「まさか辞めた後に男役をやることになるとは思わず、最初は驚きましたし、正直、悩みました。ただ、もしほかの方が剣心を演じたとしたら、それを観てきっと寂しい気持ちになるんだろうなと思ったんです」
出演を決意して、あらためて原作漫画を読み直して気づいたことも。
「宝塚時代に読んだ時は、完全に読者だったのが、今回は自然と剣心としての視点で読んでいたんです。言葉の裏にある感情や、隠されている心の動きが見える、というか。こんな思いが込められていたんだって気づく場面も多く、これを舞台で表現できたらいいなって思っています」
とはいえ、今回が宝塚時代と大きく違うのは、剣心以外の男役はすべて男性が演じるということ。
「宝塚時代は、つねに自分は男役だという意識でいましたから、当時、男性を演じているという意識もなかったんです。でも今回は、男役じゃない自分が女性として異性を演じることになるわけで、そこは性別云々とは違う、別の次元のものを求められている気がするんですよね。宝塚で17年ちかく男役をやってきて、男性らしく見せる技術は備わっているし、普通の男性には出せないものを持っているという自信はある。もうひとつ上のステージで戦うことになるのではと思っています」
手探りしながらも、その口調は曇りなく、楽しんでいるようにも。
「以前の自分だったら、全身全霊を傾けて演じようとしていただろうけれど、いまは、頑張るけど力みすぎず、の心境。そこじゃないところで演じてみたくて」
宝塚を退団して約1年。本人のキャラクターゆえか男前なイメージはそのままだけど、いまや女性のたおやかな雰囲気も醸し出す。
「男役時代に、自分が見ないようにしていた女子の部分を、発見していってる感覚です。高校を卒業して宝塚に入りましたから、いまようやく女子大生くらい(笑)。ただ、在団中ずっと男役を追求してきましたから、男役に戻るスイッチは持っているつもり。宝塚時代は、重箱の隅をつつくように繊細に役を作っていましたが、いまはもう少しナチュラルに役にアプローチするやり方をしています。それがどう剣心に生かされるか、私自身も楽しみなんです」
現在、長寿クイズ番組『世界ふしぎ発見!』に解答者で出演するなど、舞台以外でも活躍中。
「もっといろんな人たちに、テレビやネット以外のエンターテインメントも知ってほしいんですよね。観て人生観が変わる人もきっといる。そうなったらすごく嬉しいですよね」
さぎり・せいな 元宝塚歌劇団雪組トップスターで、その主演作のほとんどが稼働率100%を超える人気を博した。舞台のほか、現在は『世界ふしぎ発見!』などテレビにも出演する。
ブラウス¥25,000 チェックトップス¥25,000 チェックパンツ¥39,000(以上ライフ ウィズ フラワーズ/クレヨン TEL:03・3709・1811) シューズ¥46,000(ルチェンティ/ゲストリスト TEL:03・6869・6670)
維新後の東京で、神谷活心流の人斬り抜刀斎を名乗る辻斬りが世間を騒がせていた。神谷活心流を守る神谷薫(上白石萌歌)は、抜刀斎こと緋村剣心(早霧)を追うが…。10月11日(木)~11月7日(水) 新橋演舞場 原作/和月伸宏「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」(集英社ジャンプ コミックス刊) 脚本・演出/小池修一郎(宝塚歌劇団) 出演/早霧せいな、上白石萌歌、廣瀬友祐、三浦涼介、上山竜治、植原卓也、愛原実花、松岡広大、松岡充ほか 1等席1万3000円 3階B席3500円(共に税込み)ほか チケットホン松竹 TEL:0570・000・489 https://ruroken-stage.com/ 大阪公演あり。
※『anan』2018年10月10日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・中山 薫 インタビュー、文・望月リサ
#タレントの記事をもっと読む!
#トレンドについてチェック!
※麻生久美子さんの疲れ知らずな美肌の秘密とは?
[gunosy]#ダイエットについて、さらに覗いてみる♡[/gunosy]