KinKi KidsからDOMOTOへ――。 愛と多幸感溢れる2時間半

エンタメ
2025.01.18

「DOMOTO」に改名することを発表したKinKi Kids。京セラドームと東京ドームで、これからも歌い続けていきたい名曲揃いのセットリストで届けた「KinKi Kids Concert 2024-2025 DOMOTO」を開催。7年ぶりにふぉ~ゆ~がサポートして盛り上げた1月12日(日)のステージの模様をお届けします。

12月31日深夜、YouTube生配信で「DOMOTO」に改名することを発表したKinKi Kids。「改名してもふたりは何も変わらない、自分たちの手掛けた曲もこれからも大切に歌っていきたい」という想いを伝えた堂本光一さんと堂本剛さん。ユニット名が今後変わるというタイミングでステージセンターに大きく掲げたのは、KinKi Kidsの名前だ。幕開けは、デビュー曲の「硝子の少年」から。白いカーテンがゆっくり開くと、メインステージから高さ15mのデッキの上にふたりが登場。純白のキラキラ輝く衣裳は、17歳のデビュー当時に着ていたステージ衣裳をオマージュして作り直したものだという。“あの頃”が思い出される衣裳演出で、長い年月の中、いろいろな想いが蓄積された大切なデビュー曲を歌ったふたりに会場が酔いしれた。

2曲目の「愛されるより 愛したい」では、7年ぶりにふぉ~ゆ~がバックダンサーとして参戦。炎の特効が情熱的な楽曲を盛り上げるように燃えさかる中、ふぉ~ゆ~のサポートで熱くパッション全開ダンス! バンド13名、ストリングス14名、ダンサー16名も含めた総出演者49名にもなる超豪華ステージが繰り広げられた。

彼らのライブの名物といえば、大充実のMC。4曲駆け抜けたところで始まった1回目のMCは、光一さんの「KinKi Kidsのライブに来てくださいまして、本当にありがとうございます」という挨拶からスタート。まずは、衣裳の話題に。「今着ている衣裳は、デビュー当時『硝子の少年』で僕らが着ていた衣裳がモチーフです。17歳から46歳になってもまだ着られる…。もちろん作り直したわけですけど、10代の頃に比べるとね、石が増えました!」と、光一さんがキラキラのストーンが昔より追加されていることを打ち明け、「石が重いです(笑)」と笑わせる剛さん。

光一さんによる恒例のお客さんイジリは、この日も健在。「東京ドーム、毎回そうだけど、ホントに見えてる?」と客席に尋ねると、すかさず剛さんが「見えてます! 距離は、やっぱりあるけど、心の距離は近いよ。見えてる、見えてないじゃない、感じるんですよ」とフォローを。ファンがうちわでアピールすることについては、「自分の顔のうちわを見せられても…。俺、分かってるからね、自分の名前」と、ふざける光一さん。剛さんが「光一くんに『あなたは光一くんですよ』って教えるためにうちわを出してないです」とファンの意見を代弁し、漫才のようなやりとりを。

ここからは大阪公演のリハーサル後、楽屋前で警備員に止められてショックを受けたという光一さんのエピソードが繰り広げられる。「年末年始の大阪公演では、稽古着の上にガウンを着てたので、分からんかったのかもしれないですけど。バスローブでリハーサルしていた時は、バスローブでそのまま帰ろうとしたら、警備員に止められた。相当、変態だと思われている」とノリノリで説明する光一さんに「『バスローブを着ている男が1人います、今すぐに応援お願いします』って言われてますね(笑)。とんでもなくデキる男なのか分からないですけれども、あなたからあなたの楽屋を守っている。僕は彼に感謝します。ただ光一さん以外の他の人は、普通に通れてますけども(笑)」と、剛さんは警備員に呼び止められた経験がないと話していた。

ここからは、「どうも~!」と地声で叫びながら登場したふぉ~ゆ~の話に。「あっ、ちょっと待って。なんで松(松崎祐介さん)がマイク持ってるの? ダメだよ、マイク渡したら」と光一さんに言われたことから、「マイクなんていらないさ~!」とマイクなしでミュージカル風に叫ぶ松崎さん。今回のライブは出演予定がなかったものの、スケジュールを空けて参戦したというふぉ~ゆ~。「今日も稽古の後に来たんでしょ?」と光一さんに聞かれると、「売れっ子なんで!」とマイクなしで話す4人。「売れっ子は、自分で売れっ子って言わないのよ(笑)。衣裳をこうやって着せてもらうのも、多分もう最後かなぁ」と、しみじみする光一さんに「最後ならやんないです!」と、衣裳を着せようとしていた手を止めて福田悠太さんがボイコットする一コマも。「これが最後かもしれないじゃん。ふぉ~ゆ~は、自分たちが主役のライブも舞台もあるし。それなのにこうやって駆けつけてくれて、本当に嬉しいよ」(光一さん)と、付き合いの長いふぉ~ゆ~との絆が感じられるやりとりに会場は、ほっこり。

