暦について研究する日本良学の代表、藤本宏人さんによると、暦が示す吉日は、よい運気を掴むタイミングを教えるものだという。
「日本では昔から、運気は波のようなものだと考えられていました。個人的な運はもちろん、世の中にも運気の波があって、上がったり下がったりを繰り返している、と。そんな世間の上昇運を教えるのが、暦の示す吉日です。自分の運気が下がっていると感じても、暦に“今日は神様の機嫌がよい吉日です”とあったら、気持ちが前向きになって行動を起こす気になりますよね。暦はそうやって、世の上昇運に乗るために役立てられてきたのです」
もちろん凶日(きょうじつ)も書いてあるが、そちらは割とスルーされていたそう。
「そもそも暦は予言ではないので、凶日=悪い日とも限りません。凶日にクヨクヨするより吉日の良運を期待したほうが幸せだ、という先人の心意気にならい、私たちも吉日を楽しみに、毎日を幸せに過ごしたいですね」
4月の吉日
4月6日(陽の大吉日)
大安、満(みつ)、神吉日(かみよしにち)、母倉日(ぼそうにち)
迷い事に決断を下して即行動を。
何をするにもうまくいく「大安」とこれまでに努力してきたことが成果として表れるという意味の「満」に、神様の機嫌がよいことを示す「神吉日」、見返りを求めない親切がよい結果を招く「母倉日」が重複する。チャンスを逃さず、素早く行動することが吉。何か迷っていることがあっても、この日ならうまく決断できるはず。夜空に輝く満月の励ましで、自然と勇気も湧いてくる。
4月12日(陽の大吉日)
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)、大安、成(なる)、箕(き)
ものづくりが運気上昇のきっかけに。
4月の中で最も運気が上昇する日。“一粒の籾が万倍にも実る稲穂になる”という意味を持つ「一粒万倍日」と、未体験の何かに取り組むとよい運が生まれる「成」、ものづくりが良運を取り込むことを示す「箕」が重なる。クリエイティブなことをするもよし、新しい人間関係を作るもよし、“何かを作る”ことに最適。よいアイデアにも恵まれるので、この日得た閃きは大切にして。
4月15日(陰の大吉日)
一粒万倍日、友引、閉(とづ)、神吉日
人間関係や自分の心を見つめ直す日。
最強の吉日である「一粒万倍日」と神様が味方になってくれる「神吉日」に、現状維持を意味する「友引」、現状確認を勧める「閉」の組み合わせ。この日は、友人や同僚など身近な人間関係を見直してみる、自分の内面を省みるような心の洗濯をするのがおすすめ。そうすれば人間関係がスムーズになったり、人間的に大きく成長できたり、目に見えない部分で様々な恩恵を受けられる。
4月24日(陰の大吉日)
一粒万倍日、神吉日、天恩日(てんおんにち)、月徳日(つきとくにち)
新しい友達を作るチャンスが到来!
自分でも気がつかないうちに嬉しいご縁が広がる日。「一粒万倍日」と「神吉日」の吉日に、他者からもたらされた物事がよい結果につながる「天恩日」と、物事に身を任せた方がうまくいくという意味を持つ「月徳日」の組み合わせ。自分から行動するより、受け身でいる方が万事うまくいきそう。仲良くなりたい人がいたら、その人の名前を3回呼ぶという「おまじない」を試してみて。
4月28日(陽の大吉日)
大安、建(たつ)、大明日(だいみょうにち)、鬼宿日(きしゅくにち)
強気の姿勢&行動が吉を呼び込む。
「建」は願いがうまく実現するタイミング、という意味。そこに何事もうまく運ぶ「大安」と前向きになれる「大明日」、何をするにも邪魔をされない「鬼宿日」が重なる。試験でも勝負事でも、ワンランク上の結果を狙って強気で行動すると、よい結果が生まれる。チームプレーが、普段よりよい結果につながりやすい。新しいことに挑戦するのによい日なので、何か習い事を始めるのもおすすめ。
藤本宏人さん 日本人の文化、歴史、世界観から30年以上「ご利益」を研究する「日本良学」代表。著書に『365日のご利益大全』(サンマーク出版)。メルマガ「ご利益1万倍のこよみメール」は毎日配信中(「こよみメール」で検索)。
※『anan』2023年3月22日号より。イラスト・木村友美 取材、文・風間裕美子
(by anan編集部)