『BLEACH』森田成一&杉山紀彰&梅原裕一郎&武内駿輔「スタッフ陣の志の高さを感じられる作品」

写真・幸喜ひかり 文・田嶋真理 ヘアメイク・河口ナオ/Nao Kawaguchi(森田さん) 村澤柚香/Yuzuka Murasawa(杉山さん) 宇津野里美/Satomi Utsuno(addmix B.G/梅原さん) 小園ゆかり/YUKARI KOZONO(武内さん) スタイリスト・ちなみちよ/MICHIYO CHINA(森田さん) 笠井時夢/TOM KASAI(梅原さん) — 2023.7.15 — Page 1/2
今回、ご紹介するのは、TVアニメ『BLEACH 千年⾎戦篇-訣別譚-』。最終決戦にふさわしい実⼒派キャスト&スタッフ陣で挑む、ファイナル・シリーズの第2クールです。森田成一さん(黒崎一護役)、杉山紀彰さん(石田雨竜役)、梅原裕一郎さん(ユーグラム・ハッシュヴァルト役)、武内駿輔さん(アスキン・ナックルヴァール役)にお話をうかがいました。

「本当に隅々まで楽しんでいただきたいです」


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左から、武内駿輔さん、森田成一さん、杉山紀彰さん、梅原裕一郎さん


【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 148

『週刊少年ジャンプ』で連載され、シリーズ累計発⾏部数は 1億3000万部を超えるなど、完結後も世界中で根強い⼈気を誇る『BLEACH』。2004年10⽉より放送を開始した TV アニメは、これまでに 360話以上が制作され、⻑編劇場アニメも4作を数えます。

そしてついに、シリーズの最終章・千年⾎戦篇のアニメプロジェクトがスタート。監督とシリーズ構成は、数々の作品で卓越したビジュアルセンスを発揮してきた⽥⼝智久氏。

キャラクターデザインの⼯藤昌史氏、⾳楽の鷺巣詩郎氏は、最初期からアニメ『BLEACH』を⽀え続けるオリジナルメンバー。アニメーション制作もこれまでのシリーズ同様、studio ぴえろが担当します。

千年⾎戦篇では、千年の⻑きにわたり死神たちが背負っていた因縁。その宿業と秘められた真実がついに紐解かれ、黒崎⼀護の最後の戦いが描かれます。


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森田成一さん


ーーこれまでに、森田さん、杉山さん、梅原さん、武内さんが4名でインタビュー取材を受けたことはあるのでしょうか?

杉山さん 初めてですね。

梅原さん 初めてです。

武内さん はい。 

ーー梅原さん、武内さんは、森田さん、杉山さんと取材を受けるのは緊張しますか?

森田さん いや~、そんなわけないでしょう(笑)。

杉山さん 今をときめくおふたりですから。

武内さん 森田さんと杉山さんは、このように、とても気さくな方で。現場にいらっしゃるときは話しかけてくださいますし、梅ちゃんはすれ違っただけでも挨拶してくれるんです。本当にお優しい先輩方なので、とても演じやすい現場です。

杉山さん とんでもない。

森田さん 良い後輩ですね。太字で書いておいてください(笑)。

ーーほかのタイミングでもおふたりは森田さんと杉山さんを褒めていらっしゃいました。

杉山さん あらま。

武内さん 当然のことです。本当にそう思っていますから。

杉山さん イケメンなだけじゃなくて、優しいんですよ。

梅原さん いやいや(笑)。

森田さん 僕はイケメンが好きで、梅原くんや武内くんの顔がタイプなんです。

梅原さん うれしいです。ありがたいです(笑)。

武内さん それは知らなかった(笑)。

森田さん ずっと言っているじゃないですか。現場にふたりがいると、観目麗しいというか、景色がいいなって思います。

杉山さん スタイルもいいなと。

森田さん 『BLEACH』は最初からベテランの声優の方々が揃っていらっしゃるから、いつも恐縮しているわけですよ。役柄も中身もぜんぶ隊長格で、ものすごく強い方ばかり揃っているんです。

武内さん 長年、ご一緒されていても、そうなんですね(笑)。

森田さん 第2クールの先行上映会で観た、第14話・第15話の(⼤塚)明夫さんのセリフまわしなんて、本当にヤバいです。

杉山さん すごい存在感でしたね。

武内さん かっこよかったですね。あのシーンは、明夫さんと一緒に録られたんですか?

梅原さん いいえ。明夫さんが先に録られていたので、僕は明夫さんの声を聞きながら録ることができました。

武内さん 明夫さんは、梅ちゃんのことが大好きなんですよ。

森田さん やっぱりね。

梅原さん キャラとして戦わないといけないのに、勝てる気がしないですよね。

森田さん そういうお歴々の方々がたくさんいらっしゃるなかに、おふたりのようなピチピチの方がきてくれるとうれしくなってしまうんです。


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杉山紀彰さん


ーー第2クールの収録をされて、いかがでしたか?

