ENHYPEN、夢の東京ドームで涙! 運命を感じるワールドツアー日本公演レポ

取材・文 尹 秀姫 (P)&(C) BELIFT LAB Inc. — 2023.9.19 — Page 1/2
2023年1⽉、⽇本デビューからわずか1年半で初の京セラドームのステージに立ったENHYPENが、2回⽬のワールドツアーの⽇本公演『ENHYPEN WORLD TOUR ʻFATEʼ IN JAPAN』で初のドームツアーを開催。その最終日、9月14日の東京ドーム公演をレポートします。

東京ドームを揺らす歓声!ENGENEと一体になったアツいステージ


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【ペンになってもいいですか!?】vol. 188

照明が落とされた中、ツアータイトルにもなっている「FATE」の赤い文字がスクリーンに浮かび上がる。続いて巨大な満月が浮かぶ光景をバックに古城が現れ、天井からは真っ赤な花弁が降り注ぐ中、ENHYPENがステージに登場。

ゴールドの縁取りがされた淡いミントのジャケットに白いパンツの爽やかな王子様ルックとは裏腹に、1曲目の「Drunk-Dazed Japanese ver.」から気合十分。HEESEUNGの首を掻き切るような振りから始まったダンスパートでの群舞など、ENHYPENならではの耽美的な世界観を、全力のパフォーマンスで見事に表現してみせた。

続く「Blockbuster」は今回のツアーで初披露となった7人バージョン。東京ドームの広いステージに、壮大なメロディのこの曲がよく映える。序盤から怒涛のパフォーマンスで、初ツアーから7か月ぶりのドーム公演への期待と喜びを表現するメンバーたち。ツアータイトル「FATE」のように、「ENHYPENとENGENE(ファンの名称)の出会いは運命だということを強く感じてもらえる時間になると信じてます」というJUNGWONの言葉に、会場を埋め尽くしたENGENEが掲げるENGENE棒(ペンライト)も激しく揺れた。

会場がいい雰囲気になったところで次の曲へ、と促すSUNOOにHEESEUNGが「ちょっと待って」とストップ。「ジッパーが準備できてないようです」と、ジャケットのジッパーが上がらず困っていたところを、JAKEが助けるという一幕も。パフォーマンスでは圧倒的な凄みを見せるENHYPENの天然な一面に、会場からは笑いがこぼれた。


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白いTシャツに白ブルゾンの真っ白コーデに着替えて登場して歌った「Future Perfect (Pass the MIC)[Japanese Ver.]」では蹴り飛ばすアクションに合わせて火花を散らし、エレキギターのロックなサウンドで始まる「Blessed-Cursed[Japanese Ver.]」では、キレのあるダンスとフリースタイルの緩急自在なステージングで魅了する。

白と黒のモノトーンをベースにしたロックテイストなカジュアルコーデに着替えてステージに再登場し、「アテンション!」の大きな呼びかけでスタートした「Attention, please!」では、テンション高くステージの端やサブステージへと駆けていき、JAYが掻き鳴らしたギターを投げるパフォーマンスも(後にこのギターはJAYのものではないと語られた)。

JAYの「叫べー!」というシャウトで始まった「ParadoXXX Invasion」では曲の合間にSUNOOがマイクにキスしてハートを作る姿がスクリーンに大きく映し出され、会場のENGENEが大歓喜。

続く「Tamed-Dashed」ではラグビーボールがJUNGWON、JAY、SUNGHOONと次々にパスされ、最後にはHEESEUNGが客席にキック! 実はこのボールにはメンバー7人全員のサインが入っているそうで、「僕たち7人のサイン入りの特別なボール、大事にしてくださいね」とSUNGHOON。そしてボールをもらえなかったENGENEのためにJAYがSUNGHOOMと一緒にハートを作ると、メンバーからも「かわちい」と大絶賛されていた。


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今回の公演ではスペシャルなステージがいくつも用意されていた。ピックガードに「FATE」の文字、ボディにメンバーのサインが入ったアコースティックギターをJAYが弾き、JAKE、SUNGHOON、SUNOOの4人で歌った「TFW (That Feeling When)」にはじまり、カラフルにペイントされたアップライトピアノを弾くHEESEUNGとJUNGWON、NI-KIの3人で歌った「Just A Little Bit」はENGENEたちがスマホのライトでステージを照らし、会場を満点の星空のように輝かせた。

