ハッピーな笑顔に導いてくれる。「プロテイン美容」を始めてみよう。
今、美容界で改めて注目を集めている“プロテイン”。
トレーニーにとっては毎日摂るのが常識なプロテイン。最近は特に筋トレをしない人の間でも、積極的に補うべき栄養素として人気を集めている。
「プロテイン、すなわちタンパク質は、筋肉や肌の材料になるだけでなく、細胞間の情報伝達など体の機能にも必要な栄養素。細胞内にある小胞体という器官が、アミノ酸を材料にして合成しています。最近は肌のプロテインの密度が高いほどシワができにくいことが明らかになるなど、美容面でプロテインが注目されています」(内科・皮膚科医・友利 新さん)
「私たちの体は、水分を除くとその多くがタンパク質でできています。体内で作られたタンパク質は、最優先で内臓や血液に、次いで神経伝達物質などに使われ、余ったものが筋肉や肌、髪、爪などの材料に回されます。なので、タンパク質が不足すると、肌や髪に大ダメージが。私も、プロテインを積極的に摂るようになったら肌のトラブルが落ち着いた、髪のボリュームがアップした、という経験があります」(プロテイン愛好家・プロテインひろこさん)
肌のプロテインを守るTIPS
プロテインは外から増やすだけでなく、内側で質をキープするアクションも必要、と友利さん。「いくらプロテインを摂っても、作ったタンパク質が粗悪品になったら意味がありません。紫外線や糖化などタンパク質を劣化させる原因を防ぐことが、健康な体や美しい肌、髪を保つ基本になります」
腹八分目を心がける
食事の量を腹八分目に抑えると、細胞の“オートファジー”機能が活性化。古くなったタンパク質を分解、リサイクルして、新しいタンパク質の材料にする。
紫外線を防ぐ
紫外線は、体内のタンパク質を劣化させる。たとえば肌の弾力を支えるコラーゲンやエラスチンは、紫外線の影響で傷つき、たるみやシワの原因に。
糖化を抑える
タンパク質は体内で余った糖と結びついて糖化すると、もろく黄色く変性。肌の黄ぐすみなどとして現れる。甘いもの、炭水化物の摂りすぎには要注意。
必要な量を効率よく取り入れるには?
美容に嬉しいプロテイン。しかし毎日適量摂るには工夫が必要、とひろこさん。
「摂りだめできないので、こまめに摂る必要があります。厚生労働省によると、18歳以上の女性が1日に必要とするタンパク質の量は約50g。肉や魚、卵はタンパク質が豊富ですが、それだけで必要量摂るとなると、脂質が多くなりカロリーオーバーになる恐れがあります。プロテインドリンクやバーなども補助的に取り入れて、スマートに摂れるとよいですね。またブロッコリーにもタンパク質が多くトレーニーに人気です」
「朝プロテインを摂ると、次の食事から吸収される血糖値の量が減る“セカンドミール効果”を得られます。ですので、朝は積極的にプロテインを取り入れましょう。できればほかの栄養素も一緒に摂れる肉や魚、大豆製品などから摂りたいのですが、料理する時間のないときもありますよね。私も基本は料理から摂取し、忙しい時間帯だけドリンクを活用したりしています。ただし、人工甘味料や脂質の多いアイテムは、ダイエット的にも避けたいところです」(友利さん)
プロテインと一緒に摂りたい栄養素
摂取したプロテインを体の中でアミノ酸に分解、再合成するときは、ほかの栄養素の助けが必要。「分解されたアミノ酸を吸収するときは、糖質があるとスムーズ。肉と一緒にご飯を食べたくなるのは、理にかなっています。タンパク質を合成するときには、様々なビタミンが必要です」(友利さん)
ビタミンB群
バナナやキャベツ、豆類などに含まれるビタミンB6、魚介類に多いビタミンB12 は、タンパク質の合成に必要。水溶性ですぐ排出されるので、マメに補って。
ビタミンD
カルシウム合成に必要なことがよく知られているビタミンDだけど、タンパク質から筋肉を作るためにも必要。鮭や牛レバー、キノコなどに含まれている。
ビタミンC
美肌を支えるコラーゲン、筋肉や血管、骨の一部はタンパク質が材料で、その合成にはビタミンCが欠かせない。キウイフルーツ、イチゴなどに多い。