森田さん 一護は、原作では語られなかった部分で、出番が増えています。それはアニメオリジナルというだけではなく、本当は実際に起こっていた出来事、久保先生の頭の中にしっかりあってあえてマンガに描かなかったところを描いているんです。

それゆえに、今回は誰も知らない部分の一護を描かなければなりませんでした。これまではマンガ原作をガイドとして進んでいくことができましたが、今回はこれから一護はどうなるんだろうということが分からない状態でやっていったので、その部分はすごく大変でした。

ですが、久保先生がずっと現場にいてくださったので、久保先生に事細かに質問し、監督や音響を含めた全員といっぱい話をしながら、ここはどういうものなんだ、どういうところにいて、重力や湿度はどれくらいなど、詳しいところまで聞いて納得した上で収録を行いました。

非常に濃密なシーンでしたし、そこに隠されている秘密は『BLEACH』という内容を揺るがすようなものが出てくるので、僕はドキドキしながら演じました。

ーー現場に久保先生がいらっしゃるのは、心強いですね。

森田さん ありがたいです。現場になじまれていて、もはや普通にスタッフです(笑)。ヤバいですよ。久保先生の前を挨拶しないで通り過ぎてから、「あ、久保先生だった!」と気づくことがありますから。

梅原さん オーラを消していらっしゃいますからね。

武内さん そうなんですよ。

森田さん この前、久保先生が言っていたんですが、以前は先生が現場に来るとみんながかしこまって挨拶していたけれど、最近、先生が現場にいることが当たり前になって、田口監督をはじめ、みんながだいぶフランクな感じらしいよ(笑)


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梅原裕一郎さん


杉山さん 先生の現場へのなじみ方がすごくて。朝、おはようございますと言いながら現場に入ると、先生がスタッフのみなさんのなかに普通に混じっていらっしゃるんです(笑)。アニメ化に際し、ここまで原作者の先生ががっつりと監修してくださることは珍しいと思います。

先生はコントロール・ブースの後ろにいらっしゃるので、このシーンはどれくらい感情を入れたら良いかということも即、確認が取れるんです。先生の感覚で見てくださっているので、それも合わさって、アニメのクオリティが元々高いにもかかわらず、より一層上がっていると感じています。

最初のアニメシリーズから、先生は演者に任せてくださる部分も多くて、流れ上このシーンはこのように見せたいというように、要所要所でアドバイスをいただくような感じなので、演者としては方向性がつかみやすくてありがたいです。

梅原さん 第1クールのときは緊張ばかりで、あまり余裕がなかった部分も多いんですが、第2クールに入って、少しだけ緊張が解けました。

杉山さん 全然、それを感じさせない。落ち着いてお芝居をされていたから。

梅原さん めちゃくちゃ緊張していました。特に第2クールに入ってハッシュヴァルトとして、比重が増えていくところも難しかったです。こんな若造がやっていいのか、貫禄がなければいけないキャラクターなのに僕自身の貫禄のなさで、作品がぶれたら嫌だな、などいろいろ考えました。

ーー森田さんが梅原さんをじっと見つめていらっしゃいます(笑)。

森田さん 梅ちゃんからこういう話を聞くのは初めてなので、すごく興味深くて。

梅原さん 絵がとにかくきれいなので、そこに乗っかるような気持ちで演じました。

森田さん 第1クールのとき、梅原くんは、確かに緊張しているんだろうなとは感じましたけれど、そう言いながらもすごく落ち着いていて、ハッシュヴァルトが持っていなければいけない資質が出ていたと思います。第2クールに入って、そこがさらに美しく無理なく出ていると思いました。

ご自身では若造と仰っていましたけれど、十分な芸歴もあるので、ハッシュヴァルトの迫力や怖さがしっかり出ていて、正直かっこいいなって感じました。

梅原さん うれしいです。ありがとうございます。  

武内さん 梅原さんもおっしゃっていましたが、あの『BLEACH』に自分が参加させていただくということで、僕らの陣営が年代的にも若いんですよね。だけど、最後の敵となる。まず、歴代の『BLEACH』の強敵に並ばなければならないし、さらに彼らを超えるくらいの強さを持った集団をやらなければならないというプレッシャーがありましたが、森田さんの気遣いにすごく助けられました。

森田さんは現場にいちごのモチーフの差し入れを持ってきてくださるんです。森田さんはそうおっしゃっていませんが「いちごだよ、一護だけにね」みたいな洒落っ気みたいなものを感じると、僕らも肩の荷が下せるというか、現場の空気がやわらかくなるような気がするんです。

それはすごく大事なことで、こういう方が一護を演じていらっしゃるから、長年良い連携を取れている作品なんだなと感じました。そういう作品に参加できてうれしいですし、頑張らなきゃいけないなと思いました。


