
作品の広がり方に変化が生まれた2025年の潮流はさらに強化。日本の音楽がより世界へと広がっていくフェーズにも注目を。識者のみなさんに聞く2026年の次なるトレンド「ENTERTAINMENT」編です。
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2025年は『国宝』の大ヒットが話題を呼んだ邦画界。作品の宣伝方法や作り手のあり方に変化の波が到来、その結果、ヒット作の傾向にも変化が訪れているとnoteプロデューサー・徳力基彦さん。その流れは、2026年も続いていきそう。
「2025年は口コミの影響力の高まりが明確になった年。象徴的なのが映画『国宝』の大ヒットです。公開直後は興行収入が20億円いけばヒットだと言われていたのが、結果的に173億円を超えて邦画実写の歴代1位となりました。公開初週から4週連続で伸びたことは、日本の映画業界、特に大作に関しては異例のこと。カンヌ国際映画祭で評判が良かったことを受けて、まずはコアな映画ファンが劇場に足を運んだことを起点に、熱量ある口コミとともに広がっていったと考えられます。
公開直後からnoteでの言及記事数が急増していたのも印象的でした。これまでは、邦画の製作には製作委員会という形でテレビ局が携わり、公開前に番組を作るなど宣伝することが主流でしたが、2026年以降は口コミが大ヒット作を生むケースがもっと増えそうです。また、最近はヒットする邦画はテレビの人気ドラマを軸としたマスメディア主導でしたが、『国宝』のように、クリエイター主導の作品へと、ますます移行してきているようにも感じます」
国内外から熱い注目を集めているアニメにも同様のことが言える。『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』は
さんが監督、脚本、キャラクターデザイン、制作をほぼひとりで手がけ、2026年2月6日には劇場版が公開される。「こうしたクリエイター主導の作品や、制作過程をSNSに公開するスタイルは、さまざまな業界で増えていくと思います。たとえば、iVyなどの宅録系アーティストも若者に注目されています。宅録アーティストの中には、自分の部屋で音楽を作る様子をTikTokに投稿、フォロワーとコミュニケーションをとりながら音楽を作るケースも。ファンとしては距離の近さや、作品に参加できた感覚が楽しめますよね」(「SHIBUYA109 lab.」所長・長田麻衣さん)
映画館で作品を観るという行為に価値を置く人も増えていくと予測。
「今、映画館はコンテンツに集中できる唯一の場所だといえます。しかも素晴らしい音響で作品を楽しめるので、若者からするとタイパのいいエンタメになっているという見方もできます。最近はアーティストのライブが上映されることも多く、映画館という場の価値が、ますます見直されていくと思います」(徳力さん)
また2025年は、
やなど、ポップでカラフルな衣装を纏ったアイドルが活躍。勢いは止まらず、新しいグループも続々と登場。「彼女たちの特徴のひとつがメンバーカラーの衣装ですが、初見でも『〇色の子が好き』などと言いやすく、カジュアルに好きを表明できるところがいいみたいです。これから人気が出そうなグループは、Pixel Ribbon。YouTuberのゆうぴーまんとえなぴがプロデュースするグループで、SNSでのリアクションもかなりいい。あと、SWEET STEADYは少しお嬢様な雰囲気が新鮮。メンバー全員がアイドル経験者ということもあり、パフォーマンスの評価が高く、ライブ人気も急上昇中です!」(長田さん)
日本の大ヒットアーティストが世界の舞台で活躍する流れも顕著に。
「2025年、“音楽人が選ぶ国際音楽賞を作ろう”というテーマを掲げ、『MUSIC AWARDS JAPAN』が始まりました。日本音楽界を代表する5団体が協力し設立した音楽賞で、2026年は6月13日に授賞式が開催予定。また5月16日にはLAで史上最大の日本音楽海外フェス『Zipangu』の開催も。出演予定のAdoさんをはじめ、藤井風さんなど、近年はワールドツアーを開催するアーティストも増えていますが、2026年はこうした動きを機に、日本の音楽を海外に届ける動きは強まると思いますし、うまくいってほしいです」(徳力さん)
#口コミ発エンタメ
口コミによる魅力の伝播が大ヒット作を生み出す!
映画『国宝』に代表されるように、実際に観た人の感想や口コミが草の根的なムーブメントとなり、多くの人が映画館に足を運ぶ時代に。「映画は比較的、宣伝の影響など供給側の力が強い産業でしたが、いよいよ変化してきています」(徳力さん)
#クリエイター主導
作り手の個性とこだわりが多くの人を惹きつける
『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』は、暴走する銀河特急を舞台に個性豊かなキャラクターが織りなす物語が話題になった3Dアニメ。公式YouTubeチャンネルで配信中。新たなシーンを加え再構成した『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』が2026年2月6日公開。ⓒ 亀山陽平/タイタン工業
一方のiVyは、大学のSNSで知り合ったfuki(ボーカル&ギター)とpupu(ボーカル&キーボード)による宅録ユニット。2025年4月に1stシングル『any n◯ise/ファミレス・ロック』、6月に1stフルアルバム『混乱するアパタイト』を配信リリースした。

『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』 ⓒ 亀山陽平/タイタン工業

iVy
#体感要素
一つのコンテンツに没頭できることが貴重な時代に
サブスクで映画を観ながらスマホを触る…など、さまざまなコンテンツを同時に楽しむことが当たり前になった今、映画館で作品に集中する体験は新鮮で価値あるものへと変化。上映される作品や楽しみ方のバリエーションも多様に進化中。
#カラフルかわいいアイドル
色とりどりのポップなアイドルは引き続き人気に
2025年3月にデビューした6人グループPixel Ribbonは女性に刺さる楽曲とコンセプトが人気を獲得し、女性ファン率がまさかの90%以上! 2026年3月の1周年記念ライブは、過去最大キャパの会場で行われるなど、これからの活躍も楽しみな注目株。

Pixel Ribbon
#日本の音楽が世界へ
日本が誇るアーティストが、音楽でLAを沸かせる!
2026年5月16日(日本時間5月17日)にLAで開催。現在、第1弾出演者として、Ado、新しい学校のリーダーズ、ちゃんみな、HANA、MAN WITHA MISSION、千葉雄喜、10-FEETなどが発表された。

Zipangu
日本の音楽を世界に届けるきっかけが増加
音楽人5000人が選ぶ国際音楽賞。2025年開催の第1回ではMrs. GREEN APPLEが最優秀アーティスト賞を受賞するなど話題を呼んだ。2026年は6月13日、TOYOTA ARENA TOKYOで開催予定。

MUSIC AWARDS JAPAN 2026
お話を伺った方々
Profile
徳力基彦
とくりき・もとひこ noteプロデューサー、ブロガー。日本のエンタメの未来を応援することをモットーにエンタメのSNS活用術や推し活の進化を感じるニュースを発信。『自分の名前で仕事がひろがる「普通」の人のためのSNSの教科書』(朝日新聞出版)など著作多数。
長田麻衣
おさだ・まい 若者研究機関「SHIBUYA109 lab.」所長、マーケター。Z世代のトレンドやカルチャーに精通、情報番組のコメンテーターを務めるなど幅広く活動。著書に『若者の「生の声」から創る SHIBUYA109式Z世代マーケティング』(プレジデント社)。
anan2477号(2025年12月26日発売)より





















