揉んで搾って…セックスレス男が「みるみる性欲up」できる方法 レスなひとびと
【レスなひとびと】vol. 11
啓次郎(33歳)2年半付き合ってる美晴と舌先を絡めてもビクリともしない。
性欲激減の今日この頃
上場する夢を見てITベンチャーに就職した。プログラミングが大得意の啓次郎は役員から頼りにされ、新しいアプリの開発や、新規ウェブの企画・デザインまでオールで依頼される。
「社長、無理っすよ。デザインはデザイナーに頼んでください。それに、時間がなくて打ち合わせまで行けないですよ」
「うち、ベンチャーだからさ、丸めてやってよ〜」
「・・・」
ってなことで「丸めて全部の仕事」に取り組んでいたら……いつの間にか頭の中がロボット化してきた。昼休みも、寝る前のホッと一息時間も、ずっと仕事のことが脳にこびりついている。
前の会社にいる頃できた彼女、美晴が部屋に遊びに来る。もちろん会話はいつの間にか仕事の話題に。美晴はいちゃつきたいので、啓次郎の膝の上のPCを部屋の隅っこに持ってゆき、毛布で隠してしまう。
「啓次郎くーん、パソコンばっか見てて寂しいよ。私、来年34歳だよ。結婚、そろそろ準備したいんだけどね。女はね、適した時期ってのがあるわけよ。仕事と私、どっちが大事?」
出た!「仕事と私」チョイス。啓次郎は美晴のことは好きだ。結婚するなら美晴だと何度も言葉に出してきた。だが、頭の中は ”仕事9 対 美晴1”。
正直……仕事が楽しい。ひとつやり遂げると、みんなが絶賛してくれる。社長賞を何度ももらった。役員にしてくれる確約も取った。報酬も半端ない。仕事と美晴どっちが重要?……仕事のような気がしてきた。
髪の毛をクシャッと掻き上げる。
キャミソール姿の美晴を抱き寄せても、股間はビクリともしない。いや、官能的なディープキスで、舌先をベロベロ絡めあっていても、プログラムコードが頭の中でチャカチャカ流れ始める。美晴はトロリとした目つきで、ジュンジュンに湿らせて膝を立てているのに、啓次郎のソイツは、ショボリン。
ソイツに向かって唱える。『おまえ、仕事しろよ。美晴を喜ばせてやれよ』
だめだ。
美晴は自分でブラジャーまではずして、スタンバイOK。ソイツは沈黙。
啓次郎は、結婚なんて一生できないと危機感を感じている。
アラサー男子、仕事が乗りに乗ってドーパミンがドバドバ出ている時期。昭和のバブル期には、仕事ができる男は女をいっぱい抱けるという「英雄色を好む」のがスタンダードでした。今や、仕事の質が変わってきている。細部まで神経を使うクリエイティブ系も増えています。ネットで一日中管理されている感も拭えない。下手すると1日20時間PCを開いている人もいる。
そりゃ、脳も陰茎もロボット化するわ。
啓次郎さんは、二次元恋愛でなく、生身の美晴さんと恋愛中なので、もっとそちらに時間と精力を注がなければなりません。PCを開いているときが一番安心できるという事態は異常だ! と認識すること。自然と触れ合い、頭を沈静化しなくてはだめ。肉欲燃えたぎる、野性味あふれる男に戻るのは今しかない。
硬いもの、無機質なものに触れる時間を削減し、やわらかいものやあたたかなものに触れまくる。小動物、草木、ぬいぐるみ、マシュマロ。もちろん彼女のおっぱいでもいいのですが、触ってもセックスにつながらないと怒らせてしまう。となると ”おっぱぶ” でもいいのです。いや、それはそれで彼女に対する罪悪感が芽生えるか。こうなったらラブドールだ。いや、高額すぎるか。
しょうがない。牧場へ行きましょう。牛の乳搾りは、やわらかくてあったかい。
究極の自然体験。仕事のことを全部忘れ去るのです。
「仕事好きすぎて精力レスの男は、牧場に乳搾り合宿へ行け」
三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にhanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。日本性科学会会員。ED診療ガイドライン作成委員。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。