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武内駿輔さん


ーー最後に、『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』の見どころをお願いいたします。

武内さん 田口監督の手によって、『BLEACH』の世界観にまた新しい色がついたんじゃないかなと思います。原作では描き切れなかった部分がさらにパワーアップして描かれているので、読者の方にもすごく喜んでいただけるポイントが多いと思います。

『千年血戦篇』を観て『BLEACH』を知った方、これから『BLEACH』を知る方は、素晴らしいアニメーションのクオリティと音響、劇伴(※映画やテレビドラマなどで流れる音楽のこと)もこれまでのシリーズの楽曲がアレンジされて入っているなど、変わらないところは守りつつ、時代に合わせて変化している。スタッフ陣の志の高さを感じられる作品です。ぜひ気軽にご覧いただきたいです。

梅原さん キレイな絵が良く動きます。劇場版のような戦闘の迫力に、まずはぐっと心を惹かれると思います。今回は『訣別譚』ということで、石田雨竜の話もあります。物語としてはまだ序盤で、ここからさらに続きが気になる展開となっていきます。飽きさせない作りになっていますので、最後まで見届けていただきたいです。

杉山さん 第1クールは、素晴らしいクオリティでお届けできたと思います。第2クールの第14話と第15話を拝見したところ、絵がキレイで音も素晴らしい。

第1クールから引き続き、見どころ満載なのですが、第2クールも冒頭からスタイリッシュな映像美や演出がありまして。かっこいいという言葉が真っ先に出てくるような演出が多々あります。

物語の本筋、キャラクターの魅力、音楽の素晴らしさと一緒に映像美のスタイリッシュさも合わせて意識して観ていただけると、さらに物語に没入できて楽しめると思います。

森田さん お三方が言った通りで、本当に隅々まで楽しんでいただきたいです。今回は新規で作られているシーンが非常に多くて。一護の修業シーンやこれまで出していなかったバトルシーンなどが追加されています。それらが『BLEACH』のなかで大きな意味を持っています。

僕が知り得るなかでも、一護の修業はどういうものだったのか、その修業にどのような意味があったのか、これを本当に考察して分かると言葉がなくなるんです。

それぐらいの秘密を持っているので、原作を読んで最後まで物語を知っている方でもこれまで知りえなかったところ、やっと謎が解けるところがたくさん出てきます。そこをしっかりと観ていただきたいです。

『千年血戦篇』が始まって、『BLEACH』という作品が日本のみならず、海外での反響が非常に高いことを実感しました。これほどまでに『BLEACH』が海外で受け入れられていることに驚きましたし、国内外の反響を含めた第2クールでの盛り上がりというものも、『BLEACH』を応援してくださる方々にとっては大きな見どころだと思いますので、それらも含めて楽しんでいただけたら最高だなと思います。

インタビューのこぼれ話

『BLEACH』の収録現場は、とても和気あいあいとしたものだそう。「杉山くんは、パソコンやデジタルに強いので、そういう話をします。伊藤健太郎とは酒の話をしています。くだらない話ばかりしています(笑)」(森田さん)。

Information


web

TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』
放送情報 7⽉8⽇(土)より、毎週⼟曜23:00〜テレビ東京系列ほかにて放送開始︕
配信情報 7⽉9⽇(⽇)より、毎週⽇曜12:00〜最新話配信(⾒放題・都度課⾦配信)
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7⽉13⽇より 毎週⽊曜 24:00〜最新話配信(無料)
ABEMA / TVer / ネットもテレ東 / ニコニコチャンネル / ニコニコ⽣放送
※配信開始⽇は予告なく変更となる場合がございます。詳しくは各配信サービスの情報をご確認ください。

声の出演:森田成一、折笠富美子、伊藤健太郎
⼤塚明夫、野坂昌也、置鮎⿓太郎、稲⽥徹、朴璐美、立木文彦、中尾隆聖
楠⾒尚⼰
菅⽣隆之、杉⼭紀彰、梅原裕⼀郎、武内駿輔、⽵達彩奈、松岡禎丞、⼩野友樹、花江夏樹

原作・総監修:久保帯⼈「BLEACH」(集英社 ジャンプコミックス刊)
監督:⽥⼝智久
©久保帯⼈/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
公式サイト:https://bleach-anime.com/

写真・幸喜ひかり 文・田嶋真理  ヘアメイク・河口ナオ/Nao Kawaguchi(森田さん) 村澤柚香/Yuzuka Murasawa(杉山さん) 宇津野里美/Satomi Utsuno(addmix B.G/梅原さん) 小園ゆかり/YUKARI KOZONO(武内さん) スタイリスト・ちなみちよ/MICHIYO CHINA(森田さん) 笠井時夢/TOM KASAI(梅原さん)