ブームを経て、すっかり日本にも根付いたビーントゥバー=カカオ豆から作るチョコレート。その草分けでまもなく10年を迎える『Minimal』がついにパティスリーをオープンした。カカオは産地や種類によって、ナッティだったり果実味を帯びたり、まるで違う。その個性を生かすべく焙煎の1分、1°Cの違いなど、研究者さながらに豆ごとのデータをとって緻密に調整。さらにはカカオ産地に飛んで農家と豆の発酵・乾燥の研究も……と、マニアックに突き詰めてきたカカオの喜びが今度は、みんなが大好きな王道スイーツに! ケーキも焼き菓子もデザートも、クラフトチョコレートで見事にアップデートされている。
クッキー缶はその象徴。シンプルなチョコクッキー、「ディアマンショコラ」なら、チョコレートを限界まで投入。齧るとさくほろ、クッキーだけど焼きチョコみたいに濃密で、こっくり蕩け出すようなチョコの甘みに、ほどよい塩気がいい具合。さらにはカカオパルプ(果肉)ジャムのクッキーや、ニブ(砕いたカカオ豆)たっぷりのカリカリスナック。それから、自分たちでカカオから搾ったカカオバターを使ったホワイトチョコ×搾られた側のココアを生地にしたクッキーサンドもと、チョコ尽くしを超えてもう、カカオが丸ごと詰まっている。ビーントゥバーが、ここからもっと楽しくなる!
右・チョコレートクッキー缶6種入り¥5,400。〈ディアマンショコラ〉などには、今回お菓子用に新たにブレンドしたチョコ「ナッティスイート」(フィリピン×ガーナ×ハイチ産カカオのチョコ)を使って。食べやすくもカカオ感しっかり。※時期によって価格・内容は変わる可能性あり。
左・チョコレートケーキ(¥700)は、7層をなす全パーツがチョコやカカオ。なのに、カカオパルプのジュレや、青リンゴに似た風味があるタンザニア産ショコラのムースのおかげで、果物でも入っているみたいな爽やかさ。
Patisserie Minimal 祖師ヶ谷大蔵 東京都世田谷区砧8‐8‐24 TEL:050・1808・2083 10:00~18:00 火・水曜休
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2023年10月4日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico
(by anan編集部)