「10 Months」では赤と白のかわいらしいバスの形をしたフロートに乗ってドームの外周をまわるサプライズも。続く「Make The Change」ではフロートに乗ってたどり着いた後方ステージで、ドーム後方のENGENEに挨拶。一緒にハートを作ったり、指で撃つ真似をしたり、ファンとのコミュニケーションを楽しんだ。

「今日はスペシャルゲストが来てくれています!」というNI-KIの言葉で始まった「One and Only」では、メインステージ脇から左右4匹ずつのピカチュウがぴょこぴょこと歩きながら後方ステージへ登場。ピカチュウの手を引いてステージ中央まで案内するJUNGWON、抱きつくSUNOO、HEESEUNGはピカチュウと一緒にダンスしたりと、誰よりもメンバーが一番ピカチュウとの出会いを楽しんでいた。「ピカチュウ、ジャンプ!」とJUNGWONが言うとピカチュウもぴょんぴょん跳ねてそれに応え、Summer Sonicから続くピカチュウとの絆を感じさせた。


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JAYの「Make some noise!」の号令で始まった「SHOT OUT」は、直前までのほっこりムードを払拭するかのようなロックなステージに。メンバーが腕を上下に振り上げながら客席を煽ると、会場のペンライトも大きく揺れる。ラストはカラフルな紙吹雪が舞う中、高らかに歌い上げる姿が印象的。

後のMCタイムではNI-KIの声掛けで、会場の全員で「SHOT OUT」を一緒に歌うことに。東京ドームを埋めたENGENEによる大合唱に、ENHYPENのメンバーもうれしそう。「やっぱりENGENEの声が世界一です」とJUNGWONが満足げに言うと、HEESEUNGも「こんなにたくさんの方が一つになって歌ってくれて、すごく幸せです。みなさんのおかげで『SHOT OUT』がさらに特別なものになりました。ありがとうございます」と惜しみない拍手を贈った。

「すごく感動的な雰囲気になりましたが、コンサートはこれからが始まりです」とJAKEがENGENEを煽ってはじまった「Go Big or Go Home」ではENGENEの大きなコールで東京ドームが揺れたように感じられたほど。

コンサートもいよいよクライマックスへ。シックなモノトーンに鮮烈な赤が印象的な衣装と、シャンデリアとキャンドルで荘厳な雰囲気のステージで歌われた「Chaconne」はタイトルどおり耽美的で優美なダンスと、黒い羽が舞う中で眼光鋭く前を睨みつけるHEESEUNGの対比が目を引いた。

2人に抱えられたSUNOOという衝撃的な振り付けではじまる「CRIMINAL LOVE」の銃に撃たれた衝撃を表す振り付けでは、歓声がひときわ大きく響き、厳粛な雰囲気に包まれた「Sacrifice(Eat Me Up)」まで、息つく暇もないほど圧巻のパフォーマンスで魅せる。

「コンサートを準備しながら自信を持った初公開の『Chaconne』を早くお見せしたかったです」とJUNGWONが自信を覗かせると、激しいパフォーマンスの連続で息を切らせながらも「全然きつくないです。ENGENEのみなさんが応援してくださってるので! 全部ENGENEのみなさんのおかげです」とJAKE。

JAYは初めての東京ドームの公演を観に、YouTubeでコラボした“マジ友”優里とバンドのメンバー、家族まで来てくれたと明かすと、メンバーも口々に「僕も優里さん大好き!」とアピール。「Bite Me[Japanese ver.]」ではこれが最後の曲とは思えない切れ味のダンスと表情演技を見せ、本編を終了した。

アンコールの合間には、おなじみとなったファンが用意したメッセージが次々にスクリーンに映し出されていた。「デビューの日に出産しました、というボードの方がいました」とJAKEが言うと、「生まれた子どももぜひENGENEに!」とHEESEUNG。「JAYのお母さんと生ビール飲みたい」というメッセージにはメンバーも「僕も!」「僕はハイボール」と賛成のコメントが続く中、JAYは「お母さんとビールか…。まあ、いいんじゃね?」とまんざらでもない様子だった。

【メンバーの挨拶】

ここで東京ドーム最終日の公演の感想を言うことに。


JUNGWON

JUNGWON
リーダーのJUNGWONは、「昨日、コンサートが終わって考えていたんですが、これより幸せなことがあるのかなって」としみじみと振り返る。「幸せでうれしいときはいつもENGENEのみなさんがいてくれて、疲れたときはENGENEのみなさんに会いたいと思うようになりました。それくらいみなさんに僕は頼っています。これからもこんなふうに幸せなことを一緒に作っていければと思います。みなさん、大好き!」と最後には愛を叫んだ。


