場は、なんと33年前! 連載や開運特集などを通じ、どんなときも悩める読者に寄り添い、愛あるメッセージを送り続けてくださっています。この先の未来へ、江原さんから温かい激励が届きました。

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    人生は、山登り。困難を乗り越えて、前進しましょう!

    創刊55周年、おめでとうございます。50周年のときも思い出を語りましたが、早いものでそれから5年。ただ、この数年間は私たちにとって大きな学びのときでしたね。新型コロナウイルスの流行があり、ステイホームと言われ、エンターテインメントから学校に至るまで多くの活動がストップ。まさに未曽有の出来事でした。授業がオンラインになり、学生らしいことがまったくできなかった方もおられるでしょう。今まで当たり前にしていたことも制限され、悲しい思いを味わった方も多かったかもしれません。

    亡くなった方や後遺症に悩んでいる方もおられますから軽々しく言えませんが、こうした試練の日々もスピリチュアルな視点で見ると、決してマイナスばかりではありません。人生にはパワーバランスが働くので、マイナス(負)の出来事があれば、必ずプラス(正)もあるのです。

    プラスの面に光を当てるなら、たとえば、リモートワークがその一例。インターネットがつながる環境さえあればどこででも仕事ができ、オンライン会議なども日常的に行われるようになりました。かく言う私も、講演会を配信。子育てや介護中の方、海外在住の方などとも同じときを共有することができ、ありがたさを実感しました。他にも、リモートワークになったことをきっかけに都会を離れ、自然豊かな所に移住したなど、ライフスタイル自体に変化があったという話も耳にします。

    皆さんはこの5年でどんな経験をしましたか? 悲喜こもごもあったかもしれませんが、人生には無駄な経験はひとつもありません。渦中にいるときには目を向ける余裕がないかもしれませんが、後から振り返ると何かしらプラスになったと気づけるはず。マイナスだけの人生も、プラスだけの人生もありません。苦しいことがあればその分、良きことも引き寄せられるものなのです。

    人生は、山登りのようなもの。頂上を目指して頑張る日々でも、ずっと山道を登り続けるのは疲れます。だから、途中で腰を下ろし、ひと息つく時間も必要です。このコロナ禍は、皆が半ば強制的に立ち止まらざるを得ない状況に置かれたようなもの。そこで、登ってきた道を振り返って、自分自身を見つめたのがまさにこの5年間だったのです。そして今ようやく少し余裕ができ、眼下に広がる景色に目をやっている。そんな状態だといえるかもしれません。

    先の見えない不安に皆が心を曇らせていたときだからこそ、連載を通してとにかく「元気をお届けしたい」と思っていました。コロナ流行の真っ只中には「ここぞというときのスピリチュアル! 江原啓之の“私たちの窮地”」と題し、人生のピンチをどうしたら乗り越えられるかを発信。その後、「江原啓之の福あつめ」「江原啓之の福体質になる方法」、そして今は「江原啓之の愛ってなんなの?」を連載しています。

    ananのなかでは私はもう相当な古株(笑)。正直そろそろお暇(いとま)させていただいたほうがいいのでは? なんて思いもよぎりますが、と同時に、「最初に伝えた者としての責任を果たさねば」と感じていることがあります。

    それは、誤謬(ごびゅう)を正すということ。たとえば、パワースポットもそのひとつ。今は一大ブームとなり、全国の神社仏閣やパワースポットは、多くの人であふれかえっています。手前味噌かもしれませんが、このパワースポットブームの先駆者は私だと自負しています。今はananの編集長となった北脇さんと一緒に全国の聖地を取材して回ったのが始まり。おかげさまで「江原さんの本を読んでいる方は、参拝マナーがいい」と言っていただくことも増えました。

    一方で、明らかに誤ったマナーも散見されます。聖地への敬いを忘れ、レジャー感覚で訪れる人が増えているのも問題です。こうした間違いをきちんと正し、改めて真実をはっきりと伝えていくのが、私のこれからの使命だと考えています。

