今回で3回目の共演は、互いの声を“感じる”作業。
新田:初めて『二ノ国』の予告編を観たとき、コトナとアーシャ姫の声(永野さんが一人二役)が、芽郁ちゃんだって気づかなかった。
永野:え、ほんと? 録るときは別々だったからね。
新田:あとで知って、役に合わせて声をつくっているのかなって思ったんだけど。
永野:確かに、最初は演じ分けをすごく意識しないといけないって思っていました。コトナは天真爛漫で明るい子。一方でアーシャ姫は、二ノ国という魔法世界のお姫様なので、ものすごく凛としている。それでいて、はかなさも持っていて…。そういう美しさが表現できたらいいなって思ったんです。
新田:うん。まさに“姫”だったよ! 僕が演じたハルは、コトナの恋人なんだよね。バスケ部のエースで、女子に大人気(笑)。
永野:ふふふ。
新田:好きな人を守るためなら何でもするというまっすぐな青年ではあるけど、弱い部分も持っていて、葛藤している。感情の振り幅が大きい役でした。
永野:アフレコのとき、ハルの声をところどころ聞かせていただいたんですけど、新田さんの感情のこもったお芝居に引っ張ってもらうことがたくさんあったんですよ。
新田:それはうれしい。
永野:吐息とか、息の扱い方がすごく上手で。普段のお芝居で息だけってなかなかやらないことではあるので、大変だっただろうなって思って。でも、それをぴったりはめていて、すごい!
新田:意識していなかったけど…。アニメのアフレコは今回が初めてだったから、こんなに難しいのかって思っていたくらいで。
普段の体を使う芝居とアフレコはまったく別物。
永野:私は声だけのお芝居の経験があったので、その難しさを知っているぶん、すごく緊張していたんです。でも、日野(晃博)さん(製作総指揮)に、「緊張せず、永野さんが思う役を表現してもらえれば大丈夫だから」って言っていただいて、肩の力が抜けました。
新田:そうだったんだ。じゃあ、苦戦したシーンもなく?
永野:えっと…。
新田:ないか(笑)。
永野:いやいや、苦戦はしたよ。何度もやり直したところもけっこうあったから。普段のお芝居はそのときの空気で自然と演技が変わっていくことが多いけど、声のお仕事はすでに決まっている絵に自分を収めていく感覚で。そこが難しくもあり、新鮮で面白いところでもあったかな。
新田:普段、いかに体を使って芝居をしているのかっていうのを気づかされるよね。僕なんて、自分で聞いて何か違うなって思って、後半を録り終えてから、前半に戻ってもう1回やり直したこともあったほど。一日通してやっていたから、繋がりがわかりやすいっていうところもあったんだけど。
永野:わかる! 私もその日の最初に録るシーンは、すごく時間がかかった気がします。
新田:でも、そうやって声だけで自分に納得がいくシーンが録れたときは、気持ちいいよね。これはやってみないと味わえない。
永野:あと、アフレコってマイクとモニターに神経を集中させて一日過ごすせいか、終わったときの達成感がすごい。急に全部ゆるまる瞬間が心地よくて、やみつきになる気持ち、わかります(笑)。
『二ノ国』 高校生のユウ(山崎賢人)とハル(新田真剣佑)、コトナ(永野芽郁)は幼なじみ。事件に巻き込まれたコトナを助けようとしたユウとハルは、想像を超えた魔法の世界「二ノ国」へと迷い込む。その世界で待ち受ける残酷なルールと究極の選択とは? 8月23日公開。©2019 映画「二ノ国」製作委員会
あらた・まっけんゆう 1996年11月16日生まれ、米・ロサンゼルス出身。国内の映画やドラマはもちろん、2018年の『パシフィック・リム:アップライジング』など、海外でも活躍。ジャケット¥37,000 Tシャツ¥14,000(共にフィット ミハラ ヤスヒロ/メゾン ミハラヤスヒロ TEL:03・5770・3291) ピアスはスタイリスト私物
ながの・めい 1999年9月24日生まれ、東京都出身。2018年、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』、’19年、日本テレビ系『3年A組―今から皆さんは、人質です―』などに出演。ワンピース¥69,000(ビューティフルピープル 銀座三越 TEL:03・6271・0833) チョーカー¥32,000 バングル¥39,000(共にラナスワンズ/ススプレス TEL:03・6821・7739)
※『anan』2019年8月7日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス) スタイリスト・櫻井賢之(かしこ/新田さん) 鴇田晋哉(永野さん) ヘア&メイク・カスヤユウスケ(アディクトケース/新田さん) 吉田美幸(ビーサイド/永野さん) 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)
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