HEESEUNG

HEESEUNG
HEESEUNGは「6歳のときから歌手になるのが夢でした」と明かした。「中学、高校のときは夢を後回しにして、この道ではないと思って生きてきました。でも父がオーディションを受けてみろと機会をくれて、ここまで来ることができました。いつも僕のそばで一番大きな応援を送ってくれて、いつも頼りになる僕の家族が今日この場に来てくれています。こんなに大きな歌手になりました。愛するみなさんの前で公演できる僕は本当に恵まれていて幸せだと思います」と家族への感謝の言葉を述べると、会場からはあたたかい拍手が沸き起こった。


JAY

JAY
「東京ドーム、まだ夢みたいだと思います」とJAY。「こうやって多くのENGENEのみなさんを見ながらステージをするのは、デビュー前はただの夢でしたよね。でも今、ENGENEのみなさんのおかげで現実になりました。次はもっといいステージ、もっといいアーティスト、もっといいENHYPENとしてステージに戻ることを約束します」と高らかに宣言した。


JAKE

JAKE
JAKEは、「昨日と今日、ステージに立つ前に、東京ドームで後悔なくやろうと考えていたんですが、本当に今、このステージの上にいる毎瞬間が幸せで、後悔はありません。それくらいとても楽しめたし、みなさんの愛とエネルギーをたくさんもらった2日間でした」と満足げ。

「韓国に帰ったらみなさんのことが恋しくなると思います。いつまた会えるかわかりませんが、僕たちは“FATE(運命)”なので、また会える日まで元気で、幸せでいてください」とツアータイトルにからめてコメント。さらに、「実は昨日、NI-KIパパがごちそうしてくれたんですけど、お礼を言えなかったので…。今日もどこかで観てますよね、ありがとうございます。NI-KIのことは僕が守ります!」とアピールしていた。


SUNGHOON

SEUNGHOON
SUNGHOONは「日本ツアーに来て、日本語がちょっとうまくなったと思います」と言いながらも、真心を伝えたいからと韓国語で真剣に語った。日本に来て、毎日おいしいものを食べたり公演でENGENEと共にする時間が幸せだったと語り、「ツアーをするとその場所の文化を感じて、学ぶことができて、その土地のENGENEのみなさんがどう暮らしているのか知ることができます。これからももっとたくさんツアーをできたらいいなと思いますし、ENGENEのみなさんも僕たちと同じようにいつも幸せでいてくれたらと思います」と続けた。

「ツアーが終わってしまうのは残念です。韓国に帰ったらENGENEのことを思い出して悲しくなると思います。でも、僕たちは必ず帰ってきますので、その時までどこにも行かずにもう少しだけ待っていてください。みんな、大好きだよ!」


SUNOO

SUNOO
SUNOOは「昨日と今日がずっと記憶に残ると思います。こうやって東京ドームでステージに立てることがとても幸せでした」とうれしそう。「これからたくさんのENGENEのみなさんと、もっと大きなステージでお会いできたら嬉しいです」とさらなる夢を語った。


NI-KI

NI-KI
NI-KIは「毎回、ステージをするたびに1つ1つの曲に込められたメッセージを伝えられるよう、(曲の)メッセージを考えながらステージに立つんですけど、今日は最終日なのでそれがうまくできなくてちょっと残念でした」と悔しさをにじませた。「ずっとここにいたいって思っちゃって…。それでも、人生において一番幸せな瞬間でした」とそのわけを語りつつ、「次この場に戻ってくるときは、もっと成長したENHYPENのNI-KIになるよう約束するので、そのときまで待っていてください。愛してます、ENGENE!」と最後は力強くファンへの愛を口にした。


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そして「Karma」を歌い終え、東京ドーム公演最終日は終幕、するかと思いきやアンコールが鳴り止まず。スクリーンの「ENHYPENにENGENEの『BLOSSOM』を聴かせてくれますか?」というメッセージを受けて、会場がひとつになって大合唱しながら「ENHYPENとENGENは永遠に共にする運命だよ」というメッセージを掲げると、7人が再び登場。東京ドームに響き渡るENGENEの歌声に感極まったのか、曲の途中でNI-KIは後ろを向いて号泣しはじめ…。最後はメンバー7人が肩を抱き合って、感動をわかちあった。

止まらない涙を拭いながら「一生一緒にいましょう」というNI-KIに応えるように、ENGENEの歌声はいつまでも大きく響いていた。その美しい光景を見るために、メンバーたちは後ろ向きに歩きながらステージを去っていった。

 (P)&(C) BELIFT LAB Inc.

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