BOYS AND MENの勇翔、渡辺徹の言葉に「気持ちを届けるお芝居を意識しました」

写真・園山友基 文・田嶋真理 — 2023.10.12 — Page 1/2
今回、ご紹介するのは、映画『SOMEDAYS』。音楽を通して、家族の絆を描いた作品です。西尾まうさんとともにダブル主演を務めたBOYS AND MENの勇翔さん、勇翔さんとともにヒップホップ・グループ・SOMEDAYSのメンバーを演じた、BOYS AND MENの辻本達規さん、本田剛文さん、平松賢人さんの4人にお話をうかがいました。

「13年間一緒だからこその会話の成り立ち方がありました」


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左から、平松賢人さん、勇翔さん、辻本達規さん、本田剛文さん


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映画『SOMEDAYS』で、物語の中心となるのは、家族とともに暮らせなかった児童養護施設出身の5人組ヒップホップ・グループ・SOMEDAYS。世間から冷たい目で見られていたSOMEDAYSでしたが、前向きな生き方で綻びかけた2組の家族の絆を、優しく結びます。

脚本は『ViVA! Kappe(ビバ!カッペ)』(2010年)、『4/猫 ねこぶんのよん(一円の神様)』(2015年)、『棘の中にある奇跡 笠間の栗の木下家』(2018年)でHollywood Dreams Film Festival外国作品賞受賞、Action On Film Festivalベスト作品賞受賞を受賞した森田剛行氏。

メガホンを取ったのは、撮影監督を務めた『カメラを止めるな!』(2017年)で第42回日本アカデミー賞優秀撮影賞を受賞、上海国際映画祭招待作品『透子のセカイ』(2020年)、『永遠の一分。』(2021年)などを手掛けた曽根剛監督。

SOMEDAYSのメンバーを​西尾まうさん、BOYS AND MENの勇翔さん、辻本達規さん、本田剛文さん、平松賢人さんが熱演。彼らを取り巻く人々を西村知美さん、倉野章子さん、大場泰正さん、東ちづるさん、渡辺徹さんが魅力的に演じています。


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ーー出演オファーを受けたときのお気持ちを教えてください。

勇翔さん 以前、別の作品でご一緒したスタッフ陣からお話をいただき、またご一緒することを楽しみにしていました。それからSOMEDAYSのメンバーはBOYS AND MENで行こうという流れになり、うれしく思いました。

ーーご自身と演じた役柄に共通点を感じたところは? 平松さんが演じた西川光のプロフィールに「御朱印集め」という記述がありました。

勇翔さん あれはリアルな平松賢人です。遊び心ですね。

ーーファンの方々はうれしいでしょうね。

平松さん 気が付くと思います。

ーー西川光は、みんなをSOMEDAYSに巻き込んでいく、物語を大きく動かす役どころでした。

平松さん 普段、BOYS AND MENでもダンスリーダーのようなものをさせていただいていて。そういう意味ではダンスを教えたり、立ち位置や見せ方をアドバイスするシーンなど、アドリブのセリフにも対応できました。
 


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ーー辻本さんが演じた佐藤良太は、みんなの兄貴的な存在ですね。

辻本さん 前向きにみんなを引っ張っていくというか、根拠のない自信を持っているところは自分と似ていると思います。

勇翔さん 僕は母親の愛情を感じて育っていますが、BOYS AND MENへ加入する前に長野に住んでいた時は、母親が仕事の都合であまり家にいませんでした。ですから、僕が演じた松平勇人やSOMEDAYSのメンバーたちが感じていた母親との距離感や家庭環境が複雑なところは理解でき、演じる上で気持ちが入りやすかったです。

本田さん 今回、ホスト役ということで、ファンの方々から「本田くん、今回はホスト役なんですか?」とコメントをいただいていたのですが、実はホスト的なシーンはひとつもないんです(笑)。

僕の演じた渡辺洋介は、クールで繊細な役で。自分ではあまり共通点を感じていなかったのですが、監督はメンバーそれぞれの本来の人間性によく似た役だとおっしゃっていて。僕はこういう繊細なイメージで見られていたのかなと思いました。


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ーーBOYS AND MENだからこそ、出せた空気感がありそうですね。

本田さん それはあるかもしれないですね。

平松さん 例えば、車内のシーンは結構アドリブで喋っているんです。自分がこういうふうに喋ったら、誰かがこういうふうにリアクションしてくれるかな、といった13年間一緒にいるからこその会話の成り立ち方はあったかもしれないです。

