意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東日本大震災から10年」です。

震災に終わりなし。この先も風化させてはならない。

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東日本大震災から10年が経ちます。福島第一原発事故により帰宅困難区域に指定されていたところも、2023年までに全面解除・帰還を目指すことになりました。大きな被害にあった南相馬市と浪江町では、ロボット開発をする企業が誘致されたり、浪江町では民間の新しい電力会社も太陽光エネルギーの拠点として立ち上がるなど、新しい街づくりが進んでいます。

復興の明るいニュースがある一方で、故郷を追われ、いまなお避難生活を強いられている方が東北だけで3600人おられます。石巻では復興計画が進まないまま、移動困難な地域に住む高齢者が孤独死するケースが増えています。長引く避難生活でコミュニティを再生できず、日常を取り戻せないまま亡くなってしまう。共同通信によると、避難を余儀なくされた福島県の7町村で、震災関連死と認定された人は、1月現在、それぞれ人口の1%以上にのぼることが判明しました。災害で亡くなった直接死よりも、震災関連死のほうが多く、これまでに2313人が亡くなり、その9割が南相馬市など避難指示区域に設定された市町村でした。原発事故で故郷を失い、住まいを転々とする避難生活が心身にダメージを与えたことが顕著になっています。

自殺者数も被災3県(岩手、宮城、福島)のなかで福島県が最も多く118人。なかでも男性が多く、働く場や生活を根こそぎ奪われてしまったことが要因と考えられます。生業を奪われた人々が、国と東電相手に訴訟(生業訴訟)を起こし、昨年9月に仙台高裁では勝訴しました。しかし、この10年の間に100人以上の方が亡くなり、原告の数は年々減ってしまっています。

震災から10年。復興庁は継続しますが、様々な支援は次第に打ち切られます。世間的に忘れられていくなかで、いまだに十分な補償ももらえず国とも争わなければならない。地域のコミュニティは分断され、疎外感を抱きながら暮らす人々。一概に「東北では」「福島では」と大きな主語では語れません。今年2月、福島県沖で再び大きな地震が起きました。読者の方々には、現地を訪れるなど、ぜひ今後も東北と関わり続けてほしいなと思います。

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堀 潤 ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『モーニングCROSS』(TOKYO MX 平日7:00~8:00)にメインキャスターとして出演中。

※『anan』2021年3月17日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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東日本大震災から10年 続く避難生活、打ち切られる支援…被災地のリアル | anan