誰もが手探り状態で始めたオンラインでのコミュニケーションが約1年経ち、過渡期を迎えている。
「コロナ禍が長期化し、対面で会うことがますます貴重なものとなった今、気軽にできるオンラインでのやり取りは、私たちの生活になくてはならないものです」
と話すのは、人材育成コンサルタントの片桐あいさん。しかし、対面よりも情報量が少なく、意思疎通の難しさや関係の深まりにくさを感じる人も多いよう。
「オンラインは場の空気を読み取りづらい一方で、意識的に良い雰囲気を作り出すことができるという利点があります。カメラやマイクを駆使して、対話の技術を磨けば、相手の記憶に残りやすくなり、印象が一気にアップします」
また、話しやすい空気を作るために、事前にオンライン会議のルールを決めたり、自己紹介の文面を作っておくのも手。オンラインコミュニケーションの質を高めて、次のチャンスに繋げよう!
オンライン会議の基本ルール
1、事前に会議の目的とルールをメンバーに連絡。
なぜ会議を開催するのか、具体的な目的を全員が共有しておくことがいちばん大切。また「カメラはオンにする」「発言はひとり3分まで」など、ルールはあらかじめ決めておこう。
2、最初の5分間は、声出し、確認タイム。
ログイン時に音声具合のチェックを兼ねて、緊張をほぐす。最初に話すきっかけを全員に与えることで、発言に対するハードルが下がり、積極的に参加してくれるようになる。
3、メンバーはホストに電話番号など複数の連絡先を伝える。
回線やシステムの不具合で繋がらない場合を想定して、ネット環境が悪くても繋がる連絡先を伝えておくこと。遅刻は迷惑をかけるだけでなく、会議自体をダレさせる原因に。
4、ホスト(ファシリテーター)を決めておく。
メンバーに意見を促したり、決議をとったり、会議をスムーズに進める進行役は必要不可欠。さらに大人数で意見を交わす時は、時間配分の管理をするタイムキーパーがいると安心。
オンライン自己紹介のコツ
自己紹介スライドを作っておく。
自己開示して興味を持ってもらうために、A4用紙1枚くらいの自己紹介スライドを用意し、画面共有する。
1/4はプライベートの内容を入れる。
ビジネスのオンライン会議だとしても、プライベートの項目を入れることで、親しみを持たれやすくなる。
背景画像を利用する。
背景は個性を表現する格好の手段。3枚くらい用意しておき、参加メンバーやTPOに合わせて使い分けを。
片桐あいさん 人材育成コンサルタント、産業カウンセラー。『オンラインコミュニケーション35の魔法』『これからのテレワーク』(共に自由国民社)など、著書多数。
※『anan』2021年4月21日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)