豚の血を使った“絶滅危惧種”パスタ 気になるそのお味は?

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2017.11.27
レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回は『DA OLMO (ダ オルモ)』の豚の血のタリアテッレ グラウケーゼ添えです。
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血のパスタと聞いてちょっと引いたあなた。どうか驚かずに食べてみて。もともと動物は人間にとって貴重な栄養源で、血液もそのひとつ。一般には“食材”としてカウントされにくいが、血液を食材とする食文化を持つ国や地域だってちゃんとある。日本では沖縄。チーイリチャーという「血の炒め煮」は家庭でも作られる肉と野菜の炒め物。韓国では「スンデ」といって、豚の腸にもち米や野菜、春雨、そして豚の血を入れて蒸して食べる。フランスの「ブーダン・ノワール」、ドイツにも「ブルートヴルスト」(文字通り血のソーセージ)がある。

そしてイタリアでは、パスタになって登場する。北の郷土料理がお得意な神谷町『ダ オルモ』の北村征博シェフの最新作は、この春、北イタリアに行って出合った「豚の血のタリアテッレ グラウケーゼ(チーズのこと)添え」。現地でも出しているところは少なく、“絶滅危惧種”のパスタだ。だが、北村シェフにとっては北イタリアらしい力強いパスタの“発見”。帰国してさっそく再現に取り組んだ。

ゆであがったパスタの上に、溶かしバターとチーズ、そして細かくカットしたシブレットをかけて提供する(パスタには沖縄の島豚の血を使用)。肝心のパスタはどんな味か? 酸味や生臭さはなく、コクが感じられる。食べ終えると、イタリア的血中濃度が高まる気がするのは私だけ?

DA OLMO 東京都港区虎ノ門5‐3‐9 ゼルコーパ5-101 TEL:03・6432・4073  11:30~14:00LO(火~金曜のみ)、18:00~23:00 日・祝日休

タリアテッレは、手打ちパスタ。毎日打っているが、豚の血のタリアテッレを注文する場合は予約の際、確認のこと。ランチでもディナーでも食べることができる。¥2,400

いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。

※『anan』2017年11月29日号より。写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子

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