その可愛らしさに、きゅんとする。思わず笑みがこぼれる日本美術。
また奥村土牛(とぎゅう)の《兎》や竹内栖鳳(せいほう)の《鴨雛》といった、ふわふわの動物画、愛らしい子供画など、キュートなモチーフが集まっていて、日本画初心者も気軽に楽しめるはずだ。
伊藤若冲《伏見人形図》1799(寛政11)年 紙本・彩色 山種美術館
伏見稲荷の土産物として知られる素朴な伏見人形は、若冲が長年好んで取り上げた絵のモチーフ。
伊藤若冲《布袋図》18世紀(江戸時代) 紙本・墨画 個人蔵
特にふくよかな姿の布袋さん。吉祥画題でおなじみの、このテーマの作品も数多く残っている。
長沢芦雪《菊花子犬図》18世紀(江戸時代) 絹本・彩色 個人蔵
子犬の絵でも有名な円山応挙の弟子・長沢芦雪。彼の犬の絵は師匠譲りで写実的だったが、次第にゆるくなり、キュートなフォルムの子犬画は江戸時代にも大ブレイクした。
特別展『癒やしの日本美術―ほのぼの若冲・なごみの土牛―』 山種美術館 東京都渋谷区広尾3‐12‐36 開催中~2024年2月4日(日)10時~17時(入場は閉館30分前まで) 月曜(1/8は開館)、12/29~1/2、1/9休 一般1400円ほか TEL:050・5541・8600(ハローダイヤル)
※『anan』2023年12月13日号より。文・山田貴美子
(by anan編集部)