腸を整えることに目を向けている人は多いけど、見逃していたのが胃の存在。普段、オーガニックや無添加など、食品の製造過程にこだわったり、栄養のバランスを考える人は多いけれど、自分の胃腸の消化&吸収力自体に目を向けていないのはナンセンスだ、と臨床栄養士の佐藤章夫さん。
「そもそも、胃と腸は繋がっているのに、腸だけを整えたいと考えるのも間違いです。胃と腸の消化、分解、吸収がちゃんと働いていてこそ、全身に栄養が行き渡るものなのですから」
食事で必要な栄養素がきちんと摂れているかは、カラダのメンテナンスや代謝に関わってくる重要なポイント。
「食べ物を消化、分解するため、唾液や胃酸がちゃんと出ているか、そして腸内で吸収しやすい状態になるよう、酵素が働いているかを知る必要があります」
まずは、今のあなたの消化吸収力を診断。食べたものを胃腸でちゃんと消化、吸収できているかは、日々のセルフチェックである程度わかる。特に、便の色やカタチは、腸の健康状態を知る最も身近な指標です。早速、チェックしてみましょう。
食前に重曹水を飲んでゲップのタイミングをチェック。
50ccの水に食用の重曹を2g入れて混ぜ、食事5分前に飲む。3分以内にゲップが出たら胃酸がちゃんと出ている証拠。食事を始めて20分以内なら許容範囲。食事が終わってもなかなか出ない人は、胃酸分泌力不足。食前に、食べ物の匂いや視覚で五感を刺激すると、胃酸分泌が促される。
うんちの色やカタチでわかる、あなたの消化&吸収状況。
腸内の理想的な環境は、適度な酸性が保たれていること。色は黄褐色でバナナの形をした便が出れば、腸の状態は良好。ストレスや腸粘膜のトラブルなどで腸の蠕動運動が弱まると、便が硬くなったり、逆に柔らかくなったりする。また、腸内の腐敗物質が増えるとアルカリ性に傾いてしまう。