ポイントはたった1つ…! 男性がガチ惚れする「彼への世話の焼き方」 #121

文・おおしまりえ — 2021.5.20
彼ってこうしたらもっと良くなるのに。付き合っていると、相手のことをそんな風に思う瞬間は誰しもあると思います。気になった気持ちを行動に移す献身的な女性も多いですが、彼のケアを行動に移すとき、絶対に意識してほしいことがひとつあります。これを外すと、どんなに相手のためになったとしても、最悪、恋愛関係が壊れてしまうことがあるんです。

彼氏を育成! うまくいっても恋愛がダメになる理由

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【おおしまりえの恋愛道場】vol. 121


彼のことが大好きだから、もっと彼のためになにかしたい。

そんな気持ちから、仕事や生活面のサポートをしてあげる女性って多いと思います。でも、どんなに相手の成長や成果につながる手助けをしたとしても、“あるコト”を忘れて尽くしてしまうと、結果として彼との関係がダメになることもあります。

では、そのあるコトって、いったい何でしょうか。今日は彼氏をサポートしてあげる前に必ず押さえたいポイントを、実例も踏まえながら解説します。

彼が気づかなくてはいけないたった1つのこと

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彼女が彼に尽くす前にしなくてはいけないこと。いきなり答えを言うと、それは彼自身が「必要性を自分が感じている」という自覚を持つことです。

なぜこの自覚が大事なのかというと、男女に関係なく人というのは不思議なもので、困りごとを自分が自覚する前に他者から手を差し伸べられて助けられると、結果として助かったとしても、その人に感謝の気持ちを抱きにくい性質があります。

なんて冷たい人…と思うかもしれませんが、助けられた当人の心はまだ、「自分は困ってない」という感覚なので、そのタイミングで誰かが助けてくれた場合、「あ、ラッキー」くらいにしか思えないのです。

筆者はこれを「風邪薬は、風邪気味に見える人には渡してはいけない。『自分は風邪だから困っている』と言われたら、初めて渡してあげるものだ」といつも例えています。

恋愛の話にこれを当てはめるなら、彼が困っていそうなことを彼女が先回りしてフォローしてあげると、彼は「よく気がきくなあ」「ありがたいなあ」くらいにしか思わないかもしれません。

だから彼女としては、きちんと彼が「俺、どうしよう」と自覚しヘルプを発信するまで待つか、困っていることを自覚させるのを促すのがおすすめ。そうして初めて「じゃあ私が……」と、フォローするくらいがいいのです。

ダサ彼氏の改造を買って出てフラれた彼女

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では、実際彼にこの自覚があるなしで恋愛関係がどう変化するのか、筆者が過去に聞いた事例をもとにご紹介します。

最初は、彼の自覚なく困りごとをサポートした結果、破局を迎えたA子さんの事例です。彼女が付き合っていたのは、3歳年下の独立したての彼。A子と付き合った当時、彼は会社をやめてフリーランスとして独立したばかりで、A子から見ると仕事はいっぱいいっぱいだったそうです。

だからこそ、A子は彼のために何ができるかな…と考え、デートのスケジュールを彼に合わせてみたり、独立したての彼の懐事情を心配して家デートを提案してみたりと、献身的に寄り添っていたそうです。筆者も驚いたのは、A子は彼のビジネスの役に立ちそうな情報を、毎日せっせとピックして彼に共有していたそうです。A子は仕事のデキる女だったんですね。

そんな彼女の支えもあり、彼の仕事もだんだんと伸びていったそうですが、なんとその過程で彼は浮気をしたんです! こうして2人は、あっけなく別れてしまったそうです。

面白いのは別れた後です。彼女のサポートを受けられなくなった彼はその後、仕事でスランプを迎え、大事な案件を失ったのだそうです。廃業とまではいきませんが、仕事でかなり苦労したそうで、初めてこのとき彼女のありがたさに気づいたといいます(遅いっ)。そして、彼はA子に復縁をお願いしたそうですが、A子には既に別の恋人がいたため復縁は未達成に終わったのでした。

はたから見ると、彼はA子という彼女のすごさをもっと早くに気づけたら良かったのですが、当時の彼としては、「自分は困っていたわけでもないのに」といった気持ちだったのでしょう。A子がせっせと頼んでもいないけど尽くしてくれている、といった認識だったようです。何なら、口うるさいくらいに思っていたかもしれません。

上司と部下といったビジネス関係であればそれでも良いのですが、彼氏彼女の関係で考えると、やっぱり一方的なサポートはいい関係とは言えません。尽くすなら、きちんと困っていることを本人が自覚するまで待つor自覚を促すこと。覚えておきたい話ですね。

ダサい俺を変えてくれ!! 宣言させた彼女

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続いてはファッションセンスを叩き直してあげたB子さんの話です。彼女はもともとアパレル勤めをしていたこともあり、ファッションセンスには定評がありました。そんな彼女が付き合った男性はエンジニアでお世辞にも格好いいとは言えない男性でした。

彼女も彼の見た目を散々気にしてはいたものの、さすがにダメ出しを勝手にしても失礼だし意味がないと思い、お買い物に出かけては「こういう体型にはこういう形が似合う」とか「◯◯くんは髪型はこういうのも似合いそうだけどね〜」と、さりげなく情報を仕込んでいたそうです。

するとある時、彼は結婚式の二次会に出ることが決まり、洋服のチョイスを彼女に依頼してきたそうです。彼女はチャンスとばかり彼の要望を丁寧に聞き、彼にとって何が似合うかを一緒に考えアドバイスしたそうです。その結果、彼は「やっぱりB子のセンスに任せてると間違いない」という信頼感を抱くようになり、それ以来服を買うときや髪の毛を切るときは彼女の意見を必ず聞くようになったとか。

彼は現在、周りからは清潔感のあるオシャレな男性というイメージを抱かれることも多いといい、センスを褒められると「妻の改造が…」と、当時を振り返って語るそうです。そう、彼は彼女のサポートに感謝し、その後結婚を決めたそうです。

成功と失敗の事例をそれぞれご紹介しました。なんとなくの流れの中で、彼のケアをしてしまう女性って多いと思います。でも、それを相手が必要と感じていないなら、勝手に手を出すのはちょっと気をつけたほうがいいでしょう。

自分がどうしても気になってやるのであれば、相手の確認はもちろん必要ですし、そこで求めるのは彼からの感謝ではなく自分の中の「やりたかった」という気持ちに対する納得感です。

彼を育成…なんて目的を抱くと、目につくことを全部ケアしてあげようと献身スイッチが入る女性も多いものですが、2人の関係を健全に育てていくためにも、この求められてないやりすぎ行動には、気をつけていけたらいいですね。


おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。


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