松陰寺:『M‐1(グランプリ2019)』が終わってから、ずっとラジオをやりたいと思っていたので、ついに来たなと。
シュウペイ:ぺこぱとして二人で話す場所を作りたかったんです。
――テレビとはひと味違うトークを聴けることがラジオの醍醐味のひとつ。番組では松陰寺ではなく松井勇太として、シュウペイではなく成田秀平として存在し、普段とは違うテンションが感じられる。
シュウペイ:むしろ、ラジオのほうが普段の二人の会話に近いから、嘘をついているとかではないんです。
松陰寺:でも、初めて聴いた人はびっくりするかもね。“おじさんが何かネチネチ言ってるな~”って。だから、「ラジオを聴いてます!」と言われると嬉しい半面、これを聴かれているのかと複雑な気持ちにもなる。ラジオを聴いた後にテレビの松陰寺を見て“やってんな!”と笑う人がいるみたいだし。だから、ひっそりと聴いてほしい。
シュウペイ:僕は多くの人に聴いてほしいですけど。
松陰寺:素の自分を届けるというコンセプトとかは一切なくて。まあ、結局、ラジオで1時間“松陰寺”ができないということなんです。毎回化粧をして、髪を逆立てて、紫スーツを着て、「ロンリネ~ス!」とはできない!
シュウペイ:ウルトラマンみたいなものだから(笑)。
松陰寺:漫才師ってネタの時間が4分だから、そういうことです。でも、「シュウペイで~す!」も1時間はもたないでしょ?
シュウペイ:いや、僕はいけるけど、周りが“もうええ!”ってなっちゃうから(笑)。
松陰寺:たしかにきついわ(笑)。
――松陰寺さんのラジオでの発言が、ネットニュースになることも多い。
シュウペイ:松陰寺さんは、芸能人のことを知らなすぎる。ドラマ『ドラゴン桜』を見ているのに出演している加藤清史郎君を知らなかったり。しかも、番組宛てにご本人からメッセージが来て、衝撃的でした。
松陰寺:その話はやめてよ…。話している途中で“あ、これネットニュースになりそう”って思うんだけど、気持ちよくなっちゃって止まらなくて。でも、最近ようやく、言いたいことを全部言っていいわけじゃないとわかりました。
シュウペイ:でも、あとで聴き返すと、その地雷をばらまいているのは実は僕なんだなって。
松陰寺:そうだよ。見え見えの地雷を「踏んで(ハート)」って顔で置くから、「じゃあ、踏みます!」って。
シュウペイ:まんまと。僕の思い通りですよ。最近、ラジオのネタを探すために、耳をダンボにして松陰寺さんの失言を拾おうとしてますから。
松陰寺:なにそれ、やめてよ!
シュウペイ:こうして相方をいじることが楽しいし、松井勇太を引き立てることは得意なんです。松陰寺は自己プロデュースだから。
松陰寺:松井は成田に弱いっていうね。でも、この関係の方が長いですから。結成して13年、松陰寺を始めてからはまだ6年。
シュウペイ:僕はいまだに松陰寺さんに慣れていないんで。
松陰寺:いや、そこは慣れよう!
写真右から、松陰寺太勇、シュウペイ。2008年にコンビ結成。『声優パーク建設計画VR部』(テレビ朝日)をはじめ、『天才てれびくんhello,』(NHK Eテレ)、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)などレギュラー出演番組多数。『毎日ぺこぱ2 どんな1日も元気に過ごせる31のメッセージ』(大和書房)が発売中。
『ぺこぱのオールナイトニッポンX』 元千葉ロッテマリーンズの福浦和也選手の応援歌に歌詞を乗せて披露する「俺の応援歌」、KinKi Kidsの「ジェットコースター・ロマンス」の合間にワクワクすることを紹介するコーナーが人気。毎週木曜24時~、ニッポン放送にて放送中。
※『anan』2021年6月30日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) インタビュー、文・重信 綾
(by anan編集部)