    また、ここ数年は富士山を望む場所を訪れ、私が受け取ったメッセージを伝えています。「亀裂」や「絶体絶命」など、センセーショナルな言葉に注目が集まりましたが、伝えた通りになったことも…。食料不足やクマなど野生動物の出没についても早くから警鐘を鳴らしてきました。

    ただ、予言通りの未来になるかどうかは私たちの手に委ねられています。運命は自ら切り拓くもの。だからこそ、私はたとえ厳しい啓示を受け取ったときでも、「どうすれば皆がポジティブな方向を向けるか」をあわせて伝えたいと思っています。

    こうしたスピリチュアルなメッセージに、anan読者の皆さんは真摯に耳を傾けてくださっています。けれど、巷では「大災害が起こる」など、恐怖心を煽るような予言に飛びつく人も大勢いました。

    物価が高騰するも給料は上がらず、生活が苦しい。そんな悲鳴が聞こえる昨今、「こんなに苦しいならいっそ全部なくなっちゃえ」と自暴自棄になった人が相当数いたのだと思います。だから、破滅願望をくすぐるようなものが拡散されたのでしょう。

    飛び交う情報はまさに玉石混淆。こうした現状を踏まえ、未来を見通すと、私はこれからある種の反動が起きるとみています。人々が“石”ではなく、“玉”を求めるようになっていくのです。この先の5年を一言で表すなら、“軌道修正”。

    ネット上で垂れ流される情報に安易に飛びついたり、振り回されたりするのではなく、「本当のことが知りたい」と思うようになっていくでしょう。今以上に、まやかしを見抜く目を持ち、自ら正しい情報を入手することが重要になっていきます。

    「本物」を伝え続けるのが変わらないananの役目

    ananは、自分探しをする女性にとってずっと教科書のような存在です。でも、いまだ人目を気にして「自分が“どう見られるか”探し」にとどまっている方もいるのでは? SNSで人気があって輝いている人を羨ましく思ったり、自分と比較して落ち込んでしまったり…。

    でも、そういう時期も若い人たちにとってはひとつの通過点。試行錯誤しながら本当の自分の幸せを探し出せたら、ぶれない軸を持って前を向けます。皆さんに伝えたいのは、若さは素敵な財産ということ。還暦を過ぎた私はまさに実感中ですが、年を重ねれば時間も体力もなくなる一方です。皆さんが恋や仕事に悩めるのも、幸いその「時間」があるから。だから、この先も臆することなく、たくさんの経験を積みましょう。

    私が、初めてananに出させていただいたのは27歳の頃。当時すでに個人カウンセリングはしていましたが、ananの影響力はさすがで、相談の予約が殺到。一日中、カウンセリングルームにこもりっきりで、老若男女問わず、いろんな相談者と向き合っていました。

    その後、次第に講演会やテレビ出演などが増え、全国を飛び回るように…。このときは目が回るほど忙しく、周りからは「よく頑張れますね」と驚かれるほどでした。

    でも、ひたすら部屋にこもって仕事した日々を思えば、車窓の向こうに流れゆく景色を見るだけでも新鮮で、感動するもの。やはり、何事も「正」と「負」。大変なことがあった分、喜びも増しますし、感謝の気持ちも湧き上がるのです。

    こうして思い返してみると、やはりananとの出合いから、私の人生が大きく変わったと言っても過言ではありません。そこから今まで、本当に時が経つのは早かった。ボヤボヤしていたらすぐ人生の終幕…そう痛切に感じる今日この頃です。だから、皆さんもどうか「今」というときを大切に過ごしてくださいね。

    それにしても、55年間ずっと流行の最先端を追い続け、発信してきたananは本当にすごい! 改めてそう感じ入っています。実際にあちこちに足を運んで取材し、毎週一冊に仕上げるのはきっと大変でしょう。でも、そこに込めた想いの分、ananのなかには「本物」がぎゅっと詰まっているのです。

    虚実入り交じり、まさに混迷を極める時代ですが、これからも世の中の人たちが求める「本物に触れたい」という気持ちに応え続けていってくださいね。“トップランナー”として牽引していく責任は重大です。

    私も微力ながら、読者の皆さんが迷ったときには道を照らし、励ましていけたらと思っています。ananのなかではすでにスピリチュアルな“江原じいさん”の域にいるのでしょうが(笑)、皆さんにパワーを届けられるよう、いろいろと考えているので、お楽しみに!

