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「既読スルーで放置されても…」人間関係を豊かにする“待つ”技術とは?

2019.11.7
人との出会い方が多様化し、どんどんつながりを増やせる時代。だからこそ大切にしたいのが“絆を感じられる相手”。今の人間関係を見つめ直し、相手との絆が深まるつながり方のヒントをご紹介します!

“絆”がなくては、人は生きていけない!?

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心理カウンセラーとして、よりよい人間関係を築く支援をしている渡邊奈都子さんによると、絆という言葉がポジティブな意味で使われるようになったのは、割と最近のことなのだそう。

「“絆”の語源を辿ると、家畜やペットを紐でつないでおく、という意味もあります。今のように、“人と人を結ぶ分かち難いつながり”としてよく耳にするようになったのは、最近のことなんです。特に2011年の東日本大震災のあと、絆を大切に考える人が増えたと感じます」

未曽有の大災害を経験したあと、“独りでは生きていけない”と感じて結婚する人が増加したという見方も。「震災婚」という言葉がメディアを賑わせたこともあった。

「人が幸せに生きていくためには良質なつながりが必要です。ある調査によると、人と社会とのつながりは、単にタバコを吸わない、運動をしている、お酒を飲まないことよりも、長寿に影響すると報告されています」

寿命まで左右するという、人との絆。一体どうやって手に入れればよいのだろうか。

「心理の面から絆が深まることに関係する5つの要素を紹介します。どれも人を大切に思う気持ちの表れといえるもの。これらを双方向で実践することができる相手とは絆を感じやすいはず。まずは、自分がこれらを実践できていると思う相手を思い浮かべてみてください。5つ全てが揃わない相手でも、歩み寄る気持ちがあれば、これから絆を強くすることも可能です」

5つの要素で深める、相手との絆。

当たり前のようでいて実は奥深いのが、下記の5つの行動パターン。自分からこの5つができて、相手も同じように返してくれる。そんな人こそが、絆のある相手。

【1】理解を示す

ただ同調するのではなく相手の思いを受け入れる。
相手に理解を示すというと一見簡単そうだけど、実は勘違いしている人が多いと渡邊さん。「理解を示すことと同調することを混同している人が多いです。たとえば今日イヤなことがあったと話す人に“それはイヤだね”と同じ気持ちであることをアピールするのはただの同調。“そっかー、イヤだったんだね”と相手の気持ちを受け入れることが共感的理解であり、相手を受け入れることです」。また、何にでも同調するのはむしろ危険とも。「常に共感しようと必要以上に意識していると人間関係に疲れてしまったり、または“あなたが私と同じ気持ちになれるはずがない”と怒りだす人もいるかも。人は気持ちを受け入れてもらえることで満足して、落ち着くものなんです」

【2】励ます

元気づけることだけが、励ましではない。
励ますというと、落ち込んでいるときになんとか元気づけたり、優しい言葉をかけることをイメージしがち。だけど本来の励ましとは、単に「がんばれ!」「大丈夫?」と声をかけるだけではなさそう。「恋愛でくじけそうになったときに、ただ黙って話を聞いてくれることや、仕事に失敗したとき『あなたががんばっていること、私は知ってるよ』と寄り添ってくれる姿勢に励まされたことがある人は多いでしょう」。また逆に、新しく踏み出した恋愛が上手くいっているとき、または資格試験のために勉強を始めたときなどに応援することも“励ます”。「よいときも悪いときも、自分の味方でいてくれると感じられる関係こそ、絆を感じられる相手であるといえるでしょう」。

【3】待つ

久しぶりでも変わらない安心感のある関係性。
ここで表現したいのは、待ち合わせで遅れてきたときに待ってあげるというよりも、もっと精神的な意味での“待つ”。「既読スルーで放置されても“何か取り込み中なのかも”と相手を思いやり、答えを急かさず待ってあげることができるか。あるいは年中コンタクトをとっているわけではないけど、会えばいつもと同じように付き合える。絆のあるつながりって、頻度の問題ではないんですよね。忙しい現代において、ちょこちょこ連絡を取るのってけっこうしんどいじゃないですか。久しぶりの連絡でも快く受け入れてくれるし、受け入れられる。田舎の両親と上京した娘みたいな、いつも一緒にいなくても信頼できている間柄にこそ、絆があるんだと思います」

【4】大切なものを否定しない

お互いの価値観を衝突させずに交渉する。
人は、好きなものを否定されると、否定してきた相手を嫌いになってしまう。「人間はひとりひとり異なる価値観を持っているから、ぶつかるのもよくあること。でもそこで、相手の価値観を否定するのはNGです。たとえばルームメイトが自分の嫌いな音楽を好んで聴いているなら“その音楽嫌いだから消して”ではなく“ヘッドホンで聴いてほしい”とか“私のいない時間帯だけにして”など交渉してみることが重要です。受け入れてくれるかどうかは、今まで培ってきた関係性にかかっています。交渉とは、互いに相手を尊重しているからこそできることで、自分の主張を言い募るばかりでは成り立たないものです。真の信頼関係が試される場面といえるかもしれません」

【5】いい話題に関心を寄せる

愚痴を言い合うよりも嬉しい話ができる相手。
“いい話題”とは、相手にとって喜ばしいニュースのこと。「辛そうなときに優しくする、というのは比較的しやすいですが、相手によいことがあったとき、一緒になって本気で喜ぶのって、実はなかなか難しいんですね。たとえばお互い婚活をがんばっていた友達の結婚が決まったとき、心からおめでとうと言えるでしょうか? 笑顔を作りながらも内心複雑だったり。“よかったね、でも私もこんな男性に出会ったの”と自分の話にすりかえて水を差す、いわば“喜び泥棒”のようなことをしてしまったり。相手の吉事を自分のことのように喜べるのは、利益を考えずに付き合える相手とだけ」。嬉しいことを一緒に喜び合える関係では、絆が深まっていくのを感じるはず。

渡邊奈都子さん 公認心理師、ウェルビーイング心理教育アカデミー代表理事。「大切な人間関係の維持と回復」のためにカウンセリングを行う。12月には、よりよい関係構築のためのセミナーを開催予定。イベントの詳細は、渡邊さんのブログをチェック。

※『anan』2019年11月13日号より。イラスト・林田秀一 取材、文・風間裕美子

(by anan編集部)

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