オネエ系映画ライター・よしひろまさみちさんの映画評。今回は『オリエント急行殺人事件』です。

年末年始はオールスター映画で華やかに!

オリエント急行殺人事件

いやぁね~…もう年末年始の話よ、みなさん。“仕事納めまで走り抜けるのみ”っていう忙しさのまっただなかだと思いますの。そうすると正月休みに入るやいなや「予定、ない…」となってゴロゴロ堕落して生産性ゼロな休暇になること、あるでしょ(あたしはよくあるわ!)。そんなあなたのために、特大プレゼント的にやってきた新作映画『オリエント急行殺人事件』をおすすめ~。

名探偵の推理ミステリーの傑作といえば、横溝正史の金田一耕助やコナン・ドイルのシャーロック・ホームズ。そして忘れちゃいけね~のが、女流作家アガサ・クリスティのエルキュール・ポワロ! そんなポワロ・シリーズの中でも、もっとも有名なのが本作よ。ポワロが乗ったトルコ発フランス行きのオリエント急行内で、大富豪のラチェットが惨殺。吹雪の中、雪原で立ち往生した列車には、乗員乗客が13名いるんだけど、彼らには完璧なアリバイがあったの。それでも、この中に犯人がいるとにらんだポワロは捜査をすすめるうちに、被害者には裏の顔があったことに気づいて…ってなお話。

なにせオールスターの華やかさは年末年始のお祭り騒ぎシーズン映画らしくていい! 監督兼主演を務めたケネス・ブラナーを筆頭に、ジュディ・デンチやデレク・ジャコビなどのベテラン勢、ジョニー・デップやミシェル・ファイファーなどのA級スター、おまけに『スター・ウォーズ』シリーズでブレイク中のデイジー・リドリーなどライジングスターまで出てくるアンサンブルの妙。どこを観てもスターだらけという楽しさは、『新春かくし芸大会』的な華やかさ(古い!)。しかも、お話が謎解きミステリーだから、観るうちにズンドコのめりこんでいっちゃうんだから~。ええ、もちろん原作を読んだっていう人も、’74年に製作された同名映画(アカデミー賞助演女優賞ゲットの名作)を観たっていう人でも安心。なんせこの映画、今の人たちが楽しめるようにアップグレードしちゃってるんだもの。

ジョニー・デップ

その最大のポイントはポワロの活躍ね。これまで映像化されたポワロってズングリムックリのオッサンで、あーでもないこーでもないって頭脳戦をメインにしていたのね。でも、今回のポワロは違うの。めちゃくちゃ動く! ファンとしては、機敏なポワロなんて初めてよ~。まさかのアクション映画の一面すらあって、男女ともに盛り上がること確実。しかも、今秋の話題作『ダンケルク』同様、全編65ミリフィルムで撮影されているのも、作品のスケールアップに大きく貢献しているのよ。いわゆるデジタルカメラよりも、高精細かつど迫力、しかも味のある映像に仕上がるのは不朽の名作といっても過言ではないこの物語の映画化にはピッタンコ。そのスケール感は『ダンケルク』で実証済みだけど、原作で“雪に閉ざされた密室劇”だったのを、この映画化では“雪景色の大舞台の中繰り広げられる壮大な推理ドラマ”にまでしちゃってるのは、映像のおかげなのよ~。

原作や’74年版を知ってる人は、犯人わかっとるわい! って思うだろうけど、それすらもどうでもよくなる大興奮なの。個人的にはスタイリッシュでおヒゲがキュートな(というかオカシイ)ポワロにメロメロ。年末年始はみんなで観てね!

『オリエント急行殺人事件』 アガサ・クリスティ原作の同名小説を2度目の映画化。監督&出演/ケネス・ブラナー 出演/ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ジョニー・デップ、デイジー・リドリーほか 12月8日より全国ロードショー。 (C)2017Twentieth Century Fox Film Corporation

※『anan』2017年12月13日号より。文・よしひろ まさみち(オネエ系ライター) 

(by anan編集部)


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一年の締めくくりに、大好きな香りに包まれたい。

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もし今、出⼝が⾒えないような苦しさの中にいても、どうか希望を捨てず、⾃分を信じて。派⼿な解決策を探すより、⽬の前のことに真摯に向き合いながら⼀歩ずつ進むことが⼤切です。もがくほど空回りしやすい時だからこそ、⾃分を整えて静かに過ごしてみて。飾らない真っすぐな想いが、現状を変える⼤きな⼒になります。

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