精神世界の数々の名著を邦訳。同時に、幸せになるための多くのメッセージを発信してきた山川紘矢さん、亜希子さんご夫妻。そんなおふたりが確信しているのが、「出会った人はみな運命の相手である」ということだ。
運命の相手なら、なんの障害もいさかいもなく関係が続きそうなのに、なぜうまくいかないのかと不思議に思うかもしれない。
「どんな人も、互いの成長のために用意された宇宙からのプレゼント。出会ったのは、学びを得るためです。成長のために必要だから、シビアな問題が起きることもあるのです。『なぜこんなひどい人を好きになってしまったんだろう』と切り捨てるのではなく、『彼は私に何かを気づかせるためにこんな行動を取ってくれたのだ』と考えてみましょう」(亜希子さん)
そんな大切な存在と豊かな関係を築くためには、何を心がけたらいいのだろう。
「逆説的ですが、ふたりの関係をよくするには、何よりも自分自身が幸せになることなのです。過去の傷を手放して、自分が幸せになると、自分の外側もうまく回り始めます。人生に問題など何も起きなくなります」(紘矢さん)
自分を好きになることが他者との関係もよくする早道だとは、精神世界では当たり前に言われていること。でも、人に気を遣った方が端的に関係がよくなりそうなのに、なぜ“まずは自分を愛すること”が大切なのか。
「私も長いこと“自分を愛する”ことができなくて、苦しんでいました。他人の評価で生きていたころは、がんばらなければ認めてもらえないと思っていましたし、自分を認めてあげることもできなかった。そんな中で作られてしまった抑圧された感情や傷が、自分が幸せになることに制限をかけるのです。あなた自身を縛ってきた、そうしたネガティブな感情に気づくだけで負のエネルギーは自然と消えていきます。それがはっきりわからないときは『私は私を好きになる』と決めるだけでもいいのです」(亜希子さん)
自分を大切にすれば、自分の波動は高くなり、同じ高い波動を持つ無二のパートナーが引き寄せられ、すばらしい関係を育める。
「自分に対して寛大に、優しくなれれば、人に対しても同じことができます。身体を動かす、きちんと休養するなど、身体が欲していることにも応えてあげる。すると心身がリラックスでき、あとは自分の思うままに生きるだけ。自分が置かれた状況への感謝を忘れず、人生を肯定的に見ましょう。幸せのカギはすべてあなたの中にあるのです」(紘矢さん)
山川夫妻が教える絆を深めるコツの一部をご紹介します。
自分を好きになる。自分を丸ごと受け入れる。
人は誰もが、唯一のかけがえのない存在。「自分なんて大したことない」と自己評価の低い自分に気づいたら、そんな自分を許して、自分を愛そう。あなたはあなたのままで100点満点。ありのままの自分を受け入れれば、愛の波動が高くなり、周囲をもいい波動で癒すことができる。プラスのスパイラルができあがる。
他者をジャッジしない。
「彼はどうせこういう人」「期待したってムダ」…そんなふうに相手を決めつけていたら、そのクセはやめよう。自分と意見が対立しても「こんなふうに考える人もいるんだ」と受け入れ、拒絶しないこと。イライラしていたら、絆を深めることはできない。他者に優しくする近道は、自分にも優しく寛大になること。
なるべくたくさんハグする。
ふたりの距離を縮めるには、ボディランゲージの「ハグ」がいちばん。物理的にも互いのハート(心臓)を近づけることになり、エネルギーが混じり合って互いがわかり合えるようになる。マッサージし合うのもおすすめ。恥ずかしければ、手を握り合う、肩に触れるなど、軽いスキンシップから始めてもOK。
やまかわ・こうや あきこ 精神世界の著作を多く翻訳、自らも精力的に執筆。最新刊は『神さまに愛される最高の生き方!』(興陽館)。http://www2.gol.com/users/angel/
※『anan』2018年4月4日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・三浦天紗子
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