子どもすぎる彼に傷つけられて… 21歳女性が選ぶべき「理想の彼氏」とは

文・三松真由美 — 2024.1.18
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、憧れのお店で働くことにやりがいを感じている21歳女性。仕事を応援してくれていたはずの彼氏がある日不満を言い出し…。三松先生が、恋、仕事、結婚に悩む女性に大切なアドバイスをしてくれます!

真希(21歳)、念願の正社員で休日レス。休みが合わずに彼が不満を言い出した

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【レスなひとびと】vol. 228


「よしっ、これで今日は売り切ったね!」

真希は表参道の人気ケーキ店で働く21歳。3年目の今年、「正社員にならないか」と打診されラッキー! 正社員になったばかりではりきっている。

アルバイトのときとは責任の重さが違うけれど、憧れの夢の世界のようなお店で社員として働いて、お客さんの笑顔にたくさん触れて、だんだん自信もついてきた。収入もアップしたから、いいことだらけ。彼への誕生日プレゼントに奮発してジル・サンダーのマフラーを買ったぞ。

陽平とは付き合いはじめて1年半。陽平は高校時代に入っていたバド部の先輩。卒業したあと、何度か集まるうちに告白された。

今年の陽平の誕生日は日曜日で、真希はお店に出るシフト。デートはできない。でも、仕事が終わったら陽平の家に行って、マフラーを渡すのを楽しみにしていた。

いよいよ誕生日当日。お店を閉めたのは22時すぎ。なんとか日付が変わる前に、陽平の家につけそうだ。

「おかえり!」

陽平はまだ起きて待っていてくれていた。いつも通り、甘い缶のカクテルを飲みながら、陽平の膝の間に座ってイチャイチャ。おっぱい撫でられたり、うなじにキスされたり。真希も、陽平の耳たぶを甘噛みしてベッド行こうとささやく。
短い時間だったとしても、こうしてくっつける時間が最高に幸せだ。

ベッドに寝っ転がると、空気が一転。
「ねえ、真希」

「ん」

陽平が突然、真剣な顔で名前を呼ぶから、ドキッとする。

「真希、むちゃ仕事してるよね。不規則な仕事。俺、誕生日とかクリスマス、年末年始とかのイベントごと、ほぼひとりで過ごさなきゃいけないのかな」

「…?」

「ときどき思うんだよ。もっと普通の仕事をしてる子と付き合ってたらなって。土日とか会える子」

え、急にどうした。普通の仕事って、何? しかも、他の子と付き合う選択肢もあったみたいな言い方…。一気に胸が苦しくなる。

確かに、土日休みの会社員をしている陽平とは、休みがまったく合わない。
さらに去年から、新年に食べるフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」の販売を始めて、年末年始も前より忙しくなった。

陽平は私のかわいい口元も、とぼける顔も、栗色ヘアも、オムレツ作るのが上手なとこも、仕事に全集中するとこも全部含めて好きって言ってくれてた。

「どうしてそんなこと言うの。陽平、わたしの仕事応援してくれるって言ってたよね?」

「そうだけどさ。だって、どうするの、子どもとかできたら。イベントごとのお祝いはできないってこと。土日もないしさ。変じゃない?」

せっかく憧れのお店で働いて、どんどん仕事を任せてもらえるようになってきたのに。これからも続けていきたいって、思ってるのに。

これって、おかしいことかな。今の仕事をしながらだと、恋をしたり、家庭をもったりはあきらめなくちゃいけないの?

あんなに渡すのが楽しみだったマフラー、どうしたらいいかわからない。


【三松さんからのコメント】

真希さん、全然おかしくないです。私達は土日祝日に買いものをしたり、レジャーを楽しんだり、病院で急患で診てもらえたり、さまざまなことをしてもらえますよね。それは当然、そのとき働いている人がいるからです。

そういう社会の構造を知ろうとせず、自分の休みに合わないという事実のみで大切な人を傷つけてしまう陽平さん、年齢のわりに子どもっぽい!!

陽平さんは、どうしても休日にずーっと真希さんといたいのでしょうか。ぼっちが苦手なタイプか。

もし、友達や趣味が少なく、ひとりで過ごすのが苦なのであれば、陽平さんが平日休みの会社に転職する方法もある。

イベント日だって、別にその日に何かしなければいけないわけじゃない。1日遅れのクリスマスでも楽しめるはず。できるときに、できるやり方で楽しめばいい。臨機応変な対応ができる彼氏のほうが、この先一緒にいて安心ですよ。マイナスをプラスに変える力をもつ彼氏。
そして丸一日一緒じゃなかったとしても、限られた時間を密度濃く過ごすことができる彼氏。

今、彼の不満が浮かび上がったので、真希さんはそんな彼氏に育ててあげるほうが早いですね。
 
憧れの職場で生き生きと働く真希さんは、間違いなくステキです。そういう仕事には、なかなか巡り合えるものではないので今の環境を大切にね。

あ! 仕事をがんばるうちに、そんな真希さんにアプローチしてくる人がいて、真希さんのほうに違う“選択肢”ができるかもしれません。

人生はどう転ぶかわからない。彼の不満を解消すべく育て上げるか、今の仕事を応援してくれるひとの出現を待つか。

「休日レスで、文句言う彼氏なら一緒にいる時間を濃厚にする方法を編み出そう。そんでもブーブー言うなら別れてよし」


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三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。


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