身長185cm。撮影のために渋谷の路地を歩く青木崇高さんは、存在感があって色っぽく、思わず息を呑むほどかっこいい。飄々としていて、どこか掴みどころがない雰囲気が魅力的な36歳。
青木崇高
色っぽい魅力をもつ青木崇高さん。

――改めてですが、本当に身長が高い…というか、ガタイがいい方なんですね。

青木:事務所に入った21~22歳の時は、もっとガリガリだったんです。正直、自分はそんなに大きい自覚はなかったんですけど、街を歩いてる時、前から大きい人が来ると、「でっかいなぁ。こんだけデカいと普段の生活も大変だろうなぁ」とか思うんですけど、すれ違うと俺のほうがデカかったりして、「うそやろ~?!」ってなることが結構あったんです(笑)。だったら、デカいってことを武器にするのもいいのかなと思って、20代後半の頃、体を大きくしようと鍛えたりしたんです。

それまでの僕は、1つのイメージでカテゴライズされるのが本当にイヤで、あえていろんなタイプの役を意図的にやらせてもらってたんです。いろんなところに点を残し、それを繋げば広い面になる。そうすれば心に強く訴えられる…と思ってたんですけど、一つ一つの点にインパクトがなければ覚えてもらえないと思うんです。ならばとりあえずは近いところに点を集中させて、印象を残そうと。それで体を大きくしたっていうのはあります。そこから実際、強面、デカい、力強いみたいな役のオファーをいただいて、少しずつ仕事が増えてきた。なので、結果的には良かったです。

――いつ頃から役者を目指していたのでしょうか?

青木:上京して入学したグラフィックの専門学校を卒業して、ビデオ屋でバイトしてる頃ですね。正確にいうと、役者を目指していたっていうのは、ちょっと違うんですけど…。その頃の友達にモデルをやってる子がいて、ちょっといいなって思ってて。モデルとかって、モテそうじゃないですか(笑)。雑誌とか出てる男って、モテる感じがしたんです。で、俺も、と思って、今の事務所のオーディションを受けたんですよね。

――それだけ身長が高ければ、モテそうなもんですが…。

青木:モテませんでした。100%ないですね。たまに地元に帰って高校時代の友達に、「俺、雑誌とかで“モテますよね?”とか聞かれんねんで」とか言うと、全員死ぬほど笑いますから。「あの青木が、青木がそんなことあるわけないやんけ」って、爆笑ですよ。

――告白とかは?

青木:されたことないです。だから自分で告白するんですけど、振られ倒してましたからね。スポーツとか部活で活躍してて、なんかおしゃれな感じの男が、やっぱりモテるんですよ。女性はどちらかというと、そういう男が好きですからね。

――そんな女の子たちに対して、どう思ってたんですか?

青木:“見てろよ、いつか見返してやる!!”って、20代前半くらいまで思ってたんじゃないですかね…。改めて考えると、俺最低だな(笑)。違いますよ、自分が告白した女の子にくらいは、振り向いてほしかったってことです。

――で、モテるために…というのは半分冗談にしても、モデルになりたいと思っていた、と。

青木:いや、実は全然…。っていうか、ほとんど何にも考えてなかったんですよ。モデルになりたいとも、役者になりたいとも。映画は好きだったんですけど、“演技をしたい!”とかっていうわけじゃなく、“ちょっと出られたらいいなぁ”くらいのレベルで。だからオーディションの時、言い合いになっちゃって。「芝居やる気あんの?」「ないですよ」「関西弁だけどどうすんの? そんな作品ばっかりじゃないよ?」「その時になれば標準語しゃべります」みたいな(笑)。

――恐ろしい…。若さゆえ、という言葉でも片付けられない生意気ぶりですね。36歳の青木さん的には、当時の自分に今、なんて言ってあげたいですか?

青木:いいぞ! もっとやれ!(笑)

――マジですか(笑)。

青木:面倒くさい性格なんですよ。人から「こうでしょ?」って言われると、そう思ってても「違います」って言いたくなるし、疑り深いし。まあそういう“性格のクセ”があることが、少しは役者という仕事を続けられている理由になっている気がするから、そこはなくしたくないとは思いますけどね。でも、たぶん当時は、狭いながらも自分の価値観を持ってて、その中で一生懸命になってたんじゃないですかね。学校とか会社とか、組織の中に入っちゃうと、知らない間に流されて、望まない場所にたどり着いちゃったりするじゃないですか。そうなりたくなくて、なんとか踏ん張ってたんじゃないかな。でも相手と戦うほどの理由やスキル、評価もないから、暴れるしかない、みたいな。なんか自信はあったんです。根拠のない自信ですけど。

あおき・むねたか 1980年生まれ、大阪府出身。‘02年、映画で俳優デビュー。‘07年にNHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』に出演し、注目を集める。その後も大河ドラマや、映画『るろうに剣心』などに出演。現在、ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日テレ系)に出演中。

スーツ¥110,000(ブリッラ ペルイル グスト/ビームスF 新宿TEL:03・5368・7305) ネクタイ¥16,000(フランコ バッシ/ビームスF新宿) シャツ¥23,000(アニエスベー/アニエスベーTEL:03・6229・5800)

初長編単独主演映画『雨にゆれる女』が、11/19よりテアトル新宿にてレイトロードショー。本名を隠して暮らす健次(青木)の元に、ある夜突然同僚(岡山天音)がやってきて、謎の女・理美(大野いと)を預ける。次第に健次の生活が狂い始め…。パリを拠点に活躍する音楽家・半野喜弘の、初監督作品。bitters.co.jp/ameyure/index.html

※『anan』2016年11月23日号より。写真・内田紘倫 スタイリスト・小泉美智子 ヘア&メイク・NANA

(by anan編集部)

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