周囲がうらやむ夫婦のはずが… 37歳妻の身に起きた「悲惨すぎる展開」【後編】

文・並木まき — 2022.2.26
学生時代に憧れていた男性と結婚したものの、いざ生活をともにし始めると価値観の違いが浮き彫りになり、結婚後わずか半年で夫婦仲が完全に冷え切ってしまったという由美子さん(仮名・37歳女性)。そんな生活に疲れ果てた頃、由美子さんにとって絶対に避けたいと思っていた出来事が起きたそう。今回はメンタル心理カウンセラーの並木まきが、そんな結婚生活を経験した女性のエピソードをご紹介します。

不仲を悟られないように素敵な夫婦”の演技を続けるも、周囲に噂が広がり…

「あの頃の私は、とにかく周りに“素敵な夫婦”と思われたくて、SNSで必死に“仲のいい夫婦”を演じていました。

本当は夫は外食していて留守なのに、わざと2人前の夕食を作り、それを写真に撮ってラブラブな結婚生活を送っているように見せたり、自分で買ったブランド物の写真を夫が買ってくれたかのように読める書き方でSNSに投稿していました。

そんな生活に虚しさを感じましたが、それでも周りからうらやましがられる結婚生活を続けることのほうが、当時の私には大事だったのです」

そんな由美子さんの努力も虚しく、しばらくすると周囲に夫婦仲を心配されることが増えてきたのだそう。その背景には、夫が毎晩飲み歩き、週末も仲間とゴルフや釣りに出かけていることを共通の知人たちが知ったことがあったようです。

「あるとき、夫と共通の友人から『最近は夫婦で一緒にいないみたいだね』と言われてギクッとしました。その頃もSNSで“仲のいい夫婦”アピールはしていたものの、夫が派手に遊び歩いていたので、そんな夫の様子を知って、その友人は私のことを心配してくれたようです。

だけど、夫婦仲が悪いことがバレてはいけないと思った私は、そのときも咄嗟に嘘をつき、夫婦仲は順調という主張をしました」

しかし現実は残酷で、そんな由美子さんのSNSでの“ラブラブ工作”を、次第に周囲の友人は冷めた目で見るようになっていったそう。さらには、夫が妻以外の女性を連れて食事をしていたという目撃談までが、由美子さんの耳に入ってくるようになりました。

「そのときはまだ新婚1年目。だけど、夫婦関係はすでに離婚寸前というところまで冷え切っていました。周りには必死で“仲のいい夫婦”を演じてきたけれど、私がひとりでラブラブ工作をしていることも、周りにバレ始めていたようでしたね。

それに、共通の友人から夫がほかの女性を連れていたことを聞いたときは、もう無理だと思いました。それは、私にとって絶対に避けたい展開でしたから…。

そのときになってようやく、私もいつまでも現実に目を背けてはいけないと覚悟を決め、夫と話し合うことにしました」

夫に改善を求めるも拒否! スピード離婚へ

由美子さんは、夫婦の関係性を改善したいと夫に提案。しかし、夫はその話し合いの内容をすべて拒否したそうです。

「『愛情もない相手と、なんで結婚生活を続けなくちゃいけないんだ』って言われて、ハッとしました。私もその頃には夫への愛情は完全になくなっていましたし、夫も私に対しての愛情はとっくの昔に消えていたようです。
その状態で、夫婦関係を修復するための努力をしても、おそらくいい結果にならないだろうということで、話し合いは一気に離婚へと傾きました」

その日の話し合いで、夫婦共に離婚に合意。結婚生活1年でのスピード離婚へと至ったそうです。

「スピード離婚をしたことに後悔がないと言ったら嘘になりますが、それでも今はその決断自体は後悔していません。後悔しているとすれば、結婚相手として彼が相応しいのかどうかを冷静に判断することなく、“運命の相手”だと思い舞い上がり、結婚してしまった当時の自分の決断に対してです。

憧れの相手だからと言って、結婚相手として相性がいいわけではないんだなと、勉強になりました」

今では、由美子さんは再婚に向け婚活をスタート。今度は、きちんと相手の内面にも目を向けて、一緒に生活をするにあたり心地よい関係を構築できる人とゴールインしたいと話していました。


「夫婦の価値観の違い」が浮き彫りになった瞬間とは… 前編に続きます



「憧れ」の思いが強すぎると、相手を冷静に見ることができなくなることもあるのでしょう。結婚は人生における重要な決断。憧れの感情によって、大事なものを見失ってしまわないよう、気をつけたいものですよね。

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