BiSHにとって約2年1か月ぶりとなるフルアルバムであり、メジャー4thアルバム『GOiNG TO DESTRUCTiON』。どんなシーンにも定義づけられないけれど、どこから見てもクオリティが高い。そんな、今まで開拓されていなかった居場所を、楽曲と実力で作り上げ、今や屈強なライブバンドたちからも一目置かれる存在となった彼女たち。でも、やっぱり落ち着くことなく、攻め続けるんだ。今作からは、そんな今の彼女たちの意思表明と、存在意義が感じられる。

これからも攻め続ける物語! 誇り高き意思表明のニューアルバム。

BiSH

“バンドっぽい”ではなく“バンドよりバンド”な楽曲は、今作でも健在。低音や歪みの響きを抜かりなく精査したようなサウンドの中で、6人の息づかいまでもパッケージした歌が響き渡る。ライブ感、もっと言えば生きている感みたいなものが、音色の中に意識的に反映されているように聞こえてくるのだ。もちろん、そう感じられるのは、メンバー一人ひとりの歌声が生かされているから。それぞれの個性によって、歌詞の一言一句が入り込んでくる。そして、それら6つのバラバラな声が合わさった時に、小さな社会としてリアルになる。だからこそ、BiSHがやっていることは、表現ではあるけれど、偶像には見えないのだと思う。

さらに、これだけ音楽シーンの中で大きな存在になったのに、誰もが理解できるハードルの低いポップソングを作るのではなく、BiSHの戦いや悩みや、一歩を踏み出す物語を歌い続けているところも、今作では強く印象に残る。みんなおいで! とすべての窓を開け放つのではなく、この扉から入って、一つひとつの部屋を通って、すべてを見て知ってというように、ある種クローズで密な世界観が守られていると感じるのだ。

とはいえ、収録されている全14曲はバラエティに富んでいる。希望に満ちた「STACKiNG」、ストレートでパンキッシュな「ZENSHiN ZENREi」、オリエンタルな遊び心が光る「狂う狂う」など、土台が固まり、技術がついたからこそ幅広い表現ができるのだと思う。そして、アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、アユニ・Dが作詞した楽曲もある。しかし、それらすべてはBiSHの物語から、1ミリもブレていないのだ。その誇り高さのようなものに、圧倒されずにはいられない。今作からまた多くの人が、この物語を追いかけていくはずだ。

Entame

BiSH『GOiNG TO DESTRUCTiON』 破壊盤は、メンバー1名のサインが入った“破壊仕様”。8月4日発売。【初回生産限定盤(CD+BD+PHOTOBOOK)】¥11,000 【破壊盤(CD)】¥3,300 【DVD盤(CD+DVD)】¥6,380 【CD盤(CD)】¥3,300(avex trax)

※『anan』2021年8月4日号より。文・高橋美穂

(by anan編集部)

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