
まだ使ったことがない人はもちろん、さらに使いこなしたい人に向けて、生成AIの使い方のちょっとしたコツをご紹介。生成AIの専門家の安達恵利子さんと生成AIに詳しい臼井拓水さんにお聞きしました。
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なんでもできる…というと、まるで魔法使いのように感じますが、それは使い方と命令のしかた次第。どんなふうに頼むと思い通りに動いてくれるのか、上手な使い方のコツを解説します。
お話を聞いた方々
Profile

安達恵利子
AI活用・Webマーケティングコンサルタント。企業・大学・公的機関での講演多数。著書に『はじめての生成AI ChatGPT「超」活用術』(ソーテック社)。

臼井拓水
Michikusa株式会社代表取締役、デジタルハリウッド大学特任准教授。著書に『Notion AIハック 仕事と暮らしを劇的にラクにする72の最強アイデア』(翔泳社)。
何をしてもらうにも、会話を重ねることが大事
便利そうだけれども、なんか使うのが難しそう…。そんな初心者はまず、友だち感覚で話しかけることから初めてみて。
「ChatGPTやGeminiなどは“チャット型AI”と呼ばれていて、会話する→答える、というやりとりが基本です。またSoraやSunoなどの特化型AIは動画や音楽の生成AIですが、操作は文章入力で簡単に行えます。なので、まずは気軽に、友だちに相談する感覚で始めてみるのがいいと思います」(安達さん)
相談ベースのやりとりに慣れたら、次は具体的に何かを生成してもらうステップへ。そこでは、何をしてほしいのかをいかにしっかり伝えるかが大事になってくる。
「プロンプト(AIにやってほしいことを伝えるためのお願いの言葉)は、作文ではなく仕様書だと思ったほうがいいです。目的や対象、条件などの前提が足りないと、AIは勝手に補ったり、あるいは外したりするので、そこを明確に伝えましょう」(臼井さん)
やりとりを重ねることでAIが育ち、よりユーザーの好みや考えを理解するようになり、使い勝手も向上。どんどん使いたくなりますが、使用する上で注意点もあるので、それも忘れずに。
「特に意識しておきたいのは、生成AIには、間違った情報をさももっともらしく作ってしまう、ハルシネーションという現象があること。なので重要な情報は、事実確認が必須です」(臼井さん)
生成AIを使用するときの心構え
- 完璧を求めない
- 失敗を恐れない
- やりとりを楽しむ!
AIが出す答えは参考意見として、最終判断は自分という距離感が大事。また変な質問をしてもやり直せるので安心を。こんなことを聞いていいのかな? という遠慮は不要。どんどん話しかけよう。
Case1|何かしてほしいけれど、何をしてくれるのかがわからない…
まずは相談相手として使ってみる、あるいは「型」で答えてもらえるように聞く
まずは相談ベースで話しかけてみよう。
「愚痴、質問、“忙しくて頭の中がごちゃごちゃしている”なども大丈夫。反応が返ってくるのでまた返す。キャッチボールで答えを見つける感覚を掴めたらOK」(安達さん)
やりとりに慣れたら、次は型で聞いてみる。
「“小学生にもわかるように説明して”とか“箇条書きで手順にして”、あるいは“会話形式で教えて”など、“型”で聞くとわかりやすい答えが返ってきやすいと思います」(臼井さん)
Case2|したいことはわかっているけれど、頼み方がわからない…
やってほしいことを、とにかく具体的に伝える。ポイントは「目的」「対象」「条件」
少し使えるようになると、今度は“いいプロンプトを投げられない…”と思う人も出てくる。
「状況や背景を丁寧に伝えることが一番大事です。難しく考えず、やってほしいことを明確に、具体的に伝えるよう意識を」(安達さん)
してほしいことをわかりやすく書くのが大事。
「例えば上司に相談するメールを書いてほしいなら、〈対象:忙しい上司、条件:200字、要点が先、丁寧、結論→理由→依頼〉など、前提情報を1行ずつ書いてみてください」(臼井さん)
すると…
何度も対話を重ねることで、生成AIとの相互理解が深まり、適切な答えが出るように、育つ!
会話の流れややりとりの流れから、ユーザーの傾向を踏まえて答えてくれるように。
「会話の中で、AIの提案に対して“これは好き”“もうちょっとこうして”などと伝えると、より好みに沿った答えに近づきます」(安達さん)
「またAIの迎合的な答えが好きではない場合、やりとりの最初に“忖度なしで、弱点を伝えて”などと伝えてみるのも一つの手だと思います」(臼井さん)
POINT
出てきた答えの事実確認は必須。個人情報の取り扱いも要注意!
入力した情報を外部に送信するため、個人情報や未公開情報は漏洩のリスクを防ぐ観点から入力は×。さらに出力された情報、特に数字や固有名詞、法律、医療、投資情報やサイトなどは、必ず事実確認を!!
識者からの提案! 生成AI、こんな使い方してみては?
ということで、実はこんなこともできるぞ、という便利な使い方を5つ教えてもらいました。ちょっとした悩みや疑問を、生成AIが瞬時に解決。日々のストレスが軽減&毎日がちょっと楽しくなるよ!
① 食事の写真を見せて、ざっくりカロリー感や栄養バランスを教えてもらう

毎日の摂取カロリーを気にしている人におすすめの使い方。食事の写真を送り、“大体のカロリーを教えて”と聞くと、写真からの推測レベルですが、おおよそのカロリーを教えてくれるので、参考情報として使えます。さらに“あとどんな食材を摂るといい?”や“ランチがこれなら晩ごはんは何がおすすめ?”といった追加質問もしてみて。
② 操作がわからないものの画像を見せながら、使い方を教えてもらう

生成AIの使い方でかなり多いのが、“これ、操作がわからない!”相談。パソコンの操作やルーターの不調、それから意外と多いのが洗濯機のエラー相談だそう。家電のエラー表示や、操作不明になったパソコンの画面を撮影して送信し、“こうなっているけれど、どうしたらいい?”と質問をすると、解決方法を調べ、教えてくれます。
③ LINEやメールのやりとりを見せて、相手の意図を読み取ってもらう

安達さんによると、数々の生成AIがある中で、特にChatGPTは行間を推測するのがうまいそう。なので、メールやLINEのやりとりの裏にある“相手の本心”を探ってもらう、なんて使い方も。やりとりをスクショに撮って送信、相手の気持ちを推測してもらうこともできるし、“相手を傷つけない断る文章を考えて”といったことも得意!
④ 上司の特性や特徴を伝え、この上司への効果的なプレゼン法を考えてもらう

上司の特徴から、刺さりやすい伝え方の戦略を一緒に考えることもできる! 例えば“数字を重視し、長文が嫌い、結論を先に聞きたがる上司がいて、そんな上司にはどうプレゼンすればいい? 想定ツッコミも3つ出して”など、前提情報をしっかり、かつ目的を明確に伝えると、その上司の特性を理解し効果的なプレゼン方法を考えてくれます。
⑤ 毎日同じ時間に、目的に合ったエクササイズを提案してもらう

少し上級者向けの使い方。エクササイズを生成AI にGoogleスプレッドシートにリスト化してもらい、さらに「○○したら△△する」という操作を自動化するウェブサービスIFTTT(イフト)と連携。IFTTTで“毎日7時に自分宛てにスプレッドシートから1行ずつメール送信”と設定。すると毎朝運動メニューが送られてくる!
anan 2487号(2026年3月11日発売)より


















