
ちゃんみなさん
ラッパー、シンガーとしての活動はもちろん、プロデューサーを務めたオーディション「No No Girls」(通称ノノガ)での候補生への深い愛情と真摯な言葉が、世代や立場を超え、多くの人々の共感を集めたちゃんみなさん。常に自分をさらけ出し、真っすぐに“人”と向き合う彼女流の人間関係のルールとは?
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Q1. ノノガのオーディションではプロデューサーという立場で若い才能たちと向き合っていらっしゃいましたが、彼女たちと関係性を築く上で最も大切にしたことはなんですか?
“肩書やイメージで人と接してはいけない”
相手をよく観察することです。プライベートな話をすると距離が縮まりやすい人、はっきりとした言い方じゃないと伝わりにくい人、共感しながら寄り添ったほうがいい人など、人はみんなそれぞれ違いますよね。だからその人に合うやり方で関係性を築くようにしていました。わたしは普段「ラッパー」「アーティスト」という肩書やイメージで話しかけられることが多いんですが、肩書やイメージで人と接してはいけないと思っています。そうではなく、目の前にいるのがどんな人間なのかをよく観察して、相手によって接し方を変えていく。ある意味では八方美人かもしれませんが、人間相手のコミュニケーションなんだから、人によってやり方を変えるのは当たり前。あまりにも自分を“ブレさせない人”は、コミュニケーションが一方通行になりがちな気がします。また、優しく接してくれている人に対して、ナメられてはいけないとムダに強がっている人っていませんか? たまには“ナメられて”みてもいいと思います。
Q2. 時には候補生たちに厳しくアドバイスするシーンもありましたが、そういった場面での「言葉選び」において大切にしていたことがあれば教えてください。
“絶対に相手を否定しない。決定的な言葉は、言わなくていい”
決定的な言葉を言わないことですね。「下手」とか「ダメ」とか、「そんな生き方じゃダメだよ」とか。わたしの意見や見方はあくまでひとつの意見や見方であって、絶対ではありません。いろんな可能性があるわけです。だから、絶対に否定はしないように気をつけていました。代わりに「それ良くないんじゃないかなって思うんだけどさ」とか「間違ってたら言ってほしいんだけど」という言い方をしていたと思います。
Q3. 最近は「深入りしすぎない関係」を心地よいとする人も多い一方で、それゆえに「親密な関係」の友達や関係性をなかなか作れないことに悩んでいる人も多いです。相手の心に一歩踏み込んだ関係を作ることを苦手だと感じている人にアドバイスするとしたら?
“親密になる人とは、出会うべくして出会うから”
わたしも同類です! 親密な関係を作ることは、あまり得意ではないんです。でも、そのことで全然悩んでいないんですよね。それでいいと思っている。自分の時間が好きだし、むしろこっちの心に踏み込まれるのはちょっと…気が抜けないなと思ってしまうことも。というか、別に、親しい友達がいなくてもいいんじゃないでしょうか? それがすべてじゃないし。そのままのあなたでいいと思います。頑張って親しい友達を作ろうとしなくていいし、無理して誰かの心に一歩踏み込まなくていい。無理しても意味ないです。親密になる人とは、出会うべき時に、出会うべくして出会うから。
Q4. 仕事などで「苦手な人」と向き合わざるを得ない状況に悩んでいる人に何かアドバイスをするとしたら?
“割り切って、自分にご褒美を。「なんか苦手だな」のままでいい”
苦手な人を好きになる努力はしなくていいと思うんです。「なんか苦手だな…」のままでいい。ただし、その苦手を割り切って仕事する。そしてその後に、自分にご褒美を与えてあげる。何か好きな甘いものを食べるとか。「今日はこの苦手な人とのアポイントがあるから、終わったらこれ食べよう」って。苦手な人の後に自分へのご褒美を予定として入れておいて、頑張った自分をちゃんとケアしてあげることが大事だと思います。あとは、絶対にネットには書かないこと。これは絶対。ぼかして書くのもNG。どうしても我慢できなければ、誰にも見せない自分のノートや日記に書きましょう。
Profile
CHANMINA
ラッパー/シンガー。2017年にメジャーデビュー。’24年にSKY-HIがCEOを務めるBMSGとタッグを組んで開催したガールズグループオーディション「No No Girls」は社会現象に。同オーディションで誕生した7人組ガールズグループ・HANAのプロデューサーを務め、デビュー曲「ROSE」はビルボードジャパンの総合ソングチャート“JAPAN HOT 100”で初登場1位を獲得。5月2日より、全国12都市14公演をまわる自身1年ぶりのツアー「AREA OF DIAMOND 3」を開催中。
anan2447号(2025年5月21日発売)より