目指すべき、しなやかな血管とスムーズな血流、質のいい血液について、循環器内科の杉岡充爾(じゅうじ)先生、総合内科医の赤澤純代(すみよ)先生、管理栄養士の植木もも子さんに聞きました。自分の血管の状態はどうか、セルフチェックで確認して。
しなやかな血管チェック
「健康な血管には弾力性があります」と、杉岡先生。「自在に収縮して血液を流し、詰まりや炎症のない状態が理想」。息を深く吸うと脈が少し速まり、吐くときにやや遅くなる「心拍変動」が起こるなら、血管がしなやかな証拠だそう。また、「酸素や栄養の交換を担う毛細血管が発達していることも大切です」(赤澤先生)。
血管の状態・セルフチェック!
脈を測りながら息を吸い、3秒ほど止めてから吐く。何度か繰り返してみて、脈拍が吸うときと吐くときで変わらないなら要注意。
こんな生活習慣も要注意!
- 小腹がすくとついお菓子を食べてしまう
- 電車に乗るとすぐに空席を探す
- いつも仕事に追われている
- 油はできるだけ摂らないようにしている
さらさらの血液チェック
血液の大事な役割は、酸素を運び、二酸化炭素を回収すること。「運搬役の赤血球の膜が柔らかく、また血液中に老廃物や余分な脂肪がなく、滑らかな状態が理想。酸素と結びつくヘモグロビンの素となる、鉄分が不足していないことも条件です」(赤澤先生)。
下記のチェックで血の状態がピンチ、というなら食事法で改善を。「抗酸化力のある成分を取り入れて、免疫細胞や酵素の働きを活発にすることが大切です」(植木さん)
血液の状態・セルフチェック!
舌の裏の静脈が黒っぽく浮き出ているなら、いわゆるドロドロ血の可能性大。舌全体が白っぽいときは、鉄分不足による貧血かも。
こんな生活習慣も要注意!
- お酒が好き
- 食べるのが早い
- 味の濃いもの、脂っこいものが好き
- 食事の時間が不規則になりがち
スムーズな血流チェック
血管と血液、そしてもうひとつ大切なのが流れのよさ。「全身に血液を行き届かせるためには、血流に勢いが必要です。特に毛細血管は、それ自体が血流を押し流す力を持たないため、物理的な刺激で補助して流すことがカギ。入浴や、まめなマッサージがやはり有効です」(赤澤先生)。
血流の状態・セルフチェック!
両腕を真上に上げてぶるぶると震わせる。30秒ほどふったら腕をおろし、すぐに指先にじーんとした感覚があれば巡りがよい証拠。
こんな生活習慣も要注意!
- 眠る直前までスマホをいじっている
- 湯船に浸かることはあまりない
- 生理痛に悩んでも放っておくことが多い
- ここ1か月、特に運動はしていない