スマホの見すぎで焦点が合わない!? “スマホ老眼”にご用心!

生活習慣やストレスが、知らず知らずのうちに様々な箇所に不調を引き起こしている!? そこで最近、若い世代で増加傾向にある症状として注目を集める「スマホ老眼」にフォーカス。それぞれの主な原因から対策TIPSまで指南!

Index

    スマホ老眼とは?

    スマホの画面を見続けたことによって、目のピント調節がうまくいかなくなったり、2重に見えたりする状態。通常の老眼は、早ければ30代後半から始まるが、最近はスマホを使っている20代~30代前半の若い世代にも老眼に似た症状が現れている。

    今やスマートフォンは私たちの生活に欠かせない必需品だが、長時間画面を見続けていると、若い世代でも老眼に似た症状が現れる!? 最近、画面が見えにくい、ぼやけることが多いと感じている人はご用心!

    CHECK!

    □ スマホを見た後、遠くのものがぼやける
    □ スマホの文字を見る時、少し離すと見やすくなる
    □ 夕方になると、スマホの画面がぼやける
    □ スマホを見ているとついつい画面に寄っている
    □ 目が乾きやすい、充血する
    □ 目の奥が痛む、肩が凝りやすくなった

    → 2つ以上当てはまったら隠れスマホ老眼かも!?

    目の筋肉の疲労なので、休ませれば改善する!

    相棒とも呼べるほど頼りになるスマホ。しかし、その依存度は高まるばかりで、使いすぎによる視覚的な問題が顕在化している。最新の研究によると、デジタルデバイスを使用する人の約7割が何らかの症状を経験しているとか。

    そのひとつが、スマホの使いすぎで老眼に似た症状が出る“スマホ老眼”。しかし老眼とは別物だそう。そのメカニズムを、日本眼科学会眼科専門医の栗原大智さんが解説。

    「老眼自体は、ピントを合わせる役割を果たす凸レンズ『水晶体』の柔軟性が年齢とともに低下することで起こるもの。水晶体を厚くする機能が衰えてピント調節がうまくいかず、近くが見えにくくなります。

    一方で、スマホ老眼は、水晶体を動かす目の筋肉である『毛様体筋』が緊張しっぱなしで起こるもの。ピント調節力が低下して、一時的に近くも遠くも見えにくくなります。老眼は水晶体が硬くなり、毛様体筋も衰えたりすることで現れる目の老化ですが、スマホ老眼は、毛様体筋が疲労しているだけなので、肩こりのように筋肉の緊張を和らげれば、症状は改善されることがほとんどです」

    スマホ老眼は一時的な症状だが、スマホを見て目を酷使し続けていると、どんな影響を及ぼすのだろうか。

    「現段階の研究では、スマホ使用が老眼の発症年齢を早めるかはわかっていません。ただ、スマホ老眼の症状を放置していると、目の疲れが溜まっていき日常的に見えにくいと感じることが多くなっていくでしょう。

    人によっては、目が乾いたりドライアイのような症状が現れたり、目の痛みだけでなく肩こりなど眼精疲労からくる全身の不調を引き起こすこともあります」

    対策は講じつつも、スマホとの向き合い方について、栗原さんからアドバイス。

    「常にいじってないと落ち着かないスマホ依存の方も増加中。スマホに没頭するあまり生活に支障をきたすことがあるので、スマホとはほどよい距離感を保つことが、目や心の癒しに繋がると思います」

    こんな生活習慣にご用心!

    1時間以上スマホを見続けることが多い

    「動画が楽しくて、気がついたら何時間もスマホに没頭していて、目がショボショボする…」なんて生活はご法度。スマホを見続ければ見続けるほど毛様体筋の緊張度は高まり、目にかかる負担は大きくなるばかり。

    寝転んだままスマホ操作をする

    立ったり座っている時より、ベッドなどに寝っ転がった状態でスマホを操作した方が負担増。自然と画面と目の距離が近くなり、毛様体筋はピントを合わせるために強く働く必要があるため、どっと疲れが。

    真っ暗な部屋でスマホを見ることが多い

    瞳孔が開くことで網膜に光が強く入りやすいだけでなく、明暗の差が激しいことでピント調節が頻繁に求められ、目が疲れやすくなる。さらに夜遅くに画面の強い光を浴びることで睡眠障害が起こりやすくなる。

    睡眠不足である

    寝不足だったり、体の疲れがしっかり取れていない状態だと、よりスマホ老眼の症状を感じやすくなる。一時的な目の疲れは、睡眠によって解消するため、睡眠が足りていないとピント調節機能が回復しないまま。

    スマホ老眼対策TIPS

    TIP① スマホを操作する時は20-20-20ルールを徹底

    目の健康を守るために、アメリカ眼科学会が推奨しているのが“20-20-20ルール”。「これは20分に一回、20秒間、20フィート(約6m)離れたところを見るというもの。よく景色を見ると視力が上がるといわれますが、大事なのは景色ではなく遠くを見ること。スマホを見ていると20分はあっという間ですが、時間を区切って休みながら使用することがスマホ老眼対策に最適なので、このルールを取り入れてみて」

    TIP② 定期的にデジタルデトックスをする

    単純に見る時間を減らし、目の疲れを癒してあげる時間を定期的に設ければ、スマホ老眼の症状は現れにくくなる。「できればデジタルデトックスは外で行うのがおすすめ。家の中にいると遠くを見ることも少なく、ついついスマホをいじってしまうこともあるため、できればスマホを自宅に置いたまま外出し、物理的にスマホと距離を取るようにしましょう。目をしっかり休ませることで、リラックス効果もアップ!」

    TIP③ スマホを見る時は目から30~40cm離す

    スマホと目の距離が近ければ近いほど、毛様体筋への負荷は大きくなる。「スマホを見る時は、肘を直角に曲げて見るぐらいの距離がベスト。また一点に視線が固定されると、毛様体筋が凝り固まりスマホ老眼の症状が強まるため、視線をこまめに動かすことも大切です」。さらに目が乾いているとピントが合いにくくなり、無理矢理ピントを合わせようとして毛様体筋に負荷をかけてしまうため、まばたきも意識して。

    TIP④ 1日2回、各5分以上目を温める

    「お風呂に入ることで体の筋肉の疲れが取れるように、目も温めてあげることで緊張が和らぎます。ただ、すぐに冷たくなってしまう蒸しタオルは効果が不十分なため、一定の温度を10~20分間安定してキープできるホットアイマスクを使うのが手」。温めることで、スマホで酷使した目の疲れが改善されるだけでなく、目の温活中はスマホを操作できないため、自然とデジタルデトックスになるのも大きなメリット。

    教えてくれた方

    Profile

    栗原大智

    日本眼科学会眼科専門医。総合病院で眼科診察に従事する傍ら、Webメディア「オンライン眼科」の編集長兼ライターを兼務。著書に『眼科専門医が教える最新知識 スマホ時代の「眼」メンテナンス』(高橋書店)。

    イラスト・二階堂ちはる 取材、文・鈴木恵美

    anan 2490号(2026年4月1日発売)より
    Check!

    No.2490掲載

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