アッパーなナンバー「カナシミ ブルー」では、1人ずつフロートに乗って、ファンのすぐ目の前へ。ドームの内野側に到着したところで、2回目のMCタイムに突入。「オープニングのMCで、『見えないでしょ』って話をしたけど、こっちに来ても、ちっちゃいでしょ? 170㎝ないからね。もう縮む一方(笑)」と自虐ネタで笑わせる光一さん。1人ずつ離れてフロートに乗ると会場が光一さんのカラー・赤と剛さんのカラー・青のペンライトで真っ二つに分かれる光景が、すごいと語りだす光一さんに「(今更)いつ気づいてるんです?」と剛さん。「いや、(メンバーカラーが)赤だなとか、青だなっていう認識はもちろんあるよ。でも、なかには、頑なな奴がいる…見えてるんだぞ! 『光一くんが近くに来たけど、私は剛くんを見ます』って青にする人(笑)」と、光一さん。剛さんが「その人の自由だからねぇ」と、なだめると、「こういう話をしても、(目の前で)まだ青つける? あっ、ペンライトの色の切り替え方、分かんねぇんだ?」(光一さん)とお客さんイジリをしながら、底抜けに明るい、「ジェットコースター・ロマンス」へ。

3回目MCでは、「やっぱりね、頑なに替えない人がいる!」と2回目のMCで話した自分が目の前に来てもペンライトの色を赤にしない人がいたと報告する光一さんに「頑なちゃんたちはね、そういう愛の形ですよね」とペンライトの色をチェンジしないファンを容認する剛さん。思い出したかのように、自身の主演舞台の最前列のお客さんの話をして、「舞台のカーテンコールで前に行くじゃん。後ろの後輩が好きだったんだろうね、俺がバーッて、みんなの前に出たら、後ろが見えないって感じで邪魔にされた(笑)」と楽しそうに振り返っていた。

「年末年始、皆さんにお伝えした通り、新たにふたりのファンクラブを立ち上げることになりました。今回、初めてお目にかかる方が多分いらっしゃるんだと思う。定番のことを言っても、あんまり笑わない(笑)」と、お客さんの反応が気になる光一さん。長年、会場の後ろのほうは見えないというネタでお客さんをいじってきた光一さんだからこそ、「(本当は)めちゃくちゃ見えてるし、めちゃくちゃ客席を気にしてる人ですね(笑)」と剛さんがツッコむと、「自分で自分の営業妨害したかなぁ。見えちゃいました」と本当は客席が見えてることをこの日告白。

そして、客席を見ていて改めて思ったことがあるという光一さん。「5万人のお客さん、それぞれの人生があるわけじゃない。そんな人生の中で、KinKi Kidsを選んでくれて。なにわ男子の方がキラキラしてるよ? もうパフォーマンスが可愛いじゃん。体の至るところで、ハート作ったりするでしょ」と言いだし、指ハートを再現。どうしても親指を立てるグーポーズになってしまうことから、「それでいいんじゃないですか。ちょっとダサいけど。キラキラするのは、なにわ男子にお任せしましょう」と笑う剛さん。

ここから楽屋裏で光一さんとスタッフのやりとりを聞いた福田さんから「親戚のやりとりみたい」と言われて大爆笑した話を説明するも、よく伝わらないと剛さんに言われ、「5万人に親戚のやりとりみたいな話を付き合わせるのは、よくないなぁ」と反省する光一さん。そして、「この後、もっと反省しなきゃいけないコーナーがある」と、「覚えてない曲やってみよう!」のコーナーへ。リハなしで、本番ぶっつけで歌ってみるというチャレンジ企画だ。大阪公演では、「ひどかったね」と覚えてなかったことを振り返りつつ、この日は2005年リリースの「In My Heart」に挑戦。歌詞カードを手にしながら、「俺、Aメロ、全然出てこない」と不安がる光一さん。剛さんは「後半がちょっと自信ない」と言いながら歌ってみると…。剛さんはメロディを思い出した様子で「これはかなり点数高い!」と自分たちに合格点を出す。「ちょっとでも歌えたら、すごいっていうのは、おかしいよなぁ」と光一さんは反省気味!?

