夏の睡眠で溜まった疲れは今、リセット!
連日の熱帯夜で眠れず、日照時間が長い分、睡眠時間が短くなるなど、睡眠の問題が頻発する夏。
「睡眠は、量と質から考えることが大切ですが、この時期は量を確保しづらく、質も落ちがちです。9月に入ると、真夏並みに暑い夜もあれば、肌寒いこともあり、寒暖差が激しくなります。季節の変化に対応できるように、夏に起きた睡眠問題は今のうちに解決し、ぐっすり眠れる秋を迎えて」
と睡眠コンサルタントの友野なおさんは、夏と秋の変わり目で、夏に溜まった疲れを取る重要性を強調する。
「量は、米国国立睡眠財団によると7~9時間が適切で、質は、朝、熟睡感があってスッキリ起きられるかどうかで判断を。今年は、新型コロナが睡眠に及ぼす影響も考える必要があります。働き方や生活様式が激変し、睡眠リズムも乱れがちな上、将来への不安などによって不眠に悩む方も増加傾向にありますので、ぜひ、自分の睡眠習慣や環境を見直してください」
見直すべきは…「冷房」問題
“一晩中つけっぱなし”を基準に、寝具で調整を。
まだまだ暑さが残る秋口。冷房をタイマー設定にすると、途中で起きてしまう…。「以前は、『睡眠中の冷房はタイマー設定に』が定番でしたが、これほどまでに暑くなった今は『一晩中つけっぱなしでOK 』とアドバイスしています。人は、室温が28度を超えると寝苦しさを感じることがわかっていますので、27度を目安に、自分にとって最適な室温を探ってください。快適な湿度は、50~55%。ベッドの高さに温湿度計を置いてチェックしてみて。つけっぱなしだと寒すぎる人は、室温を調節するのではなく、ブランケットなど軽い寝具を1枚、寒さを感じたらすぐに掛けられるように足元に用意しておきましょう」
POINT
- 冷房はタイマーではなく、一晩中つけっぱなしが新常識。
- 室温よりもブランケットなど“プラス1枚”で調整を。
見直すべきは…「活動量不足」問題
就寝時刻の19時間後を狙って、自宅でも運動して体温をUP!
コロナ禍で生活リズムが崩れ、睡眠に影響が出ている人も少なくない。「まずは、起床時刻は一定に保ちましょう。出勤時間のない在宅勤務と出勤する日との差や、平日と休日との差は2時間以内にとどめてください。また、肉体的な疲れを感じないと、寝つきは悪くなります。今は外出が減り、どうしても活動量が減りがちですが、エクササイズ動画などを利用して、家でも意識的にカラダを動かして。特に、就寝時刻の19時間後、つまり0時に寝るなら19時が、一日で最も体温が高まり運動に最適な時間帯。ここで体温を上げれば、就寝時刻に向けて体温が下降しやすくなり、カラダが寝る準備にスムーズに入れます」
POINT
- 良質な睡眠には、カラダを疲れさせる必要アリ。
- 運動で体温を上昇させると、睡眠に入りやすい。
友野なおさん 睡眠コンサルタント。日本睡眠学会、日本睡眠環境学会正会員。著書に『眠れないあなたを救う 睡眠ファースト』(主婦の友社)など。
※『anan』2020年9月9日号より。写真・中島慶子 イラスト・小迎裕美子 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)