何気なく交わしている人との会話。どんな言葉を返すかで、その場の空気も相手との関係性も変わってくる。良い連鎖を生み出す言葉とその紡ぎ方について心がけたいエッセンスをお届けします!

相手の心に寄り添うには求める言葉を探ること。

「話し方や言葉の選び方を少し変えるだけで、相手を幸せにしたり救ったり、いい影響を与えることができます」と話すのは、ビジネスコンサルタントの和田裕美さん。まず基本となるのが、相手の話をよく聞いて共感すること。

「どんな人も自分の話を聞き流されたり、相手が一方的に話すばかりでは、孤独を感じて寂しくなります。特に女性は『同じ気持ち』を求める傾向が強いので、自分という存在を受け入れてもらうために、共感はとても大事です」

とはいえ、ただ頷いて同調の相槌を打つだけで心を動かすまでには至らない。そこから、相手の立場や思いを酌み、「求めるもの」を読み解くことで、心に響く言葉を紡げるようになるという。

「大切なのは、『相手のため』を考えること。この大前提を忘れなければ、話が少しくらい下手でも必ず心をポジティブに動かすことができます。あなたと会話することにより、ハッピーな気持ちになれれば、あなたの言葉はどんどん浸透しやすくなるのです」

人の心に寄り添うために必要な振る舞いやポジティブワードの使い方を身につけて、言葉で人を幸せにできる大人を目指そう!

相手に寄り添う心得、9か条。

目の前の相手をリラックスさせる気配りが、心の距離を縮める鍵に。この9か条を心がけてポジティブオーラを身につけよう。

【1】相手の名前を呼ぶ。

Trable

コミュニケーションにおいて名前を呼ぶ効果は、思いのほか大きい。相手を大切にする気持ちの表れであり、存在を肯定することにもつながる。

「『○○さん、お久しぶりです』のように、挨拶に名前を添えるだけでも、相手は尊重されている気持ちになり、ささやかな幸福感を覚えるはずです。親しみを込めて名前を呼びましょう」

【2】去り際はハッピーな続きを含ませて。

久しぶりに会った友達や仕事で関わった社外の人など、毎日会う間柄ではない人に対しては、帰り際で「次」を感じさせる挨拶で好意を伝えよう。

「『またいつか』だと、悪気はなくても相手は寂しい気持ちに。『今度○○に行こう』や『次の機会には~~』など、具体的な提案込みで締めくくると、嬉しい余韻がしばらく残ります」

【3】ボディアクション&笑顔で会話をもっと楽しく。

どんなに話を聞いてくれても、本音や感情がわかりにくい人には心を開きにくいもの。昨今はマスクで表情が読み取りづらいからこそ、身振りや表情を豊かにして相手が話しやすい空気づくりを。

「『わかる~』と相手に手を伸ばしたり、愉快な話題のときには積極的に笑いかけることで会話が盛り上がり、楽しい雰囲気が高まります」

【4】マイナスの自己開示を明るく。

誰かに親しみがわくのはその人の人間的な面を知ったとき。自分の欠点や悩みを明かすことで、相手は心理的にホッとするのと同時に、共感や親近感を持ちやすくなる。

「『私、○○なんですよ~』のように、明るく言うのがポイント。マイナスの話を真面目にすると空気が重くなり、気を遣わせて逆効果です」

【5】緊張をほぐす、雑談を。

初対面やそれほど親しくない人と二人で話すときに、いきなり本題から入るのはNG。オチのない雑談をして、まずお互いの緊張をほぐしてから。

「雑談は、返事に悩むことや意見がぶつかることが起こりにくい天気の話で十分。共感から距離が縮まって打ち解けやすいです。シーンとすると話しづらくなるので、ためらわず話しかけて」

【6】“共感だけ”で終わらせない。

共感はコミュニケーションの基本。そこから一歩進んで自分の意見を言ったり質問して掘り下げたりすると、会話がさらに深いものに。

「『そうですよね~』だけだと話はどうしても表面的になります。興味を持てない話題のときは質問で『なぜそれに関心を?』『魅力は?』と会話をつなげていけば、無理に共感するより好印象」

【7】相手のために、空気を読む。

人は笑ってほしい、励まされたいなど、心の中で求める何かがある。空気を読み、相手の欲求が理解できれば、かけるべき言葉がわかってくる。

「空気を読むとは、本音が漏れやすい表情や態度、その場の状況や相手の性格などを考慮して判断することです。言葉はいくらでも繕えるので非言語の情報から、相手の本当の思いを探りましょう」

【8】相手とリズムを合わせる。

話す速度を合わせると会話のラリーは気持ちよく続く。急かしたりせず、相手が心地よくなれる空気をつくろう。

「会話のテンポが自分と違う人は無意識に話しづらさを感じてしまいます。相手と呼吸を合わせるイメージで会話のペースを調整しましょう。さりげなく相手をリラックスさせる心配りです」

【9】見返りを求めない。

ビジネスでもプライベートでも、「こうしてほしい」という狙いがあって接していると、言葉の端々からそういった思いが透けて見えるもの。

「見返りを期待するのは、相手に寄り添っていない証拠です。本心から相手のためを思って話せば、それは必ず伝わり、結果的に信頼を得て、良好な関係が築けます」

和田裕美さん 外資系企業で世界2位の営業実績を収め、ビジネスコンサルタントに。これまでの経験を生かしたビジネス書を多数出版。著書に『人の心を動かす話し方』(廣済堂出版)など。

※『anan』2020年9月23日号より。イラスト・カラシソエル 取材、文・熊坂麻美

(by anan編集部)

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