座りっぱなしで肩こりが酷い…! 「肩や首のコリを和らげる」簡単な方法 #107

文・大久保愛 — 2021.5.5
在宅ワークが増えて運動量が減り、肩こりや首の痛みなどの不調に悩む人が多いよう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、肩や首のコリを緩和する簡単な方法をお伝えします!

肩こりが酷くなっていませんか。

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 107


2021年のGW連休はいかがでしたか? ここ1年連休といえば、レジャーではなくステイホームが定番となってきましたよね。インドア生活を楽しむことにも慣れ、動画を見たり、ゲームなどをしてのんびりと過ごす人も多いと思います。

ただ、意識しなければ体を動かす機会はめっきり減ってしまいますね。座りっぱなしで同じ姿勢でいる時間が増え、1日の歩数も最小限にとどまってしまう人は、そろそろ肩こりや首こりを感じ始めているかもしれません。それが悪化すると頭痛になったり、呼吸が浅くなったりしてしまいます。そこで、今週はGWの運動不足で凝り固まった首や肩のコリをほぐす食薬習慣を紹介します。

今週は、肩こり、首こりのための食薬習慣

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いまは新緑が爽やかな季節で1年で最も過ごしやすいと言われています。ですが、緊急事態宣言が続くエリアもあり過ごしやすいとは言い難い毎日ですね。外に出て深呼吸したくともマスクを手放すことができず、呼吸は浅くなり姿勢は悪くなります。外出も規制され運動量は減ります。そうすると当然血流は悪くなり肩こりや首こりは悪化していくことになります。

また、ストレスから体に力が入りやすくなり、コリをよりひどく感じることもあるかもしれません。これを漢方では、「気血」の巡りが悪い状態であると考えます。そこで、今週は「気血」の巡りを改善する食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは【アボカドとレモンのサラダ】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:アボカドとレモンのサラダ】

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刻んだアボカドとトマトにたっぷりのレモン汁と鰹節と醤油をかけて作るサラダがおすすめです。ケール、ルッコラ、ブロッコリーなどアブラナ科の野菜と組み合わせると「肝」の働きを支えるため、より春の不調の改善に効果的です。

アボカド

アボカドには「血」の巡りを改善するビタミンEが多く含まれるため肩こりや首コリの緩和にも役立ちます。また、ビタミンB群も多く含むため筋肉疲労の改善にも役立ちます。また腸の働きを改善する食物繊維と解毒の臓器を助けるグルタチオンが含まれるため体に溜まる老廃物の排泄も促します。

レモン

レモンに含まれる香り成分であるリモネンには、「気」の巡りを改善し体をリラックスさせる働きがあります。そのため、緊張やイライラによって体に力が入りコリを感じている時の改善にも役立ちます。

アボカドは、栄養価が高いことでギネスに載っているほどです。ですが、カロリーも少し高いので、1日に半分くらいを目安に食べましょう。ほかにも巡りを整えるレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一か月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

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『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。


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