ーー車内のシーンでは、かっこいい寝顔も披露されています。

辻本さん かっこよかったですか? 結構くずれていたと思いますが(笑)。

本田さん 撮影中、同じ車に乗っていたので、本当に落ち着く空間になっていました。マジ寝はしていませんが、連日撮影していたので、「寝るシーンを撮ります」と言われてじっとしていると、ウトウトしていまうんです。

平松さん 本当に心地よかったです。

勇翔さん 僕は運転をしていましたので、みんなを見守っていました。


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ーー本作は渡辺徹さんの遺作でもあります。辻本さんはがっちりと握手するシーンがありますね。

辻本さん ちょうどこのとき、僕はひざの前十字靱帯を切っていて。リハビリに1年ほどかかるケガだったので、少し落ち込んでいたのですが、徹さんが「ひざ、どうしたの? 俺も18か20ぐらいのときに同じようなケガをしたんだよ」と、親身にお話してくださったんです。

撮影は1~2日しか、ご一緒できなかったのですが、気に掛けてくださって、とても優しい方だなと思いました。

本田さん とてもかっこよくて、温かい方でした。撮影の合間は、僕らが徹さんを囲んでお話させていただきました。台本にはなかったんですが、徹さんの役柄が洋介を妙に気に入っているという味付けをしてくださって。お芝居の上でもコンタクトが多かったです。

勇翔さん リハのときは徹さんが剛文の耳を触られていて。

本田さん かわいいね~って。

勇翔さん いろんなパターンのかわいがりの演技を試されていました。

ーー本田さんはいろんな人を落としてしまいそうですね。

勇翔さん ホスト役だけに(笑)。

ーーなるほど!


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ーー撮影中、徹さんと交流して、印象に残っている言葉は?

勇翔さん 徹さんは「お芝居をするときは、気持ちが大事だよね」とおっしゃっていました。その言葉を聞いて、より気持ちを届けるお芝居を意識するようになりました。

ーー最後に、映画のタイトル『SOMEDAYS』にちなんで、みなさんが印象に残っている日を教えてください。

平松さん レコード大賞新人賞をいただいた日ですね。ずっと目標にしていた場所でしたのでうれしかったですし、最優秀新人賞をとれなかった悔しさもありました。もっと頑張ろうと思わせてくれた大切な日です。

本田さん 僕らの常設の小さなライブハウスに古舘伊知郎さんや木梨憲武さんがいらしてくれたことです。とてもありがたいことで、印象に残っています。

勇翔さん BOYS AND MENに入りたてで、名古屋に行ったときです。集合場所のサンシャインサカエがわからなくて、駅までは電車で来れたんですが、しばらく違うところまで歩いていました。あのときは、このメンバーで13年間も活動するなんて全く想像していませんでした。

辻本さん BOYS AND MENに加入したての頃にTGCのランウェイを歩けることになったんです。僕も出れるかなと思っていたら、選ばれたのは、勇翔と水野勝(元BOYS AND MEN)で。僕を含めて、選ばれなかったメンバーたちは、名古屋ドームの外で5000枚のチラシを配ったんです。

しかも僕は生放送があったメンバーの代わりに、リハだけランウェイを歩いたんです。その悔しさは死ぬまで忘れません。今でもそのときのパスを部屋に飾っています。僕はうれしかったことよりも、心が折れそうになったり、苦しかったりしたことを、負けてたまるかというパワーに変えるタイプなんです(笑)。

インタビューのこぼれ話

インタビューを収録したのは、辻本さんの母校、岐阜市立岐阜商業高等学校の甲子園出場を左右する試合の勝敗が決まった日。取材中に号泣しはじめた辻本さんを勇翔さん、本田さん、平松さんがジョークを交えて励ます姿に、BOYS AND MENの絆の強さを見た気がしました!

Information


「SOMEDAYS」キービジュアル

映画『SOMEDAYS』
10月13日(金)より、池袋HUMAXシネマズほかにて全国順次公開
出演:西尾まう、勇翔
辻本達規、本田剛文、平松賢人
伊藤一正、池田拓矢、田中杏、富安基晴、西村光久/大場泰正/倉野章子  
西村知美/東ちづる/渡辺徹
監督:曽根剛
脚本:森田剛行  
エグゼクティブプロデューサー:西尾友子  
プロデューサー:松坂利和、三石勇人
音楽:Jam9(ユナイテッドミュージック)  
主題歌:「未来」SOMEDAYS
配給:ベストブレーン/刈谷日劇  
共同配給:SUNRISE 
企画・製作:Yuu Promotion
©Yuu Promotion

公式サイト:https://www.somedaysmovie.com/

写真・園山友基 文・田嶋真理