急逝から30年…尾崎豊の展覧会が開催! 世代を超えて愛され続ける魅力とは

エンタメ
2022.03.20
今なお語り継がれる伝説のアーティスト、尾崎豊さんが26歳の若さで急逝してから30年。この一つの区切りを機に、尾崎とは一体どんな人間だったのか、その実像に迫る展覧会『OZAKI30 LAST STAGE 尾崎豊展』が開催される。世代を超えて愛され続ける彼の魅力とは? ファンを代表して、20代、30代、40代の編集スタッフ3名が語り合います。

座談会メンバー

編集F 40代後半。リアルタイムで聴いていた、座談会メンバー唯一の生前からのファン。推し曲は「15の夜」「はじまりさえ歌えない」。

ライターK 30代後半。CDやライブビデオをすべて所有する熱狂的ファン。今でも命日には、たびたび渋谷クロスタワーの記念碑に足を運ぶ。

編集M 20代前半。CMで偶然耳にした「I LOVE YOU」や映画『ホットロード』の主題歌だった「OH MY LITTLE GIRL」で尾崎を知る。

没後30年。尾崎豊が歩んだ道を振り返る展覧会を開催。

編集F:私が初めて尾崎を知ったのは小学生の頃。当時、毎号買ってた雑誌『平凡』についてくる別冊の歌本で、尾崎の「卒業」の歌詞にすごく衝撃を受けたんだよね。あの時、「卒業」っていうタイトルの楽曲を発表してた歌手が他に3人いたんだけど、それとは全然違う内容で。以来、ファンレターを送るくらいハマってたから、亡くなった時はそれはそれはショックで…。

ライターK:私は5歳上の姉がもともとファンで、尾崎の訃報を聞いた時の姉の取り乱した姿が今でも目に焼き付いているんです。私自身が尾崎にハマったのは、その2年後くらいにドラマ『この世の果て』の主題歌に使われていた「OH MY LITTLE GIRL」を聴いてから。まだ小学生だったんですけど、すごく心に響いて涙が出ました。

編集M:私は平成生まれなので、彼のことを詳しく知らないんですけど、CMで使われていた「I LOVE YOU」を聴いてすごく好きになりました。同世代の子でも尾崎が好きっていう人は結構多いんです。

ライターK:たしかに、アーティストやアイドルの子を取材していても、好きな歌手や影響を受けた人の名前に尾崎を挙げる人は結構多いかも。

編集M:そうなんですよ。この間も、歌番組の最強恋うた1位に「I LOVE YOU」が選ばれていましたし。だから当時、彼がどんな存在だったのか、みんながどんなところに熱狂していたのかが気になって。

編集F:デビューした当時はテレビにも出ないし、全然メジャーな存在ではなかったよ。だからこんなふうに銀座で展覧会をやるなんて当時は考えられなかったし、今でも不思議な感覚。アルバムのジャケ写もモノクロとか横顔とか、容姿がよくわからないものばっかりだったしね。かっこよすぎるから顔を出さなかったっていう話も聞いたことがある。

ライターK:たしかに、こうやって展覧会に展示される写真を見ていても、圧倒的に華がありますよね。

編集F:でも顔でファンがつくのは本意じゃないからって。当時は今みたいにネットもないし、尾崎の本当の顔を知ってるのは東京のライブハウスに行けた一部の人たちだけ。だから本当に歌だけで熱狂的な支持を集めてたってことだよね。

ライターK:私はリアルタイムじゃないにしろ、先生が竹刀を持って歩き回るくらい通っていた中学校は荒れてたし(笑)、人一倍多感な性格でもあったので、尾崎の曲の歌詞にある反抗心や鬱屈した感情みたいなものがすごくフィットしたんですよね。

編集F:不良じゃなくても、10代の頃とかはとくに、そういう感情を抱えている人は少なくないと思う。

編集M:そうですね。“誰もわかってくれない”みたいな青春期特有の感情を持っている人は、時代を問わず一定数はいると思います。

ライターK:逆に今の時代こそ、そういうことを口に出すと、“中二病”って言葉で簡単に片付けられちゃうこともあるし、響く人は多いのかも。

編集F:今は、そういうことを歌う人も他にいないんじゃない?

編集M:たしかに、今も恋愛ソングを歌う人は多いですけど、ここまでまっすぐなものはないというか…。

編集F:尾崎というと「15の夜」とか「卒業」が取り上げられやすいし、反逆のカリスマみたいに言われてるけど、ラブソングもすごくいいもんね。あと、声もすごくいいんだよな。

ライターK:私もどちらかというと、「Forget-me-not」とか「群衆の中の猫」みたいな、ラブソングをよく聴いてたかも。当時付き合ってた彼とCDウォークマンで。

編集F:イヤホンを片方ずつシェアしてでしょ?(笑)

ライターK:そうです(笑)。懐かしいな…。でもそういう恋愛ソングから感じ取れる彼のピュアさとか繊細さとかにも焦がれていた気がします。

編集M:でも本当に今聴いても古さを感じないです。だからこれからも、他のアーティストがカバーしたり、名前を挙げていくことで、後世に引き継がれていくんじゃないかなって。

ライターK:当時からのファンはもちろん、尾崎の歌は好きだけど、彼のことをよく知らないっていう若い世代の人こそ、この展覧会に足を運んでみてもらいたいですね。

生前愛用したプライベートアイテムも展示。

展示内容は、多数の直筆ノートや楽譜、ステージで使われたセットリストや手書きの歌詞カードのほか、実際に作曲に使っていたピアノやギター、ブルースハープといった愛用楽器、財布や手帳などのプライベートなアイテムも多数。さらにはパーソナルスタジオも再現される。

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Entame

歌詞や日々の想いを書きためた多数のノート ©Hiroshi Iwasaki

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初期作品の数々を書き上げた学習机

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ともに闘い、パフォーマンスを支えたギター Gibson ES‐175

未公開作品を含む100点以上のライブ写真も!

写真展示は生きていた証でもあるライブに着目。1985年の代々木オリンピックプール、1988年の東京ドーム、1991年の名古屋国際会議場センチュリーホールなどで記録された未公開作品を含む100点以上の写真を公開。

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コンサートツアーで記録されたライブ写真 1985年代々木オリンピックプール Photo by Teruhisa Tajima

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コンサートツアーで記録されたライブ写真 1988年東京ドーム Photo by Teruhisa Tajima

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『OZAKI30 LAST STAGE 尾崎豊展』 松屋銀座8階イベントスクエア 東京都中央区銀座3‐6‐1 3月23日(水)~4月4日(月)10時~20時(3/27、4/3は~19時30分。最終日は~17時。入場は閉場の30分前まで) 会期中無休 一般1500円ほか TEL:03・3567・1211 © Teruhisa Tajima, Isotope

※『anan』2022年3月23日号より。文・春山繁美

(by anan編集部)

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