人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは女優の梶芽衣子さん。第2回は「脇役の大切さを学んだ、思い出の作品」。

誰しもが当たる年齢の壁を、時代劇で超越!

kaji

中村吉右衛門さんがドラマに出られる、しかも池波正太郎先生原作の時代劇と聞き、テレビ局の方に「どんな役でもいいから出してほしい」とお願いをし、出演が決まった『鬼平犯科帳』。吉右衛門さんは歌舞伎役者ですから、ご一緒できるなんてまずありえない。この機会を逃すまいと、ルール違反だと分かりながらも、お願いをしてしまいました。

28年間の出演ではたくさんのことを学びましたが、特に心に残っているのは、“脇役の大切さ”。私が演じた“おまさ”は密偵の役で、見張って尾行して報告する、毎話ほぼそれだけの芝居です。でも脇だからと手を抜いたら、“徒(あだ)や疎(おろそ)か”で終わりますし、何より作品が良くならない。それに、脇役でも光る仕事をすれば誰かの目に留まり、それがきっかけでセリフが増えることもある。実際私はそういう経験もしました。徒や疎かで終わらせない。たぶんそれってきっと、どんな仕事にも言えることなのでは、と思います。

今となっては、この役者の仕事が大好きですし、天職…とまでは言えませんが、この仕事をしながら人生を送れていることに、この上ない幸せを感じています。でも、そう思えるようになったのは、67歳か68歳くらい…。42歳でスタートした『鬼平』が終わる2~3年前に、やっと芝居が楽しいと思えるようになりました。なかなか長い道のりでしたね。

人間、特に女性は、誰しも年齢の壁に当たるときがあると思いますが、女優という職業にとっては、それはとても大きな壁なんです。例えば30代まで、恋愛モノのヒロインやキャリアウーマンをやっていた人が、40代でいきなり母親役にシフトできるかというと、なかなかそうもいかないのが現実です。私はそのタイミングで、あまり年齢を問われない時代劇に出演でき、同じ役柄をずっと追求できたのは、幸運だったと思います。ちなみにおまさは36歳でしたが、28年続いて番組終了時の私は70歳。随分年を取りました(笑)。

かじ・めいこ 1947年3月24日生まれ、東京都出身。2/11より公開の西川美和監督作品、映画『すばらしき世界』に出演。’70年代の代表作「女囚さそり」シリーズは、今なお大人気。

※『anan』2021年2月17日号より。写真・中島慶子 取材、文・河野友紀

(by anan編集部)

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2026.2.
17
TUE
  • 六曜

    先勝

もし今、出⼝が⾒えないような苦しさの中にいても、どうか希望を捨てず、⾃分を信じて。派⼿な解決策を探すより、⽬の前のことに真摯に向き合いながら⼀歩ずつ進むことが⼤切です。もがくほど空回りしやすい時だからこそ、⾃分を整えて静かに過ごしてみて。飾らない真っすぐな想いが、現状を変える⼤きな⼒になります。

エンタメ

Recommend

こちらの記事もおすすめ

Today's Update
赤楚衛二×カン・へウォン「国籍はあまり関係ないと知れたのは、逆に発見でした」
赤楚衛二×カン・へウォン「国籍はあまり関係ないと知れたのは、逆に発見でした」
Entertainment
グレた妊婦に引きずられ、価値観もひっくり返る!? 綿矢りさの妊娠コメディ小説
グレた妊婦に引きずられ、価値観もひっくり返る!? 綿矢りさの妊娠コメディ小説
Entertainment
“わかり合えない”からこそ見える二人をつなぐ時間と距離感。『違国日記』がTVアニメに
“わかり合えない”からこそ見える二人をつなぐ時間と距離感。『違国日記』がTVアニメに
Entertainment
2人のトミーの世界を虜にする圧倒的センス。アナログ盤でじっくり酔いしれて
2人のトミーの世界を虜にする圧倒的センス。アナログ盤でじっくり酔いしれて
Entertainment

Movie

ムービー

Regulars

連載