森七菜「私だけの個性が出せる作品ってどんなものだろう」『アルバム』に込めた想い

エンタメ
2022.09.04
映画やドラマのみならず、シンガーとして音楽のフィールドでも活動の幅を広げる、森七菜さん。2020年に出演した映画『ラストレター』の主題歌「カエルノウタ」の歌唱がデビューのきっかけだった。
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「当時は私が歌手としてデビューするなんて思ってなかったので、ただ驚きでした。もともと音楽は好きでしたけど、人前で歌うのは苦手で。カラオケでも、友達が歌っているのを聴いてるタイプだったので(笑)」

その後もホフディランのカバー曲「スマイル」や、YOASOBIのAyaseさんがプロデュースした「深海」を配信リリースするなど、活動を重ねていくうちに、音楽がどんどん楽しくなっていったという。今回のアルバム制作でも、自身のアイデアがふんだんに盛り込まれた。

「世の中には歌が上手い人はたくさんいるし、素敵なアルバムだってたくさんある。そんな中で私だけの個性が出せる作品ってどんなものだろうって、必死に探しながら作っていきました」

絵本作家の荒井良二さんに作詞を依頼したのも、アイデアのひとつ。軽快なサウンドで仕上がった「ロバとギターときみとぼく」は、カラフルな世界観と優しい歌声が魅力。

「荒井良二さんの絵本は、本屋さんで『すごく可愛い本がある!』と思ってたまたま手に取ったのがきっかけ。今回の制作では最初に歌詞を送ってくださったときに、荒井さんが絵本に書かれているあの文字で書いてくださって。イメージが湧きやすかったですね」

「かたつむり」では作詞・福岡晃子さん(ex.チャットモンチー)、作曲・佐藤千亜妃さんというレアなタッグも。コレサワさんの楽曲提供による「君の彼女」の制作前には、ふたりで恋愛話をしたのだとか。

「コレサワさんといえばラブソングのイメージですよね。きっとたくさんの女の子が恋をしたらこういう気持ちになるんじゃないかなっていう曲に仕上がっています」

恋する女の子の想いに共感するというより、曲中のいろんな主人公の想いに寄り添った表現は、役者としての経験が生きているという。

「私はどっちかというと、女脳というより男脳かもなって思うことが多いんです。だからLINEを送って5分以内に返信がなかったら恥ずかしくなって送信を取り消しちゃうっていう男性の話を聞いたりすると、『そういう人もいるんだ』って思います。私なんて全然、先週もらったメールを返したりしますし(笑)」

なんて意外とサバサバとした人柄をのぞかせてくれた。

「結構、気まぐれなんですよ(笑)。笑顔で楽しく過ごせる日もあるし、テンションが低い日もある。でもどんな自分にも共感できるから、日々の自分を受け入れています。自分の悩みも私生活も全て抱えて作品を感じることで、表現するときの深みになればいいなと思っているんです」

そんな森七菜さんのファースト・フルアルバム『アルバム』。このタイトルにも想いが詰まっている。

「アルバムのページをめくって写真を眺めるときみたいに、聴いてくださる方が一曲一曲にいろんなことを思い出せるような作品になればと思って。私がテレビに出ても、地元の大分では放送されないこともあったりするんですけど。今回こうしてCDをリリースできることで、サブスクに入っていないおじいちゃんにも(笑)、送ることができるから嬉しいですね」

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1st FULL AL『アルバム』。豪華アーティストによる楽曲提供と、素直な歌声がもたらす変幻自在の全10曲。【初回生産限定盤(CD+BD+フォトブック)】¥7,700 【通常盤(CD)】¥3,300(ソニーミュージック)

もり・なな 2001年8月31日生まれ、大分県出身。’16年にスカウトされ、数多くの映画やドラマに出演。シンガーとしては2020年1月に映画『ラストレター』の主題歌「カエルノウタ」でデビュー。

ワンピース¥27,500 Tシャツ¥17,600(共にメゾン マヴェリック プレゼンツ/ザ・PR TEL:03・6803・8313) パンツ¥3,298(リエディ/ネオグラフィック TEL:06・6567・9000) その他はスタイリスト私物

※『anan』2022年9月7日号より。写真・魵澤和之(まきうらオフィス) スタイリスト・甲斐修平 ヘア&メイク・足立真利子 取材、文・上野三樹

(by anan編集部)

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