anan世代の気になる不調とは?
20~35歳の女性100人に聞きました。
カラダのコリ・痛みに関する不調
1位:肩コリ
「肩が凝って寝られない」(28歳・会社員)
「ガチガチに固まっていてストレス」(30歳・メーカー勤務)
「仕事中に痛みが出る」(26歳・金融関係)
2位:腰痛
「慢性的に腰痛があり、起きる時が一番辛い」(25歳・飲食業)
「生理前はとくに腰が重だるい」(24歳・サービス業)
3位:首の痛み
「長時間のパソコン作業の後に痛くなる」(31歳・編集)
4位:背中のハリ
「背中がカタくて、かがむと違和感がある」(33歳・教育関係)
根本を治さないとすぐに再発してしまう。
anan世代の女性に日頃から気になっているカラダのコリや痛みについてアンケートをとったところ、上位にあがってきたのは「肩コリ」や「腰痛」など。「肩が凝ったら肩を揉む」といった感じで辛い箇所をケアしている人が多いと思うけれど、それでもすぐにぶり返してしまうのは、「“本当の原因”をケアできていないため」と理学療法士のパク・ソンフン先生。
「人間の骨格や筋肉はすべて繋がっています。なかでも痛みを感じやすい箇所がある。例えば肩はその筆頭で、肩コリは症状を感じやすいものの、そもそもの原因は肩ではなく、肩と繋がっている胸と背中の筋肉にあります。このように“本当の原因”にアプローチして根本的な不調の改善を目指すのが、私が考案した『ひとり整体』です」
根本治療に繋がる! ひとり整体のポイント。
□“本当の原因”にアプローチする
□自分で治せる
□1日3回やる
ひとり整体の特徴は、痛みを感じている箇所ではなく“本当の原因”にアプローチすること。それを自力でできるのもポイント。マッサージなどに行くのもいいけれど、結局は日々のセルフメンテナンスが改善には不可欠。朝昼晩など時間をあけて1日3回。カラダに覚えさせよう。
肩コリ
肩コリの正体は僧帽筋のカタさ。でもケアのキモは大胸筋と広背筋。
ランキングに入っていたコリや痛みに関する不調は、すべてよくない姿勢が原因とのこと。
「肩コリの場合は、ねこ背や、肩が内側に向く巻き肩といわれる姿勢がトリガーです。現代人はデスクワークをはじめ、料理や車の運転など、何かをする時には必ずといっていいほど腕を前に出しますよね。それが、ねこ背や巻き肩に繋がってしまう。すると首の後ろから背中に広がる僧帽筋が前に引っ張られて、血流が阻害され、筋肉がカタくなり、肩コリとして症状が表れます」
その根本を改善するべくアプローチするのは、僧帽筋と繋がっている大胸筋と広背筋。
「ねこ背や巻き肩から、正しい姿勢に戻れば、僧帽筋が前に引っ張られることもなくなります。それには僧帽筋と繋がる大胸筋と広背筋を柔軟にすることが不可欠です。この2つの筋肉をストレッチし、さらに僧帽筋のバランスを整えれば、正しい姿勢に戻ります。始める前に、まずはどちらの肩がカタいのか、僧帽筋のチェックから始めましょう」
アプローチするべきは…胸と背中!
大胸筋(だいきょうきん)
胸の表層から上腕まで繋がっている厚い筋肉。ここがカタくなるとねこ背を引き起こす。
広背筋(こうはいきん)
背中から上腕、腰に繋がっている大きな筋肉。大胸筋と連動して肩関節の動きを司る。
肩コリを改善する準備と3つのSTEP
肩コリを改善する3STEPの前に肩の状態を僧帽筋でチェック。このチェックにより、左右どちらの肩がよりカタいのか明らかに。
【STEP0】まずは今の肩(僧帽筋)の状態をチェック。
僧帽筋(そうぼうきん)
首から肩、背中の上部に繋がっている筋肉。ここがカタくなると肩コリの症状として表れる。
1、頭を左右に倒す。
頭を倒しにくい側の僧帽筋がカタい。
2、顔を左右に向ける。
顔を向けにくい側とは反対の僧帽筋がカタい。
→カタいほうからケアしよう!
利き手をよく使うから利き手側の肩が凝るなど、肩コリには左右差があるもの。その差を確認するのは、よりカタいほうからケアすると、効果を実感しやすいため。例えば右側がカタいなら右肩から行い、終わってから左肩と比べると、まだマシと感じていた左肩より右肩のほうが軽くなっているのがわかるはず。
【STEP1】大胸筋のストレッチ
1、手を斜め上に上げる。壁から20cmくらいの距離に立つ。
壁に向かって立つ。僧帽筋がカタかったほうの手を斜め上に上げ、小指側を壁につける。
2、上体と首を後ろに向ける。10秒キープ。
手を壁につけたまま、上げた手とは反対側に上体を向ける。胸の伸びを感じつつ、同じ方向に首を回す。イタ気持ちいい程度を目安に10秒キープ。カラダと首を戻し、手を下ろす。
【STEP2】広背筋のストレッチ
1、手を真上に上げる。壁から20cmくらいの距離に立つ。
壁に向かって立つ。僧帽筋がカタかったほうの手を真上に上げて、小指側を壁につける。
2、前かがみになるように上体を沈める。10秒キープ。
1の姿勢から、少し前かがみになるような形で上体をゆっくり沈める。腋がしっかり伸びて、イタ気持ちいいと感じたら10秒キープ。その後、上体をゆっくり戻して、手を下ろす。
【STEP3】肩まわりの筋肉のトレーニング
1、肘の角度は90度よりやや下。
肩の胸側と背中側の筋肉のバランスを整えるトレーニング。肘を曲げて、手のひらは上に。
2、両手を前から横へ。10回。
両手を前から横へ10回動かす。腋を締めたまま、肩甲骨を寄せるイメージ。終わったらSTEP0で左右差をチェック。ケアした側がラクになっているのがわかるはず。逆も行う。
パク・ソンフン先生 理学療法士。不調の改善方法をレクチャーするYouTubeチャンネル「理学療法士 パク先生」が登録者数29万人超え。初の著書『すべての不調は自分で治せる!ひとり整体 この効果、まるでプロ級!』(SBクリエイティブ)を上梓。兵庫県尼崎市「つながり整体院」にて診療中。https://seitai-tsunagari.com
※『anan』2023年5月3日‐10日合併号より。イラスト・本村 誠 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)