ここでは、「剛くん、ある方からメッセージ届いています」と大スクリーンに菊池風磨さんが登場。「曲覚えてないようじゃ無理か。曲はね、覚えとかないと!」と、テレたような映像とともに“菊池風磨構文”でキッパリ言い放ち、おふたりのダメ出しをする菊池さん。会場から大爆笑が巻き起こる。「風磨は全部、覚えてるんだ…」とつぶやく剛さんに「いや、ちょっと会う機会があった時にその話になったんだ。『それ言ったら、自分は絶対、間違えらんないぞ。テレビ番組で間違ったら、最大ブーメランじゃん』って言ったら。『そっすよね~〜〜』って(笑)。自分の首を絞めるぐらいのことを言って、自分を向上させていこうっていうつもりだから、偉いよね」(光一さん)と菊池さんに愛あるエアツッコミを入れる。

トークが40分続いたところで、この後披露する「Kissからはじまるミステリー」の話に。「ふぉ~ゆ~は、自分たちのステージでどうも自分たちの曲だと思って、歌ってる?」と光一さんが振り向いて確認すると、ステージに登場したふぉ~ゆ~の4人は、首をかしげて、おとぼけ顔に。「あれは剛くんの『金田一少年のなんとか』っていうドラマの楽曲だった。初代のはじめちゃんだよ。“じいちゃんになりかけて”(笑)。やってみて!」と、ふざける光一さんに、「俺は必ず謎を解いてみせる。じいちゃんになりかけて(笑)」とキメ台詞風に言う剛さん。これまたドーム中がどっと沸く。そんならしいかけあいが続く中、またふぉ~ゆ~に「デビュー前から歌っているいい曲で。もう一回言うと、俺らの曲だから!」(光一さん)とふぉ~ゆ~の曲ではないことを強調し、お互いこの楽曲が特別であることを確認してからふぉ~ゆ~のバックとともに曲の披露へ。

ラストスパートは、「スワンソング」から始まり、KinKi Kidsの冬の定番曲やヒットソングが目白押し。ファンからの人気が高い楽曲オンパレードの最高のセットリストでこれぞKinKi Kidsなドラマティックな楽曲を畳みかけていくふたり。ラストソングは、長年ファンに愛されてきたドラマティックな名曲「愛のかたまり」だ。この曲は、堂本剛さんが作詞を手掛けた、女性目線で愛する人との日々を歌う曲。歌詞の一節をアレンジして届けたふたり。新しく生まれ変わり、“変わっていく僕らの愛は、強く光り輝く――”。“この冬を越えて、もっと素敵になるから――”とファンへメッセージとも捉えられるフレーズに。時代とともに変わりゆくことがあっても、輝きを失わず、素敵なエンターテイナーであり続けることを大切な楽曲を通して宣言してくれた。

アンコールの最後に「2025年もよろしくお願いします」と挨拶をして、バンドやストリングス、関わってくれたメンバーに感謝の想いを届けたふたり。ふぉ~ゆ~の名前が出ると思いきや、「…というわけで、以上のメンバーになります。ありがとうございました」と冗談でスルーしたため、笑いが起こる会場。そして、いきなり、「松崎さん、今年の抱負は?」(光一さん)と質問し、「トゥクストゥール!」とおなじみの奇声をあげる松崎さん。笑いながら、「いや、ふぉ~ゆ~は、ホントに忙しい中だったんだけど、ずっとKinKiをこうしてサポートしてくれて…。もう彼らがいると本当に心強いです。こっしー、福ちゃん、辰巳、松、ふぉ~ゆ~、ありがとうございました。じゃあ、明日も稽古を頑張ってから来て!」(光一さん)と一人ひとりの名前を呼ぶ場面があった。KinKi Kidsファミリーが揃って過ごした2025年の始まりのステージは、アットホームで温かな空気に包まれた時間に。DOMOTOに表札が変わっても、ふたりは何も変わらないという安心を与えてくれた、ファンへの愛情が溢れる、多幸感たっぷりのコンサートだった。

写真・くさかべまき 取材、文・福田恵子

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