美味しい&手軽なプロテインフードを活用しよう。
プロテインは、肉や魚など普通の食事から摂るのがベスト。でも料理をする時間がない、カロリーを抑えたいというときは栄養補助食品の出番。朝食やおやつの代わりにしたりデザートにプラスして、プロテインを補おう。
プロテインバー:おやつに選ぶなら、バータイプを。
多くのコンビニで取り扱っているからゲットしやすく、持ち運びに便利なのがバータイプのメリット。「チョコレートやナッツを使った、美味しくて食べ応えのあるアイテムがそろっています。小腹がすいたときに脂質や糖質ばかりのスナック菓子を食べるくらいなら、プロテインたっぷりのバーを食べたほうが、罪悪感なく満腹になれます」(ひろこさん)
A、カロリー0の自然派甘味料ラカントを使用。プロテイン約11.4g。HEALTY SOY CHOCO ほうじ茶味 30g¥181(丸菱関東販売 TEL:03・6712・4016 )
B、ナッツがぎっしり。プロテイン約6.3g。BE‐KIND ダークチョコレート アーモンド&シーソルト 40g¥246(マース ジャパン リミテッド TEL:0120・123764)
C、しっとり生地にナッツ入り。プロテイン約10g。ストロングミルクバー リッチカカオ 35g¥270(ストロングハート TEL:050・5490・6611)
プロテインドリンク:忙しいときは食事の置き換えに。
プロテインドリンクは、意外と飲み応えがあって置き換え食に活躍。「最近は牛乳から作られていて吸収が早いホエイプロテイン、大豆由来で腹持ちの良いソイプロテイン、次世代型といわれる酵母プロテインなど、ドリンクのバリエーションが続々登場。水で割って美味しい商品も増えていますが、コクが足りないと感じる方は、豆乳、牛乳で割ってもOK」(ひろこさん)
A、酵母プロテインを使用。1食分のタンパク質は約16.7g。エメプロテイン リッチチョコレート風味 375g¥3,980(divi support@aimeprotein.jp)
B、ホエイ&大豆プロテインを、1食分約11g配合。タンパクオトメ 博多あまおう 260g¥3,218(タマチャンショップ TEL:0120・385・246)
C、ホエイプロテインを使用。1食分に約16gのプロテインを配合。友利新がほんきでつくったプロテイン ほうじ茶ラテ味 351g¥2,138(メディスキン TEL:0120・706・262)
プロテインフード:食事に一品プラスしよう。
自炊料理にプロテインが足りないと感じたとき、手元にあると嬉しいのが、献立にプラス1品できるプロテインフード。「最近はシリアルやヨーグルト、レトルトスープなど、プロテイン入りを謳った製品が続々と発売されています。健康志向の人に向けた製品なので、プロテイン以外の栄養素やカロリーに配慮している、というメリットもあります」(ひろこさん)
A 、33種類の栄養素をバランスよく配合。1本にプロテイン6.0g。完全メシ グリーンスムージー 235ml¥375(日清食品 TEL:0120・923・301)
B、 1個約10.5gのプロテイン入りで、脂質は0。濃厚な食感と上品なバニラの香り。isey SKYR バニラ 105g¥192*編集部調べ(日本ルナ TEL:0120・014367)
C、食物繊維や鉄分、8種のビタミンを摂れる。1食分にプロテイン約13.1g。グラノーラプラスプロテイン 420g¥680*編集部調べ(カルビー TEL:0120・55・8570)
友利 新さん 内科・皮膚科医。美容情報を発信するYouTubeチャンネルが話題に。インナーケアにも精通し、栄養補助食品のプロデュースも手がける。
プロテインひろこさん 運動しないプロテイン愛好家。試した製品は400種以上。運動も料理も嫌いだけど体づくりをしたい、という人に送るアドバイスが好評。
※『anan』2023年1月11日号より。写真・久々江 満 イラスト・松尾モノ 取材、文・風間裕美子
(by anan編集部)