かっこいいミュージシャンだって家に帰れば子煩悩なお父ちゃん。
「いわゆるフリーでやってるミュージシャンなので、安定収入じゃない。そのぶん家族も安心できないところがあるだろうし、家庭での役立ち方っていうのが、自分のなかで大事だったりするんですよね」
人を見かけで判断してはいけないのは重々承知だが、辮髪(べんぱつ)・ヒゲ・丸メガネという個性的なルックスで、甲斐甲斐しくオムツを替えたり、子どもたちにキョヒられてしょんぼりする姿が何ともいえず、お父ちゃんを応援せずにはいられないのだ。
「外で笑い話にしているぶんには気づかないような嫁さんの視点が、マンガを描くことで見えるようになったのは、本当によかったこと。『あれやっておいて』って言われると面倒に思いがちだけど、マンガに生かせるって考えると、子育ても家事も能動的になれるんですよね」
家族構成は、きれい好きなお母ちゃん、社交的な8歳の長女、独りが大好きな4歳の長男、よく笑う1歳の次男。それぞれキャラが立っていながら、子育ての“あるある”がちりばめられているのがいい。そんなケイタイモさんの子煩悩ぶりからは信じられないのだが、父親になる以前は子ども自体が苦手だったそう。
「突然父性が目覚めるあの感覚は、理屈じゃないんですよね。最近、自分のことは二の次で、鏡すらあまり見ないようになって。音楽をやってる人間なんだから、自分のこともある程度かわいいと思っておかないとダメだなって反省しました(笑)」
そしてもうひとつ、信じられないことが。ケイタイモさんはイラストレーターでもあるのだが、マンガを描くのは本作が初めてだそう。
「作曲もするのですが、コマの構成やバランスはリズムを大事にしてます。そういう意味でマンガと音楽は、似てるところがあるのかも」
マンガを描き始めて、期待以上に世界が広がっている実感もあり、子どもの成長とともに描けるところまで描き続けたい、と目標も大きい。
「ネガティブなことはほとんど描いてこなかったのですが、子育てをしていればいろんな問題があるわけで。そういうリアリティも、いずれポップに提示できたらいいですね」
ケイタイモ ミュージシャン。過去にBEATCRUSADERS、現在はWUJA BIN BIN、ikanimoなどのメンバー。イラストレーターとしても活躍。本作はInstagram(@k_e_i_t_a_i_m_o)で毎日更新中。
『家も頑張れお父ちゃん!』 しっかり者の長女に諭されたり、マイペースな長男&次男に振り回されたり。ときに子ども以上に無邪気なお父ちゃんによる、エッセイ。家族って楽しい! 文藝春秋 1200円 ©ケイタイモ/文藝春秋
※『anan』2019年9月18日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子
(by anan編集部)
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