    思い出の聖地を紹介。メッセージも!

    海には「浄化」のエナジーがある。心静かに波音に耳を傾けて…

    No.2280(2021年12月24日発売)/パワースポットとひと括りにされがちですが、厳密に言えば、自然豊かな海など土地自体にエナジーがあるのがパワースポット。静岡・戸田(へだ)の海で波音を聞きながら、浄化のエナジーを感じて…。ちなみに、そこに信仰や祈りがあるところはスピリチュアルスポットです。

    富士山を遙拝し、畏怖の念を感じた旅。悩みさえ小さく思えて

    No.2330(2023年1月4日発売)/河口浅間神社、富士山遙拝所【天空の鳥居】へ。ご神体である富士山を仰ぎ見て、その雄大さに畏怖の念を覚えた旅。眼下に湖と街が広がり、まさに「お山が見ている」と感じさせてくれました。悩みなどちっぽけに思えるほどの大迫力、誌面からも感じ取れたのでは?

    まるで浮世絵のような風景が圧巻。富士山を望む名勝・三保松原へ

    No.2379(2023年12月27日発売)/撮影で訪れたのは、名勝地として有名な「三保松原」。富士山と海、長く続く松林は壮大で、まるで浮世絵のよう。「自分自身と、大切に想う人たちが健やかに笑えて、食べていける。それこそが幸せ」と、混沌とした時代を生き抜くための大切なメッセージも紹介。

    厳しい戒めのメッセージがもたらされた今年を振り返って

    No.2429(2025年1月8日発売)/熱海にある「守護神社」へもお参り。日本武尊(やまとたけるのみこと)と弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)が御祭神。『つぶ庵茶寮』の敷地内にある邸内社で、宮司は江原さん。2025年は「すべてにおいてギリギリ、瀬戸際、綱渡りな状態を実感する年」と警告。「軽はずみな言動に注意」というメッセージも。

    Profile

    江原啓之

    えはら・ひろゆき スピリチュアリスト、オペラ歌手。毎年大きな注目が集まる御託宣と、最強アイテム満載の『お祓い箱 令和八年 御託宣付き』(マガジンハウス)が好評発売中。「江原啓之の愛ってなんなの?」を連載中。https://www.ehara-hiroyuki.com/guest/index.php

    写真・小川朋央 取材、文・湯川久未

    anan 2474号(2025年12月3日発売)より
    Check!

    No.2474掲載

    創刊55周年記念号

    2025年12月03日発売

    黒柳徹子さん、林真理子さん、酒井順子さん、江原啓之さん、SixTONES、Snow Man、岡田准一さん、山田涼介さん、timelesz、乃木坂46、劇場版『名探偵コナン』、ちいかわ、なにわ男子、Travis Japan、Aぇ! group、辻村深月さん、湊かなえさん、青山美智子さん、加藤シゲアキさん、稲垣吾郎さん、中島健人さん、Perfume、小島秀夫さん。伝説の連載、村上春樹さんの「村上ラヂオ」も一号限りで復活。創刊55周年記念号だからこそ叶った、超豪華ラインナップ。最強のときめくスターが大集合した、お祝いムードあふれるまさに日本トレンドの歴史書、永久保存版の一冊です。

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      先負

    身の回りの事柄をはじめ、頭の中や心の中を整理する時間が必要な日です。続けてきたことに一区切りつけ、ぼんやりと次に何をしようかと思いを巡らせたり、ゆっくり休んで英気を養うのもありです。功を焦らず、自分のペースを思い出しましょう。おうちの片づけでもしながら、今後について広めの視野で考えてみるとよさそうです。

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