“だまし”の年を実感し、身の引き締まる思いをしませんでしたか?
華やかに見えて“だまし”がいっぱい。まずは自分の一年を振り返って。
2019年、日本は平成から令和へと元号が変わりました。御代替わりに伴うさまざまな行事があるなど、一見すると華やかな年に思えたかもしれません。しかし、事件や事故、そして地震や水害といった天災も多く、けっして手放しで喜べるような年ではなかったはずです。それまで当たり前だと思っていた日常が、ガラリと変わってしまう現実を目の当たりにし、身の引き締まる思いをした年だったのではないでしょうか。私は2019年を表す言葉として“だまし”を挙げました。そして「ぼんやり何も考えずに生きていると、世の中の浮かれ気分に迂闊に乗ってしまいがち」「表と裏のギャップに気づかず簡単にだまされる」と注意を促しました。さらに生き抜くために大切な資本となる自分の体を健やかに整えることや、食に対する意識を高める重要性についてもお話ししました。さて、あなたは地に足をつけて堅実に暮らしていましたか? 目の前の出来事を冷静に分析し、その本質について考えていたでしょうか? うわべだけの情報にとらわれていませんでしたか? まずは自分が2019年をどう過ごしたのかを振り返ってみてください。そして謙虚に反省し、これからの糧にしましょう。
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オリンピックの開催地変更や環境問題も、実は自分事です。
2019年が“だまし”の年だったことは一目瞭然です。印象深いのは2020年開催の東京オリンピックにおける、マラソン・競歩の開催地が札幌に変更されたことでしょう。このことを聞いて、“だまし”の気配を感じ取った人も多かったのではないでしょうか? 事の良しあしはさておき、“だまされた”という感情が世に充満しました。
また、消費税が8%から10%に上げられ、それに伴ってキャッシュレス決済によるポイント還元制度が導入されました。しかし想定よりも利用額が増えて財源不足となり追加予算が組まれるというドタバタぶり。しかもポイント還元は2020年6月までの期間限定。結局、ポイント還元って何? 増税はなんのために行われたの? そうした疑問はぼんやり残ったままともいえます。
とはいえ、そこで国民が“だまされた”と思うのは自己憐憫。また、オリンピックや増税をただのニュースとしてスルーするのはもったいないこと。スピリチュアルな視点では、見聞きすることすべては、自分にとって意味のあるメッセージ。公になって知ることができたこれらの問題も、自分に関わることとして考えるきっかけにしましょう。
“だまし”の年に学んだことを2020年に活かしていこう。
多くの人はテレビや新聞などでの報道が減ったり、別のニュースが話題になると、問題が解決する前にその話題を忘れてしまいます。これもひとつの“だまし”といえるかもしれません。残念ながら2019年は、何度も災害に見舞われた地域もありました。日本は地震の多い国ですし、温暖化の影響によって大雨や台風の被害が増えている昨今の状況を考えると、大事なのは常に備えること以外にありません。「まさか自分が」と思うのは、厳しいようですが傲慢さの表れです。これまでに起こった災害を見ても「うちには災害はこない」と言い切れる人などいないでしょう。ノートルダム大聖堂や首里城の火災は、防火対策の重要性を教えてくれました。誰もがいざというときのことを考える必要があるのだと。自宅や職場の防災や安全管理は大丈夫だろうか。避難訓練を怠ってはいないだろうか。そうやって自分事としてつなげれば、日常に潜む気の緩みをなくせます。2019年が終わっても、“だまし”の年が急に切り替わるわけではありません。グラデーションのようになだらかに続く“だまし”は、まだ私たちのまわりにあります。でも、もうだまされないよう備える心を育んでいけるはずです。
えはら・ひろゆき スピリチュアリスト、オペラ歌手。常に時代を見据え、時に厳しくも愛に満ちた言葉でメッセージを伝える。『極・お祓い箱』(小社刊)が好評発売中。最新情報は、公式HP(https://www.ehara-hiroyuki.com)へ。
※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小川朋央 ヘア&メイク・渡辺和代(HairMake W ’s) イラスト・いわがみ綾子 文・やしまみき
(by anan編集部)