人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。イラストレーター・上田三根子さんの第2回は、仕事を始める前の学生時代のお話と、売れっ子ではなかった20代のエピソードです。

人生で最初の仕事のギャラに、びっくり。

otome1

高校卒業後に入った美術学校では、週に3回通い、絵を描いていました。校長の長沢節先生が講評をしてくれるんですが、入学して最初に描いた人物水彩を先生が褒めてくれたのを、今でもよく覚えてます。入学して何年目かに、学校の紹介で、『週刊平凡』という雑誌で、“愛と性の悩み相談室”というコーナーのイラストを描きました。確か、白黒のイラストを5枚描いた。それが人生で最初の仕事でした。とはいえまだ学生でしたし、正直雑誌に載るのかもわからない、と思っていたら、本当に載り、さらに現金書留でギャランティが支払われた。恐る恐る封を開けると、その中には、当時のOLさんの月給の半分近い金額が入っていて、もうびっくり!! 5カット絵を描いただけでこんなにもらえるなんて、イラストレーターってなんて素晴らしい仕事だろう…って思ったのは事実です。でも新人の頃そんな高いギャラをいただけたのはそのときだけでしたけど(笑)。

流行と違う画風でも諦めなかった20代。

卒業後、私は絵を仕事にすることができましたが、当時は雑誌もどんどん創刊していて、新人でも、それなりに仕事はありました。イラストレーターを志す人も、今より少なかったですしね。ただ、20代の間は“描きたい絵”を描けることはほぼなかったです。当時は、写実的に描く画風“スーパーリアル”というのが人気で、私のようなカジュアルなタイプの絵は流行っていなかったんです。なので、洋裁雑誌に布の裁断図や編み物の編み目の図解、髪にカールをつける方法など、本当になんでも描きました。ただ、確かに自分の画風は流行っていなかったし、忙しくもなかったけれど、もともと私がのんきな性格だからなのか、特に不安はなく、描けることが嬉しかった。あの頃は、“今日より明日は良くなる”というような楽観的な雰囲気があったからなのかも。それと比べると、今の時代はシビアです。でも、絵を志す人には、希望を見つけて頑張ってほしいと願っています。

うえだ・みねこ 1949年生まれ、埼玉県出身。セツ・モードセミナーを卒業後、イラストレーターに。日本のファッション雑誌黎明期から雑誌にイラストを描き、その後、広告でも活躍。ライオンの薬用泡ハンドソープ「キレイキレイ」のイラストでもお馴染みです。

※『anan』2022年1月19日号より。写真・中島慶子

(by anan編集部)

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2026.4.
9
THU
  • 六曜

    ⼤安

  • 選日

    天恩⽇

⾃分の気持ちや信念と、周りの意向との落とし所を探る⽇です。今は独りで抱え込まず、得られた成果や豊かさを分かち合いましょう。運気はぐんと上昇するはず。ひとりで欲張らず、充⾜を知る精神、つまり今ある幸せを丁寧に育む余裕を持ちましょう。その慎ましい姿勢が、⼈としての安⼼感や信頼感を醸成していきます。

エンタメ

Recommend

こちらの記事もおすすめ

Today's Update
祝・全国ツアー決定! OWV、最新曲「ROCKET MODE」は「己の心にブーストをかける曲」
祝・全国ツアー決定! OWV、最新曲「ROCKET MODE」は「己の心にブーストをかける曲」
Entertainment
燃え殻「父との距離感」|anan創作連載シリーズ
燃え殻「父との距離感」|anan創作連載シリーズ
Entertainment
時代に反旗を翻せ! あの花嫁が覚醒する! 映画『ザ・ブライド!』
時代に反旗を翻せ! あの花嫁が覚醒する! 映画『ザ・ブライド!』
Entertainment
小林聡美、舞台『岸辺のアルバム』は「じつは結構笑えるところもあるのかもしれないと思っています」
小林聡美、舞台『岸辺のアルバム』は「じつは結構笑えるところもあるのかもしれないと思っています」
Entertainment

Movie

ムービー

Regulars

連載