まだまだ寝苦しい夜が続くこの季節。日中に溜まる疲労を軽減するルーティンと、安眠を叶える睡眠環境づくりで、残暑を乗り切るベストな睡眠ルールを紹介します。

疲れの正体を知り、効果的な睡眠を。

「疲れた脳を回復させるには質のいい睡眠以外に方法はありません。まだまだ暑さが続くこの時期は、脳の中枢にある自律神経が体温調節で働きっぱなし。さらに夏は昼の活動時間が長くなり、睡眠時間が短くなる傾向があります。睡眠の量が減る分、意識的に睡眠の質にこだわりたい時期です」

と、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生。自律神経が休まらず、質のいい睡眠を妨げるものはさまざまあるが、代表的な原因として先生はいびきを挙げる。

「いびきをかいている時は舌が気道を塞ぎ、脳は低酸素状態に陥っています。すると自律神経は脳に酸素を送るために一生懸命、血圧や心拍数を上げる指令を出さなければなりません。これでは激しい運動をしているようなもので、疲れは取れません。女性は肺活量が少ないので、“スースー”という寝息程度でも脳が酸欠の場合もあります。いびき測定アプリで確認してみるといいでしょう」

また、この時期、自律神経のために心がけたいのが鼻呼吸。

「脳にある自律神経の中枢は、熱を持ちやすく冷えにくい場所です。その近くを鼻腔が通っているので、鼻呼吸で冷たい外気を取り入れることで脳が冷やされます。寝る前に、鼻から4秒かけて息を吸い、7秒息を止め、8秒かけて口から息を吐く呼吸法を3~4回やると眠りに入りやすくなります」

日々の生活でも、安眠の基本ルールを意識的にチェックしたい。

安眠と疲労回復の7つのルール

睡眠

1、朝食で積極的にタンパク質を摂る。

疲労感なしで一日を過ごすには、朝食が欠かせない。起床1時間以内に食べると体内時計がリセットされ、自律神経が整うので、食欲がない朝は豆乳や白湯(さゆ)だけでも。特に摂りたい栄養素は、疲労回復に役立つタンパク質。和定食はお味噌汁、焼き鮭、豆腐、納豆と、タンパク質を豊富に摂取できるのでおすすめ。朝から作るのが難しい人は、コンビニのサラダチキンが手軽。鶏の胸肉にはタンパク質に加え、脳の疲れを抑え、抗酸化作用のあるイミダペプチドも多い。

2、屋外ではサングラスで紫外線から目を守ろう。

脳を疲れさせる原因のひとつが紫外線。紫外線が目から入ると、メラノサイトという色素細胞が活性化する。このメラノサイトがメラニンを生成し、肌を黒くすることで紫外線から体を守ってくれるのが日焼けの仕組み。それと同時に自律神経は紫外線から身を守ろうとして交感神経が優位になる。つまり、屋外で紫外線を浴び続けると、自律神経は戦闘モードに入りっぱなし! 15分以上屋外にいる時は、サングラスをかけて紫外線から目を守ることを心がけて。

3、入浴で体をよく温め血流を促して。

疲労回復の手段としてよく知られている入浴。その最大の効果は、血行促進にあり! 脳へ酸素と栄養を供給するのに最も大切なのが血流で、脚で滞ってしまった血流もお湯に浸かることでスムーズに流れるようになる。その結果、一日働いた脚のむくみが取れるメリットもある。ただ、夏場は日中、体温調節で脳が疲れているので、のぼせて体に負担がかからないよう、シャワーで済ませるのも手。その場合は、足首や膝裏にシャワーをかければ、血流もよくなる。

4、ストレッチを、寝る前のルーティンに。

寝つきが悪いと感じる人は、“これをしたら眠れる”という自分なりのルーティンを“入眠儀式”として決めておくと、脳が睡眠モードに入りやすくなる。ルーティンのひとつとしておすすめなのが軽いマッサージやストレッチ。血液の循環がよくなるので、疲労回復にも有効! パジャマに着替える、静かな音楽を聴くといったことも、入眠儀式になる。逆効果なのがアクティブな運動。交感神経を優位にしてしまうので、夜はゆっくりと過ごそう。

5、室内では空調を使い、ストレスなく快適に。

夏の暑さが落ち着くまで、睡眠中もエアコンは必須。蒸し暑いと一晩中自律神経が体温調節のために働いてしまい、脳はまったく休まらないのだ。また、深夜は湿度が高く寝汗が蒸発しにくいためエアコンはつけっぱなしで涼しく保つべし。夏場の理想的な室温は25°C。長袖長ズボンのパジャマと薄い掛け布団で、体は冷やさないように注意を。ちなみに扇風機の風は体の一部にだけ当たり、自律神経は体温をコントロールしにくくなる。空気循環のために使って。

6、睡眠中は音や光の刺激を避けて。

寝室環境を整えることは、安眠への近道。照明は睡眠を促すメラトニンが分泌しやすくなるように夕方以降は暖色で過ごす。そして眠る時は部屋を真っ暗に。目を閉じていても豆電球程度の明るさでもまぶたの上から光を感じて自律神経は働いてしまう。聴覚的にも同じことがいえ、耳は本能的に危険を察知するために絶えず音をキャッチしようとしている。好きな音楽を聴くのが入眠儀式であっても、音を流すのは寝る前まで。就寝中は無音がベスト!

7、心地よいアイテムで安心安全な睡眠を。

“安心”“安全”は自律神経を休ませる安眠の大事なキーワード。たとえば、親に添い寝をしてもらうと子どもが寝付きやすいのは、安らげるから。また、ホテルなど普段と違う環境だとなかなか眠れないのは、そこが安心安全だと感じられず緊張してしまうため。室温や照明など寝室環境を整えることはもちろん、寝具やパジャマも肌触りがよく、心地がいいと感じるものを選びたい。暑い季節は吸水速乾性に優れたポリエステル素材がおすすめ。

梶本修身先生 医学博士。東京疲労・睡眠クリニック院長。産官学連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。『ネコさんが教える疲れリセット教室』(学研プラス)などを監修。

※『anan』2024年9月4日号より。イラスト・くらちなつき 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)

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