“狼の巣”の女性たちの運命は? 映画『ヒトラーの毒見役』

Ⓒ2025 Lumière & Co. / Tarantula / Tellfilm / Vision Distribution

映画ライター杉谷伸子と謎の美女B子によるお気楽映画評論ユニット・お杉とB子が今注目の映画について語る連載「お杉とB子のMOVIE TALK」。今回のお題は、7月31日から全国公開の映画『ヒトラーの毒見役』です。


衝撃的な実話をさらにドラマティックに

お杉

2012年に、自分がヒトラーの毒見役だったことを告白したマルゴット・ヴェルクの証言に基づく力作よ。主人公ローザは、第二次世界大戦末期、ベルリンの爆撃を逃れて東プロイセンの夫の実家に身を寄せるの。でも、近くにはナチス総統大本営“狼の巣”が! ローザは、ヒトラーの毒見役に選ばれてしまう。

B子

健康診断を経て、健康な若い女性7名が強制的に毒味をさせられる。戦時下で食糧難とはいえ、食べて死ぬ可能性もあるから、恐怖よ。

お杉

違和感があっても、吐き出しちゃダメ。そんなことしたら撃たれて死ぬの。毒見役には夫が戦死した人もいれば、ヒトラーに心酔してる子もいて、状況もさまざま。よそ者のローザも、次第に彼女たちと心を通わせていく。

B子

喧嘩もするけど、みんなが同じ悲惨な境遇にあるから絆も強くなるよね。ただローザには人に言えない秘密ができてしまうの。

お杉

大本営に新たにやってきた将校ね。芸術好きなインテリで、音楽を愛するローザと意識しあう。夫が戦地にいるというのに! 夫の実家にいるというのに! でも、これってドラマティックにするための脚色でしょ? きっと戦争の影に埋もれた悲劇に光をあてるためね。

Ⓒ2025 Lumière & Co. / Tarantula / Tellfilm / Vision Distribution

B子

ローザの仲間も夫が戦地にいるのに妊娠して困ったりする。これが最終的にとんでもない事態を招くんだけど、戦時下の女性って本当に悲惨だなと思わせる。

お杉

ロシア軍が迫るにつれて、彼女たちを取り巻く状況も悪化していく。さらに親友エルフリードの秘密が、新たな危機を招いていくわけ。

B子

実話が基だけど、映画みたいにスリリングな展開だわ。

お杉

だって、映画だもん。実際はどうだったのか! 原作小説も証言もチェックしたくなっちゃう。

information

『ヒトラーの毒見役』

監督/シルヴィオ・ソルディーニ 出演/エリーザ・シュロット、マックス・リーメルト、アルマ・ハスーンほか

7月31日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開。

Profile

お杉とB子

マチュー・アマルリックもお目見えのサスペンス『プライベート・ケース』(7月24日公開)。ファンには、意外な収穫あり♪(お杉)

橋口亮輔監督の『ぐるりのこと。』と『ハッシュ!』が7月24日からリバイバル上映される。ぜひ、観てほしい傑作です。(B子)

Loading...
イラスト・いいあい

anan 2505号(2026年7月22日発売)より
Check!

No.2505掲載

夏の癒し旅 2026

2026年07月22日発売

今年も猛暑が予測される中、海や高原に涼を求めていく“夏の癒し旅”がテーマ。涼しげな景色に夏が旬の美味、かわいい動物たちと旅行欲を掻き立てる一冊に仕上がりました。

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line
エンタメ

Recommend

こちらの記事もおすすめ

バレーボールネーションズリーグ2026で注目の日本人選手と試合の見どころ
バレーボールネーションズリーグ2026で注目の日本人選手と試合の見どころ
Entertainment
影山優佳エッセイ集発売記念、特別公開第4弾「カタメコイメオオメ」
影山優佳エッセイ集発売記念、特別公開第4弾「カタメコイメオオメ」
Entertainment
プロデューサーが語る、映画『Michael/マイケル』に込めた思いと製作の裏側
プロデューサーが語る、映画『Michael/マイケル』に込めた思いと製作の裏側
Entertainment
映画『Michael/マイケル』で伝説に挑んだ者たち。二人の“マイケル”を撮り下ろし&インタビュー
映画『Michael/マイケル』で伝説に挑んだ者たち。二人の“マイケル”を撮り下ろし&インタビュー
Entertainment

Movie

ムービー

Regulars

連載